【日英比較!】イギリスの大学教育の特徴
9月の下旬から始まった留学生活ですがついに12月になり、今学期の最終課題を提出し終え、冬休みに突入しました。イギリスの大学で3ヶ月を過ごしてみて日本との違いをかなり感じており、日本も取り入れたらいいのになぁという点も多々あります。今回はそんな私の気づきをまとめていこうと思います。
①クラスの構成
大学が始まってまず最初に驚いたことは、一つの科目に対して、講義、チュートリアル(セミナー)など複数のクラスが存在することです。チュートリアルとは講義の内容を深く理解するために、ディスカッションをしたり、講義内容を実際の例に照らし合わせてみたりする授業で、学生が主体になるクラスです。特に私はプレマスターコースに通っているので、上記の2つに加えて、講義の復習のクラス、またその授業に関わるライティングのクラスがあり、1つ科目をコンプリートするのに週に合計5時間クラスに出席しています。今学期は2つの科目を取っていたので、選択授業だけでも週に10時間、それに加えて必修のクラスが入っていて、そこそこ忙しい日々を送っていました。これらの授業の準備を事前にできるように、オンライン上に事前に資料がアップされていたり、読書リストが配られたりしているので、学生は授業前に準備をします。私の日本の大学では90分の講義を週に1回出席すればいいだけだったので、学部生のときはとりあえず出席すればいいや、と言う甘い考えで通用してしまっていました。そのためイギリスのこのようなシステムは非常に学びになっていると実感しています。
②提出する課題の取り組み方
次に驚いたのは一つの課題に対する取り組み方です。日本の大学では大体は期末にレポートかテストが課され、それをこなしていくと言うスタイルが多いと思います。そのレポート作成時に誰かに確認やFBしてもらうことは、少なくとも私はなかったです。しかしこっちで初めて課題を出されたとき、課題のドラフトを見せたい人はアポをとるように教授から言われました。最初はこのシステムを知らなかったので、課題を出した教授が学生の課題にアドバイスすることに驚きました。実際に受けたFBは、この本を読んだ方がいいとか、資料の使い方などです。さらにチューターにFBをお願いすると、エッセーの書き方、細かい英語のミスに加え、構成や課題に対して答えが微妙なので直すべき、などと指摘してもらえます。一つの課題をこなすのに問題を読み解き、文献を読み、構成を考え、実際に書いてみて、手直しをすると言うフローを行います。一つ終わらせるのに最低1週間はかかりました。日本で期末レポートを書くときは正直3日あれば十分で、高い評価を得ることができていました。そのため一つの課題にかける取り組みと時間も大きく異なっていると感じています。
③評価基準
課題の提出はオンラインで行われます。日本と違うのは提出してすぐに剽窃、他の文献や論文と似ていないかと言うのを割合で表したSimilarityがすぐにでることです。日本の大学でもおそらく教授などはこのようなシステムを使っているのだと思いますが、学生がそれを知ることはないと思います。また評価に関してもかなり違います。日本ではA-Dぐらいの範囲で評価されます。しかしイギリスでは100%を上限に40%以下は落第となっています。その平均は60%程度だと聞いたことがあり、100%は出版できるレベルだと私の大学では説明されています。私は日本では基本AまたはBで、割合にすると80%以上の成績を取ってきました。そのため最初に課題の評価をみたときは、これまで人生で見たことのない低評価に心拍が速くなったのを今でも覚えています笑。しかしおそらくその課題の平均ぐらいは取れていただろうと後から知り、ひとまず安心しました…。また課題提出後に起こることも日本とイギリスでは異なります。日本の大学では成績評価のみ学期後に知ることができ、各課題への評価及びFBはもらえません。そのため一度提出した課題を振り返ることはほぼないと思います。しかしイギリスでは各課題の評価が提出したオンラインシステムに表示され、提出したファイルを開くと教授からのFBを見ることができるのです。こういったところも次の課題をどうよくするかにつながるので、非常にいいシステムだと思っています。
④関わる先生の数
最後は、関わる先生の数です。②の項目でチューターと書きましたが、私はこのチューターという先生の立ち位置を理解するのに最初苦労しました。講義を行う人はlecturerと呼ばれPh.Dを持った、日本でいわゆる教授と呼ばれる人です。ではチューターとは何かというと、授業や学生生活をサポートする役割を行う人です。なので講義の後のディスカッションクラスは、教授ではなく別の先生が行うこともあります。そして私のプログラムではライティングクラスもあるので、それにもまた別のチューターがいます。そして私の学校の特徴は留学生が非常に多いことです。そのためパーソナルチューターと言って、イギリスの生活全般について聞いたり、相談できる人も割り当てられます。またこのプログラムの最後に個人プロジェクトを提出するのですが、それをガイドしてくれる人としてsupervisorと言う私の研究分野に詳しい人がついてくれ、プロジェクトの英語や構成を見てくれるチューターもいます。このように、一つの授業やプロジェクトでも複数の先生と関わることができ、困ったときは誰に頼ってもよいと言う状況が作られているサポート体制は素晴らしいと感じています。
まとめ
今回は日本とイギリスの大学での教育の違いについてまとめてみました。日本の大学教育のいいところもありますが、明らかに力が伸ばせているのはイギリスの大学かなと感じているのが現状です。同じ授業を受けている方で、日本の大学で教えていて現在サバティカルで来ている方とお話した時に、日本の大学もこんな感じになるべきだよね、このプログラムの日本の学生はみんないい顔してると思うと仰っていました。しんどいのは確かで、みんな寝不足でひどい顔をしていますが、それでもこの経験が必要なことを理解しています。学びに貪欲になる姿勢は日本の大学生にもうちょっとあってもよいのではないかと思っています。
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