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沖縄と本土の聖地を比較して見えてきたこと〖2〗 移住20年目の無縁者が「伝えたい!」と思う《沖縄の真価・自然環境・経済・未来のこと》

経済と自然保護の間に横たわる深く、大きな溝

ある時、最強マーケターと呼ばれている方が沖縄の観光産業について熱っぽく話しているのを、ニュースで偶然目にした。

日本のアニメやゲームのコンテンツをUSJに導入して、亜熱帯の自然環境を活かしたテーマパークを2025年開業するとのこと。

「沖縄・名護にUSJができる」という噂は、何年も前に私の耳にも入ってきていた。が、それ以降聞かなくなっていたので「また噂か?」と聞き流した私。

「またか」と思ったのは、以前「久米島にジブリのテーマパークができる」という噂か?真か?わからんものを耳にしたことがあったからである。

沖縄南部〜北部・恩納村辺りまでは、もう開発の手垢がつき過ぎていて、新しいホテルを作る隙間などないほど。これ、沖縄に遊びに来たことある方であれば、わかると思う。

本島内で手付かずの大自然が残っているのは、名護以北の「やんばる(山原)」しかないわけで、「新たにやんばるに手をつける気なのか??」と、正直私は怒りを覚えた。

「現ゴルフ場を再利用する」と知って、「さらに新しい土地を切り拓くわけではないのだな…」と、少々不安は取り除かれた。

とは言っても、もしこの計画が軌道に乗れば、北部の道路は混むようになるだろうから、新しい道を作るために山を切り開くことになるだろうし、アジア圏全域の顧客を視野に入れた計画なのだから、那覇空港もさらに拡大することになるだろう。

正直心配でしかない。

「やんばるの森を見る、壮大な自然の中でしかできない、ハッチャケ願望を満たすもの」を提供したいとおっしゃっていたが、私からの素朴な疑問。

わざわざ沖縄のやんばるの森の中に、アニメ・ゲーム・漫画コンテンツを導入する理由は何なのだろう?

アニメ・漫画・ゲームというコンテンツは、楽しむのにあまり場所を選ばないという印象が強い。そして、海外の人にとって(いや、日本人にとってもじゃないか?)、日本のアニメ・漫画・ゲームの舞台は、今でも「TOKYO」だと思うのだが。

経済的影響に関しても、カンフル剤的効果は期待できるかもな…とは思う。一定数の新しい雇用も生まれるに違いない。でも、長期で見て、どういう影響が現れるか?

私は心配だ。

おそらく地方は、どこも似たような問題を抱えている。良き代替案を出せない自分がもどかしい。

アドバイスや新しい複眼的視点は、「外から」得た方が有益かつ的確なものを得られると、私は強く思う。でも、基地問題も含め、今後のビジョン・計画・実行・維持は、本来その場に生まれ、代々住んできた人びとが自分達の手で創造していくべきなのではないか?と思う。

最後に。私個人は「やんばる」という森、いや琉球諸島全体が聖域であり、今のままで十分「一大テーマパーク」だと思っている。この想いは、沖縄に初めて来た20年前からずっと変わらない。


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