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ジャック・アマノのアメリカ“NOW” 入国30日目でついに感染者数400万人突破! 来週の月曜からようやくインディアナ州もマスク着用義務付けに

アメリカのパンデミックが全然収まらない。もう静まって行くだろうという読みで渡米してきたけれど、状況はまるで逆になっている。最近になって感染状況は大幅悪化、ほぼ全土が泥沼に嵌っている。

先週末のアイオワ・スピードウェイで開催されたインディーカーの入場者の除菌チェックの様子。手指の消毒を義務付けていた(タイトル写真)

 いまいるミネソタ州では、この土曜日から公共の場所でのマスク着用が義務付けになる。いまさら!? と驚く。CDC(=感染とその対策に関わるアメリカ政府の機関)が、「国民全員がマスクをすれば感染は4〜8週間ほどで収束する」と発表したのは7月14日のことだったけれど、その指示を聞き入れない州があるんだから、まったく理解ができない。

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レース観戦でもソーシャル・ディスタンス。グループごとに離れて座るようチケットは限定販売に=アイオワ・スピードウェイ

ジョージア州のように、アトランタ市がマスク義務付けを発表したら、“それは許さない”と州知事が市長らを告訴するという呆れた事態になった。もうワケがわからない。

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アイオワ・レースウェイのプレスルームは常時マスク着用のレポーターたちが遠く離れて着席。ハンド・サニタイザーも配布された

 今週のミネアポリスにはPGAのトーナメントがやってきたけれど、先週のオハイオ州でのイヴェントに続いて無観客とされた。ここまで近くにいて時間の余裕があるなんて千載一遇以上のチャンスなのに、残念ながら見には行けない。

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「マスクなし=入れません」というサインは今や当たり前。州政府とかが指示/強制をしなくても、みんな自主的にマスクとかフェイス・カヴァーをするようになっている……が、なるべくしないよう頑張ってる(意地を張っている)人も実際には多い

 こんな状況だと、来月自分が取材に行くインディ500のことも心配になる。1911年に始まった、世界で最も歴史のある、35万人とか集めちゃう世界最大のレースは、104回目の開催ができるのか? この2週間で会った人の中には、「もう無理だろ。今の状態で何十万人も集めるイヴェントをやるなんて、その地域に対して無責任過ぎる」と言う人がいて、納得してしまった。「月曜にキャンセルが発表される」なんて噂をメールしてくれた人もいた。インディアナ州の感染は、6月から加速的に悪化してるので、伝統の5月開催を諦めて8月下旬に延期がされたインディだったけれど、「3ヵ月でも足りなかったか!」、「キャンセルになるのも仕方ないのかも」と思った。

 しかし、メールで来てた情報は見事にガセネタで、月曜じゃなく火曜に発表があった。彼らが発表するってところだけは当たってたわけだが、“インディー500は観客数を収容人員の4分の1に制限して開催する”とのアナウンスだった。主催者はヤル気満々なのだ。 

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アメリカに到着した6月4日の夜、感染者数=238万人強だった。それが到着からちょうど30日目の7月23日、アメリカの感染者数はついに400万人を超えた

 もちろん、これからキャンセルになる可能性ってゼロではない。発表翌日の7月22日には、ホワイトハウスのCOVID-19タスクフォースのデボラ・バークス博士(いつもスカーフをしている女性の。日本でも有名になってます?)が、非常に危ない状況にある11都市に「大胆な施策で感染押さえ込みに尽力を!」と直接連絡して訴えかけたが、その中にインディアナポリスが含まれていた。

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使い捨てより布製マスクがアメリカではポピュラー。星条旗入りとかで、値段は10ドルぐらい

 リストされたその他の都市は、メリーランド州ボルティモア、オハイオ州クリーヴランド、オハイオ州コロンバス、ネヴァダ州ラス・ヴェガス、フロリダ州マイアミ、ミネソタ州ミネアポリス、テネシー州ナッシュヴィル、ルイジアナ州ニュー・オリンズ、ペンシルヴェニア州ピッツバーグ、ミズーリ州セント・ルイス。カリフォルニア、テキサス、アリゾナなどの感染急拡大中の州の大都市がリストされなかったのは、すでにまともな対策が取られてるってことだろうか? そんなに効果が上がっている印象はないんだけれど……。

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スーパーマーケットの全米チェーン、安値で有名なウォールマートでマスク25枚入りがこの価格。1ドル=107円換算で1枚がおよそ77円。布製が流行るわけだ

 インディアナ州のホームページには、「みんな、マスクをしよう」というモットーが掲げられてるが、州知事はマスク着用義務を通達することにずっと抵抗してきていた。本気でウィルスを押さえ込む決意はなく、自然と消えてってくれると信じている、あるいは願っているだけだった。それがようやく、来週の月曜から公共の場所でのマスク着用が義務付けになる。
 インディー500を開催する会社のCEOも、「周到に練られた手順を踏めば、アメリカも私たちのコミュニティもシャットダウンに逆戻りなどせず、いまの状況下でも大勢の人々が集まることは可能。私はそれを証明したい」と発表時に宣言していた。明らかな劣勢にあるのに攻め手を緩める気がほとんどない。そういうリーダーたち、アメリカにはとても多いと今回わかった。

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ホワイトハウスのCOVID-19対策タスクフォースのキー・パーソン=コロナ・ウィルス・レスポンス・コーディネイターのデボラ・バークス教授。上品に危機を訴える彼女は、アンソニー・ファウチ博士級に人気。ほぼ毎回スカーフ、ストールなどを纏って登場し、「いったい何枚持ってるの?」などとも話題になっている

 溜息が出る話が多い中、今日聞いたほっとするニュースは、ホワイトハウスCOVID-19タスクフォースのリーダー、アンソニー・ファウチ博士がメジャー・リーグのワシントン・ナショナルズの開幕戦(7月23日/当然、無観客)で始球式をやるという話。ドナルド・トランプ大統領は、イラっと来ただろうけどね、このニュースを聞いて。厳しい話ばかりする彼を遠ざけ、クビにするのでは? とも言われてきてるぐらいだから。

以上 第15回終了

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