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アクセシビリティ向上にむけnoteが実施しているユーザーインタビュー

「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする。」ために、noteではウェブアクセシビリティ(※)の向上に力を注いでいます。

2022年3〜5月は、ウェブのカイゼン、ユーザーインタビュー、社内整備やアクセシビリティ関連のイベント登壇などをおこなったのでご紹介します。

noteのアクセシビリティ強化

noteでは、2021年からアクセシビリティ強化に取り組みはじめ、あらゆるクリエイターがnoteでの創作を楽しみ、その過程や作品を発表し応援しあえるように、プロジェクトチームを発足しカイゼンを進めています。

※ ウェブアクセシビリティ
一般にアクセシビリティとは、アクセスのしやすさを意味します。転じて、製品やサービスの利用しやすさという意味でも使われます。
ウェブのアクセシビリティを言い表す言葉が、ウェブアクセシビリティです。ウェブコンテンツ、より具体的には、ウェブページにある情報や機能の利用しやすさを意味します。

ウェブアクセシビリティ基盤委員会「基礎知識」

3〜5月に実施したユーザーインタビュー

noteではこれまでアクセシビリティ向上にむけて10名以上のかたにユーザーインタビューを実施。​​全盲、弱視、色覚特性、上肢障害などさまざまな障害当事者のかたがたにご協力いただきました。

3〜5月は、上肢障害のかたがたや全盲のかたにお話をうかがいました。
今回は、上肢障害のある3名のかたのインタビューの様子をご紹介します。

お話を聞いたかた

・筋萎縮性側索硬化症(ALS)により眼球以外が動かず、視線操作でパソコンを操作しているかた
・先天性の脊髄性筋萎縮症(SMA)があり、マウスとスクリーンキーボードのみでパソコンを使っているかた
・先天性多関節拘縮があり、パソコンの操作は、片手・片肘・指の関節でおこなっているかた

文字入力ツールが表示されたZoom画面
視線操作のかたとは文字入力ツールの画面をとおしてコミュニケーション
パソコン操作の様子の写真
パソコン操作の様子を動画で送っていただきました

うかがったことと気づき

インタビューでは、以下の操作をひと通り試してもらい、つまずくところや操作できないことがないかを検証しました。

  • 記事を探す(キーワード検索、「今日の注目記事」から探す)

  • 記事を読む(読んで、スキをつける)

  • 記事を書く

  • 記事を投稿する

スクリーンキーボードで入力している様子のZoom画面
スクリーンキーボードでnoteのテキスト入力を試していただいている様子。キーボードのみで文字装飾メニューを操作できるカイゼンに対して「めちゃめちゃいいですね!天才ですよ」と言っていただきました。
視線操作でメニューバーを試している様子のZoom画面
視線操作で文字を選択しメニューバーを出す方法をためしていただいている様子

このように実際にnoteを触っていただきながら、印象や改善してほしい箇所をうかがい、

  • マウスのドラック&ドロップでしか操作できない機能はキーボード操作のみでは実行できない可能性がある

  • マウスオーバーで出現させるポップアップが選択しづらい

  • スクリーンキーボードのみで操作する場合、ショートカットキーの充実が操作性を上げる

など多くのフィードバックをいただきました。

全体をとおして、ひとつの機能に対する操作の選択肢が増えることがアクセシブルなプロダクトにつながるという学びがありました。

インタビューをふまえたカイゼン

インタビューでいただいた意見や気づきをもとに、さまざまなカイゼンをおこないました。

例えば、文字入力画面の「+」マークで出るメニュー内をキーボードの[tab]キーで移動するとメニューのポップアップ表示から抜けてしまう状態だったため、フォーカストラップをつけてポップアップ内を周回するようにしました。

プラスマークで出るメニュー画面

インタビューをふまえた開発体制

ユーザーインタビューをしたあと、どのような体制で実際にサービスのカイゼンに活かされるのか。その様子はこちらの記事で担当エンジニアがくわしくご紹介しています。

他のアクセシビリティ強化施策

他にも3〜4月の間で、以下のアクセシビリティに関する施策を行いました。

機能のカイゼン

  • カルーセルという横移動するUIが自動で動いていましたが、注意を引きつけすぎてしまうため、動きをコントロールできるよう、クリックして横スクロールできるアクセシブルなコントローラーを追加

  • スクリーンリーダーで不要な情報が読み上げられていた部分を修正

社内整備

  • クラウド会計ソフトなどを提供するfreee株式会社が公開しているアクセシビリティー・チェック・リストを活用して課題点を抽出

  • NVDAというwindowsのスクリーンリーダーソフトで、リモート環境でもwindowsを使えるように対応。関係メンバーが扱えるよう使い方の社内勉強会を実施

  • エンジニア向けの勉強会で、altの価値やつまづきポイントを発表

社外リレーション

  • 世界各地でデジタル分野(Web、ソフトウェア、モバイルなど) のアクセシビリティを考える「GAAD(Global Accessibility Awareness Day)」のイベントにnote社のUXリサーチャー・仙田さんが登壇し、note社の取り組みを紹介。イベント当日の反響もまとめられています!

noteではこれからも「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする。」のミッション実現にむけ、アクセシビリティを向上していきます。

インタビューに協力していただけるかたは、インタビュー募集フォームからご応募ください。

私たちは、クリエイターのみなさんのご意見・ご要望を受けてカイゼン事項を検討しています。引き続き、創作活動がしやすい環境づくりを進めていきますので、ぜひご意見をお聞かせください。

これまでのアクセシビリティ施策や機能カイゼンの一覧は、以下からご覧いただけます。

カイゼンの最新情報は、公式Twitterでもお知らせしています。

機能に関するカイゼン・ご要望は noteフィードバック から。
その他のお問い合わせは リクエスト送信フォーム からお願いします。

※ noteは日々カイゼンを行っており、今後のカイゼンによっては、ページデザインが変わる可能性があります。そのため、今回おしらせした新機能の最新版については、ヘルプページをご確認ください。

https://www.help-note.com/hc/ja