いつもここから

時々、どうしようなく流れる歌がある。

悲しい時ー
(悲しい時ー)

これは歌なのだろうか。きっと歌だ。コーラスがついた歌なんだ。脳内に浮かぶ映像はガッツポーズしたスーツの男性二人組なんだけれども。

買い物したあとに期限切れ間近のポイントが見つかった時。ため息とともに歌は流れ、映像は流れる。
消費税分にも満たないポイント数いえど悔しくてたまらないのは、私がドケチなのか。景気が悪いからか。

どこも販売終了していた舞台のチケット、リセールで購入したあとにちらっとカードの優待ページを見ていたらチケット復活していた時。その金額差、今日買った高級プリン4個相当。あの歌がワンコーラスで終わるわけなく、もちろん映像の二人組は何組も出てくるわけだ。その現象こそ、悲しい時ー。

他にもあるはずなのだが、いざ書こうとすると思い出せない。悲しい時ーは突発的に降りてくるのだ。しかも、降りてくる悲しみはだいたい流せてしまいそうな、されど、月のクレーターのように残り続ける。
あの歌はコントの一節だ。笑えるけれど、どこか胸の奥が痛むような話がネタだった。共感することもあったし、「そんなこともあるんだ」と理解することもあった。
悲しい時ーが流れる私の悲しみは共感も理解も得られないかもしれないが、その場合は今のこともこれからも右から左に受け流していただければ幸いです。

いっそのことリセール出して優待で舞台のチケットを買おうかと思ったが、手数料もかかるからやめた。そもそも、優待で安いから観ようと思ったことが一番の観劇理由ではない。キャストも話も気になっていて、どうしようかな……値段張るな……でもゴリゴリの会話劇観たいな……優待で買えるならいいかな……まだ日付あるし席もあるから予定を確認しようと思っていたからだ。値段の問題はやはり一番か。
今回、優待は期限内であれば在庫が復活することがあると学んだ。在庫復活は稀だったかもしれないけれど。
しかし、優待であっても他の予定に余裕があれば観ようと思った舞台であっただろう。先行抽選を考えたらリセールで購入した金額と変わらなかっただろう。
何よりリセールに出した人が私が購入したお金で、美味しい高級プリンを食べていたら嬉しい。なにはともあれ、私も観たかった舞台を観に行けるようだから。

買い物のポイントは……星になったと願おう。星になって、流星になって、私の願いを叶えてくれるはずだ。フィクションがいつかノンフィクションになると信じてる。酷いフィクションはフィクションのままでいてくれよ。

いつか悲しい時ーが流れる時の話を笑って話せるようになりたいものです。ちょっと、ちょっとなのかはわからないけれど、まだ胸の奥が痛いもので。
余裕が出て、豊かになって、どんな小さな喜怒哀楽も見落とさずに表現できる人生を送る。

そう言えば、悲しい時ーの方々、コンビ名は「いつもここから」。自虐のようなネタが多い印象だけれど、それゆえにいつだってここから人生上がっていくんだと思えるコンビ名かもしれない。

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