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■アメイジング・スパイダーマン:カミング・ホーム
■The Amazing Spider-Man 1: Coming Home
■Writer:J. Michael Straczynski
■Penciler:John Romita Jr.
■翻訳:クリストファー・ハリソン ■監修: idsam
■カラー/ハードカバー/499円
「マーベル グラフィックノベル・コレクション」創刊号。1号目ということもあってか、マーベルの顔とも言えるスパイダーマンがラインナップ。
収録作品は、1999年創刊の『アメイジング・スパイダーマン(vol.2)』より、#30-35(6-11/2001)の全6話分。
それまで『アメイジング・スパイダーマン(vol.2)』誌のライターを担当していたベテラン、ハワード・マッキーが降板し、替わりに気鋭の作家J・マイケル・ストラジンスキーがライターに就任しての最初のエピソードとなる(マッキーとも組んでいたペンシラーのジョン・ロミータJr.はそのまま続投)。
余談ながら、本エピソードの連載中に、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件が勃発したため、続く#36(12/2001、<これはカバーデイト(発行日、伝統的に少し先の日付になる)で、実際には2001年11月14日に刊行)は、本来の予定を変更してスパイダーマンらが911事件の追悼を行う短編「スタンド・トール」が掲載された。
上記は、2003年に新潮社から刊行されたムック、「アメコミ&ムービー・スーパーガイド」。話題の作品として、『アメイジング・スパイダーマン』#36の翻訳版が、袋綴じで収録されている。
閑話休題。
この時期は、若い読者向けに創刊されたブライアン・マイケル・ベンディスの『アルティメット・スパイダーマン』誌(2000年創刊)が好評を博していた時期で、本家『アメイジング・スパイダーマン』誌もストラジンスキーの起用で活性化を試みた形となる。
そんな訳で、マッキーの担当回の最終話(『アメイジング・スパイダーマン アニュアル2001』(5/2001))において、ピーターはそれまで住んでいたアパートを引き払う一方、奥さんのメリー・ジェーンと一時的に別居することとなり(マッキーの連載中で、彼女はストーカーに長期間拉致されるという経験をしていたため、静養を必要としていた)、身一つで新たな人生を踏み出すこととなる。
新たな人生を歩みだしたピーターが、いかなる進路(新たな職業)に進んだかは、まあ、『カミング・ホーム』本編を参照のこと。
なお、今巻『カミング・ホーム』の続きの話は、「マーベル グラフィックノベル・コレクション」第59号『アメイジング・スパイダーマン:リベレーションズ』として刊行予定(『アメイジング・スパイダーマン(vol.2)』#37-45(1-11/2002)を収録 ※先述した#36は未収録)。
本作で初登場したキャラクターであるエゼキエルは、『アメイジング・スパイダーマン』#47(1/2003)で再登場した後、『アメイジング・スパイダーマン(vol.1)』#506-608(6-7/2004)の「ブック・オブ・エゼキエル」編の作中で退場する(これらのエピソードは「マーベル グラフィック・コレクション」での刊行予定なし)。
また、本作で初登場したヴィランのモールンは、2005年に『スパイダーマン』関連誌で展開された「ジ・アザー:エボルブ・オア・ダイ」編(スパイダー・トーテム関連の話が掘り下げられるエピソード)で再登場。また、2009年の『ブラックパンサー(vol.5)』#5-6(8-9/2009)に登場してブラックパンサー(ティチャラ)と戦ったりもする。
また、2014~2015年にかけて『スパイダーマン』関連誌で展開された「スパイダーバース」では、並行世界中のスパイダーマンたちとモールンの“家族”とが、次元を揺るがす戦いを繰り広げることとなる。
『スパイダーバース』は、ヴィレッジブックスより2016年に刊行されたが、「マーベル グラフィックノベル・コレクション」でも、第30号『アメイジング・スパイダーマン:スパイダー・ヴァース』として刊行予定(カナ表記が「バース」ではなく「ヴァース」なのはアシェットのポリシーか?)。
さて、本作以降、ストラジンスキーは、2007年初頭まで、6年近い期間、『アメイジング・スパイダーマン』誌のライターを務めていく。
やがて、2004年末に創刊された『ニューアベンジャーズ』で、スパイダーマンは新生アベンジャーズに参加し、それまでのソロ活動から、ヒーロー・コミュニティの様々な潮流に巻き込まれる立場となってしまう。
そして、2006年の『シビル・ウォー』で、スパイダーマンはアイアンマンらを中心とする超人登録法賛成派に参加したものの、やがてアイアンマンの強引な手法に反発して反対派に鞍替えしたものの、同イベントとタイインした『アメイジング・スパイダーマン(vol. 1)』#538(1/2007)で、メイ叔母さんが重傷を負うという事態が勃発。
メイ叔母さんの生命を救うためにピーターとメリー・ジェーンが重大な決断を下す、『スパイダーマン:ワン・モア・ディ』のエピソードをもって、ストラジンスキーはライターを降板する。
こちらは小学館集英社プロダクションより刊行された、『ワン・モア・ディ』の邦訳版。