#4 我が家の後継ぎ問題。

私は生まれてから今まで、「あなたは後継ぎだから」と言われて育ってきました。

小さい頃は、その言葉の意味がよく分からなかったので、全く気にしていなかったですし、なんなら、妹よりも期待されているのかな？と嬉しく思っていました。

ですが、大人になりその言葉の意味を知った私は、「後継ぎ」という言葉の重みを実感しました。

ちなみに、「後継ぎ問題」という言葉を聞くと、なんだかすごい家だと思われるかもしれないのですが、会社を経営しているわけでもなく、特別名誉のある家でもありません。
ただ、我が家はド田舎なので、考え方がちょっと古い？というか、先祖代々築かれた家を守るという考えがすごく強いのだと思います。

今の時代、そんなの気にしなければいい！という意見もあると思いますが、気にせず生きることが難しい部分もあります。

例えば
お墓や家、土地の管理、親のお葬式などなど
それだけで沢山のお金がかかるでしょうし、全て私が責任を持ってやり遂げなければいけない問題です。

もちろん、この問題はよくあることですし、みんな同じかなと思うのですが‥。


重要な問題は、結婚にあります。

そもそも結婚できるかできないかというのも大きな問題ですが、重要なのは、"結婚相手"です。

私の結婚は、"婿をもらう"というのが絶対条件です。

私の家は、2人姉妹なので、どちらかが婿をもらうことができなければ、我が家は私達の代で途切れてしまいます。

両親は自由に恋愛をしていい、気にしてなくていいと言ってくれていますが、おばあちゃんは絶対に婿をもらってきなさいと言っています。

私は、両親がそう言ってくれたことはとてもありがたいと思いましたが、おばあちゃんの気持ちもよくわかります。
先祖代々守られてきた家を、私達で途切れさせていいのだろうかと、色々思う部分があるからです。

だからこそ、すごく悩む問題です。

例えば、両親の考えを優先し、好きな人と恋愛をし、他の家に嫁ぐことになったとしましょう。
私は、自由に恋愛することができましたが、おばあちゃんを少なからず失望させてしまうでしょう。
そして、我が家は私の代で途切れることになります。

だからと言って、おばあちゃんの言うことを守るとすれば、自由に恋愛することはできません。
もし、仮に好きな人ができて、その人が家を継がなければいけない長男だったら？一人っ子だったら？
その時点でその恋愛は終了です。

つまり
出会った時点で、相手が長男なのか、そうでないのか確認してから、恋愛に発展しなければいけないということになります。

この現実を知ってからは、私の人生なのにな‥と思ったり、私が自由に恋愛をする権利はないのかな？と考えてしまったりしました。
また、もし条件をクリアした人と恋愛をすることになったとしても、婿になるということやそれに伴って発生する問題が、相手の負担になるのではないかと気にするようにもなりました。

そんなこともあり、私は「後継ぎ」という言葉が嫌になりました。

それと同時に、周りの人たちの恋愛が羨ましく思うようにもなりました。

家の問題にとらわれず、ただ純粋に「好き」という感情だけで恋愛することができるなら、きっと楽しいんだろうなと。

それに、こういった後継ぎ問題に遭遇することはレアケースなのか、周囲の人からあまり理解を得られないのもちょっぴり悲しいです。

気にしなくていいじゃん！って言われても、気になるし、気にしなければいけない問題です。