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Databricksを勉強してみる 第一回
0. はじめに
クラウドベースのデータプラットフォームが進化を続ける中、データエンジニアリングやデータサイエンスにおいて、Databricksが注目されています。もしAWSでデータレイクやデータウェアハウスを構築した経験があるなら、Databricksは次のステップとして非常に有用なツールになるでしょう。本記事では、AWSでデータレイクを構築経験のある人向けにDatabricksの基礎を学び、初めて触れる方に向けたガイドを提供します。実際の画面は環境の都合で割愛しますが、全体像をつかむことができるはずです。
1. Databricksとは
Databricksは、データのエンドツーエンド処理を行える統合プラットフォームです。もともとApache Sparkの開発者によって創設されたこのプラットフォームは、ビッグデータの処理、機械学習の実行、そしてリアルタイム分析を一つの環境で実現します。
Databricksの主な強みは、その柔軟性とスケーラビリティです。異なるデータソースや処理パイプラインを簡単に統合でき、クラウド環境上で大規模なデータ処理をスムーズに行うことができます。
2. Databricksの概要
Databricksは、主に以下のコンポーネントで構成されています。
ワークスペース: ユーザーがデータ処理や分析を行うためのインターフェース。ここでノートブックやジョブの管理を行います。
クラスタ: Databricksでの計算リソース。自動スケーリングにより、データのサイズや処理内容に応じて柔軟にリソースを調整します。
ノートブック: インタラクティブな開発環境。コードの実行、ビジュアライゼーション、コメントの追加が可能です。
Delta Lake: ACIDトランザクションをサポートするデータレイク。データのバージョン管理やタイムトラベル機能を提供します。
MLflow: 機械学習モデルのライフサイクル管理ツール。モデルのトラッキング、パラメータ管理、デプロイメントを容易にします。
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3. Databricks利用に必要なもの
Databricksを利用するには、以下の準備が必要です。
AWSアカウント: DatabricksはAWS上で動作するため、まずはAWSアカウントを用意します。
Databricksアカウント: Databricksの公式サイトからアカウントを登録します。無料トライアルを利用して、基本機能を試すことができます。
S3バケット: データを格納するために、S3バケットを用意します。DatabricksはS3との統合がスムーズに行えます。
IAMロール: DatabricksがAWSリソースにアクセスできるように、必要なIAMロールを設定します。
4. Databricksの主な用語説明
ここでは、DatabricksとAWSデータ基盤の主要な用語を比較して説明します。
クラスタ (Cluster): AWSのEMRクラスタに似ていますが、Databricksはより柔軟なリソース管理と自動スケーリングを提供します。
ノートブック (Notebook): Jupyter Notebookに類似していますが、Sparkとの統合がより密接です。
Delta Lake: S3とGlueカタログの組み合わせと似ていますが、ACIDトランザクションやデータバージョニングのサポートが追加されています。
ジョブ (Job): Databricksのジョブは、AWSのStep FunctionsやLambdaに似た自動化ワークフローの一部として使用されます。
5. Databricksのワークスペース
Databricksのワークスペースは、データサイエンティストやデータエンジニアが作業を行うための統合環境です。ここでは、ノートブックの作成、ジョブのスケジューリング、クラスタの管理など、日常的なタスクを簡単に行うことができます。
ワークスペースは以下のような構成要素で成り立っています。
フォルダ構造: プロジェクトごとにノートブックやジョブを整理するための階層構造を持っています。
データ管理: データセットやテーブルを管理し、容易にアクセスできます。
チームコラボレーション: ワークスペース内でチームメンバーが共同で作業するための共有環境です。
6. Databricksのノートブック
Databricksのノートブックは、インタラクティブにデータ処理や分析を行うためのツールです。Python、SQL、Scala、Rなど、複数の言語に対応しており、データの視覚化や共有も容易に行えます。
ノートブックの特長:
セルベースのインターフェース: コード、テキスト、ビジュアライゼーションをセル単位で実行・管理します。
マルチ言語サポート: ノートブック内で複数のプログラミング言語を使用できます。
リアルタイムコラボレーション: 複数のユーザーが同時に編集・実行できるため、チームでの作業が効率化されます。
以下は、ノートブックでの基本的なPythonコードの例です。
# データフレームの作成
data = [("Alice", 34), ("Bob", 45), ("Cathy", 29)]
columns = ["Name", "Age"]
df = spark.createDataFrame(data, columns)
# データの表示
df.show()
# 年齢の平均を計算
avg_age = df.groupBy().avg("Age").collect()[0][0]
print(f"Average Age: {avg_age}")
ノートブックでは、このようにインタラクティブにコードを実行し、その結果を即座に確認できます。
以上で、「はじめに」から「Databricksのノートブック」までの内容をカバーしました。この段階で、Databricksの基本的な操作や主要な概念について理解が深まっているはずです。次回は、Unity Data CatalogやSparkについてさらに掘り下げていきましょう。