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公務員試験の集団面接で出会った優しいなまはげのおかげでやる気が湧いてきた話【INFJ公務員】


あれは、1x年前のことじゃった……

ももんがの採用された市では、一次試験の筆記試験に通過すると集団面接に進むことができ、さらにそれを通過すると、小論文と個人面接という二次試験に進めるという作りでした。

無事に筆記試験を通過したあとの集団面接で、彼と出会ってしまったのです。

当時の私は、なんとなく、目的もなく、民間企業の就活が嫌だからという理由で公務員試験を受けることにしていました。(しかも市役所一本で……)

地元の町は大好きだし、普通に就職して自分の給料で食っていきたいという気持ちはありつつも、いまひとつ、強く公務員になりたいという気持ちは無いまま、集団面接を迎えてしまいました。

そんな腑抜けた私に刺激を与えてくれたのが、集団面接で隣の席で受験番号も隣同士だった彼なのです。


「休日はどんなことをして過ごしていますか?」

集団面接の定番質問も終わり、少し空気を変える目的もあったのか、面接官の方がこんな質問をしました。

「みなさん自身のことを知りたいので、固くならずに好きなことを答えてみてください」
という補足を付け加えたあと、受験番号順に指名され始めます。

確か6人くらいの集団面接だったと思うんですが、私は最後の6番目だったので、他の人の趣味のスポーツや旅行のお話を片耳で聞きながら、何を言おうかな〜とぼんやり考えていました。

そして、ついに隣の受験生に順番が回ってきます。

面接官「それでは265番(※仮)さん」
🙋🏻‍♂️「ハイ!」

記憶

(元気だな)

💁🏻‍♂️「私は、休日に、人助けをしています。人助けをすることが、心から楽しいです。」

記憶

(?!)

面接官「人助け…とは…」
🙋🏻‍♂️「ハイ、街に出て、困っている人がいないか探しています」

記憶

(怖。困ってる人はいねが〜って探し回ってるということ?!優しいなまはげ?!)

面接官「…具体的にはどういったことなのでしょうか。休日に行なっているんですか?」
💁🏻‍♂️「ハイ!具体的には、たばこの吸い殻などのポイ捨てを拾ったりしています。」

記憶

それはマジでありがとう。
散歩している犬とかがたばこの吸い殻を誤って食べてしまったら大変なことになるし。

面接官「休日に行なっているんですか?(2度目)」
💁🏻‍♂️「休日だとしても、人のためになることをすることが大事だと思っています」

記憶

いやこれ文章だと伝わりきらないんですが、ものすごく抑揚も大きくて「演技」の喋り方なんですよ。
座りながら舞台俳優ばりの身振り手振りなんですよ。
例えば、「私は、」で胸を押さえて、「人助けをしています」で右手を前に出しながら上げるなど。

(大西ライオンの「心配ないさ〜」の手の動きのイメージで大丈夫です)


てか、さっきまでも多少の違和感はあったが、ここまでじゃなかったと思うのに、急にどうしちゃったんだ


まあ多分、この質問、予習してたんだと思うんだよね。
で、スラスラ言ってたから台本なんだと思う。
これ、進研ゼミでやったやつだ…!でパワーフルマックス出してたんですよ。

別に内容はいいんですよ。人助けが必要な人を探すのが休日の趣味でも。
善のなまはげ、いいと思います。

いいんだけどなんか嘘くせ〜
嘘だとしても、型にはまったこういう内容がウケると思ってるのがいけすかねぇ〜
本当だとしたらちょっと怖ぇ〜
しかもそういうことを聞きたいんじゃない「休日にしてること」でこの内容を言ってくるのが私とは合わない〜

そして私は決意しました。

もしこの人が受かっていたら、この会社と価値観が合わないかもしれない。
もしこの人が受かっていたら私は辞退しよ。
そんで絶対に私が受かってみせる……!

合格発表の日、人生で始めて自分の受験番号より先に人の番号があるかを確認しました。
そして私は辞退せずに二次試験に進みました。

これを通じて、会社に入社する前にその会社の価値観を測るのに重要な視点の一つとして、「社員」があるし、自分も会社のブランドで見られる立場になるかもしれないんだなと気付きました。

※ただし、当時はこのように純朴でアツかった私ですが、入庁後に「どこのどいつがこいつを採用したんだよ……」と叫びたくなる職員が想像以上にいることを思い知らされるのです……


今日のBGM

twenty one pilots - Lane Boy


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