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中世の謎遺構 〜地下式坑〜 その用途を探る2

 地下式坑を巡る問題点には、明らかに用途が異なると考えられる遺構についても「地下式抗」として報告されている点にある。用途が不明な穴を全て「土坑」として扱うことも同様である。
 
まず、地下式坑を分類するには、次のような視点が必要と考えられる。

・人が立って入れる大きさのもの
・人が入れない規模のもの
・遺構に伴う遺物があるかないか

 「人が立って入れる大きさのもの」については、その内部で何か儀礼的な行為が行われていたか、大きな物、または、多量の物資の貯蔵のために使用されていたと考えられる。
 「人が入れない規模のもの」については、単に何かの貯蔵としての用途に使用されていた可能性が高いであろう。
 これらの遺構の規模に加えて、伴出する遺物によって、使用されていた時代の類推も可能になるし、用途についても考慮できる材料となる。人間の遺体の残存が確認できれば、葬送関連施設であろうし、穀物類の痕跡があれば貯蔵施設であると考えられる。

 今後は具体的な事例をもとに、より深く地下式坑について調べてみたいと思う。



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