僕の愛するロッカー達10
ジョニー・サンダースと暮らした二週間はクレイジー・ロックン・ロール・ライフだった
物語は、95年1月初来日公演をしたジョニーサンダースが、僕に“日本のロッカーのプロデュースをしてみたい”と語ったことから始まった。彼の帰国後、幾つかのテープをジョニーに送り彼が一番気に入ったのが、元パッツのジミー倉田のデモ・テープだった。バッツは88年10月にエピック・ソニーからデビューしたストレイ・キャッツを彷彿とさせるイキのいいロックン・ロール・バンドで、そこでヴォーカル&ギターを担当していたのがジミーだ。
1年後、新しいレコード会社とバック・ミュージシャンを手配した僕は、アソシエイト・プロデューサーとしてジミー倉田と共にロンドンに飛んだ。ジョニーのサウンド・プロデュースによるジミーのソロ・デビュー・アルバムをロンドンで作るために。現在スウェーデンに住むジョニーは、ニューヨーク・ドールズ以来の相棒、ジェリー・ノーランを連れてロンドンにやって来た。僕らの借りたフラットでジョニー達との2週間にわたる共同生活が始まった。それはまさしく“クレイジー・ロックン・ロール・ライフ”以外の何物でもなかった。
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