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【音楽感想】Lecker Doll

(いつもの: この記事は個人の感覚・感想で公式なものではありません)
Elixir NocturneのM3-2020秋の新譜の感想。

どんなアルバム?

曲調としてはゴシックトランスとかそういう系統になるようです。複数の歌手さんが参加し、悪魔ないしは堕天的なモチーフを多面的に歌います。

Elixir Nocturneは作曲家のMALVA.さんが主宰するサークルのようです。MALVA.さんは先日の記事でも書きましたが、実は新しい人というわけでもなく一定の活動経歴があるようです。
https://twitter.com/ElixirNocturne

感想

とりあえず歌のみ。インストもいいですよ。

8. Lecker Doll
歌: Lidea
表題曲ですね。Leckerはドイツ語で「おいしい」の意味っぽいですが、なんでしょう……。
電子オルガンみたいな少し安っぽい旋律に乗せられる悲しげな歌詞。儚く、無力で、ただ甘く堕落していく。
Lidea(りでぃあ)さんはsyvyysのボーカルさんのようです。いじらしげな声で歌う堕落の歌、背徳的ですね。
https://syvyys.booth.pm/

9. Gefängnis
歌: つゆりかりん
Gefängnisはドイツ語で刑務所みたいです。
チープに奏でられた堕落のトラックに続き、このトラックはヴァイオリンなど少し高貴な音の編成です。それは堕落から改め、神の御許に近付いたようで、
「神様に誓う忠誠は、擦り寄る偽の言葉」
そう、背信を歌うのです。
歌手は先日の記事でMALVAさんと合わせて紹介したつゆりかりん(花鈴)さんです。歌い方かMIXかで少し大人しげな歌声になってますが、それにより一層、背信の色が際立ちます。

10. Necrophobia
歌: 四条ユリ
necroは死体、phobiaは恐怖とか恐怖症ですね。
深く響くイントロは墓場のようで、続くトランスサウンドは死の褥への冒涜。歌われる「愛」は何への愛なのでしょうか? 神への愛と解釈したいところですが、なんとなく違う気がします。死者すら弄ぶ冒涜なのでしょうか?
歌手の四条ユリさんはvsingerのようですね。最近公開された歌ってみたもなかなか良いのでv好きの人は聴いてみてはいかがでしょう。https://mobile.twitter.com/shijou_yuri

11. Gnkesdx
歌: ruha
タイトルは暗号で、ruhaさんいわくキーボードを見ればわかるとのことでした。それらしい単語はわかりましたが、正しいのか自信がない…。
堕落、背信、冒涜と続き、最後には贖罪のような歌です。でもその想いは決して謙虚ではなく、どこか傲慢さが消えない。あるいは裁きの場における哀願なのでしょうか。
「ねえ貴方の傍に私は居るかな/罪の償いはできなくても」
歌手のruhaさんは個人サークル「Pastel Tone Music」で作詞作曲も手掛けるマルチな人です。この人については別の記事で紹介させてもらいます。


ジャケットが挑発的(婉曲表現)だと話題のようですが、内容はいたって真面目です。堕天、背徳、罪に耽溺する者、そういったものが好みの方におすすめです。


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