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Databricksを勉強してみる 第二回

前回はDatabricksの「はじめに」から「Databricksのノートブック」までの内容について簡単に説明しました。 今回はUnity Data CalalogやSparkなどについて説明します。

7. DatabricksのUnity Data Catalog
Unity Data Catalogは、Databricksにおけるメタデータ管理の中心的なツールです。AWS Glue Catalogのように、データセットやテーブルのメタデータを一元管理し、データの発見やカタログ化をサポートします。Databricks内で利用可能なデータソースを簡単に検索・参照できるため、データガバナンスの強化にも貢献します。
Unity Data Catalogの主な機能:

  • データの発見と検索: データカタログ内のすべてのデータセットやテーブルを一元管理し、簡単に検索・アクセスできます。

  • データのカタログ化: 新しいデータソースを容易にカタログ化し、他のチームメンバーと共有できます。

  • データのプロファイリング: データの品質を確認するために、簡単なプロファイリング機能を提供します。

サンプルコード: Unity Data Catalogを使ってテーブルを登録する

# テーブルの登録
spark.sql("CREATE TABLE IF NOT EXISTS unity_catalog.my_table (id INT, name STRING, value DOUBLE) USING delta")

# テーブルの確認
tables = spark.sql("SHOW TABLES IN unity_catalog")
tables.show()

このように、Unity Data Catalogを使えば、データセットを簡単に管理・検索できます。
8. DatabricksのSpark
Apache Sparkは、Databricksの核となる分散処理エンジンです。DatabricksはSparkをベースにしており、大規模なデータ処理、リアルタイム分析、機械学習に最適化された環境を提供します。Sparkの強力な並列処理機能により、データを迅速かつ効率的に処理できます。
Sparkの主な機能:

  • データフレーム: 大規模なデータセットを操作するための柔軟なAPI。SQLのような操作をスケーラブルに行えます。

  • RDD: Resilient Distributed Datasetの略で、分散データ処理の基本単位です。耐障害性と並列処理が特徴です。

  • Spark SQL: SQLクエリを使ってデータにアクセスし、操作するための強力なツールです。

サンプルコード: Sparkでデータを集計する

# データの読み込み
df = spark.read.csv("s3a://your-bucket-name/data.csv", header=True, inferSchema=True)

# データの集計
result = df.groupBy("category").agg({"value": "sum"})
result.show()

# SQLクエリを使用してデータを操作
df.createOrReplaceTempView("data_view")
spark.sql("SELECT category, SUM(value) FROM data_view GROUP BY category").show()

Sparkを活用することで、大規模データの処理が驚くほど簡単になります。
9. DatabricksのDelta Lake
Delta Lakeは、Databricksにおけるデータ管理の要となる技術です。ACIDトランザクションをサポートし、データの整合性と信頼性を保証します。さらに、データのバージョン管理やタイムトラベル機能により、特定の時点のデータに簡単にアクセスできます。
Delta Lakeの主な機能:

  • ACIDトランザクション: データの一貫性を保ち、複数のユーザーが同時にアクセスしてもデータの整合性が維持されます。

  • データのバージョン管理: データの変更履歴を保持し、特定のバージョンに簡単に戻ることができます。

  • スキーマエボリューション: データスキーマの変更を容易に扱え、柔軟なデータ処理が可能です。

サンプルコード: Delta Lakeでデータを管理する

# Delta Lakeフォーマットでデータを保存
df.write.format("delta").save("/mnt/delta/my_table")

# データの読み込み
delta_df = spark.read.format("delta").load("/mnt/delta/my_table")
delta_df.show()

Delta Lakeを利用することで、データの信頼性と処理の効率が大幅に向上します。
10. Databricksのレイクハウス、メダリオンアーキテクチャ
レイクハウスアーキテクチャは、Databricksが提唱する新しいデータアーキテクチャで、データレイクの柔軟性とデータウェアハウスの厳密性を組み合わせたものです。これにより、構造化データと非構造化データを同じプラットフォームで扱えるようになります。
メダリオンアーキテクチャは、レイクハウス内でデータを段階的に精錬するためのアプローチです。データはブロンズ、シルバー、ゴールドの3つのレイヤーに分かれ、段階的にクリーンアップや集計が行われます。

  • ブロンズレイヤー: 生データを格納します。最初にデータレイクに取り込まれた状態のデータです。

  • シルバーレイヤー: クレンジングされたデータが格納されます。ビジネスロジックに基づいてフィルタリングや変換が行われます。

  • ゴールドレイヤー: 高度に整備されたデータが格納されます。BIツールやレポート生成に利用できるデータです。

サンプルコード: メダリオンアーキテクチャの実装

# ブロンズレイヤーに生データを保存
bronze_df = spark.read.csv("s3a://your-bucket-name/raw_data.csv", header=True, inferSchema=True)
bronze_df.write.format("delta").save("/mnt/delta/bronze")

# シルバーレイヤーでデータをクレンジング
silver_df = bronze_df.filter(bronze_df["value"].isNotNull())
silver_df.write.format("delta").save("/mnt/delta/silver")

# ゴールドレイヤーで集計データを生成
gold_df = silver_df.groupBy("category").agg({"value": "sum"})
gold_df.write.format("delta").save("/mnt/delta/gold")
メダリオンアーキテクチャ

レイクハウスとメダリオンアーキテクチャを活用することで、スケーラブルで一貫性のあるデータ処理が可能になります。
これで、「DatabricksのUnity Data Catalog」から「Databricksのレイクハウス、メダリオンアーキテクチャ」までの内容をカバーしました。次回は、MLflowやワークフローについてさらに詳しく見ていきます。お楽しみに!


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