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神々の悲しみの涙が、世界を作った(マオリの世界のお話)

昔、世界は暗黒の、何もない無の世界だった。その中に、母なる大地の神PAPATUANUKU。父なる空の神RANGINUIをいう命が生まれた。

やがて2人は恋に落ち、多くの子どもたちが生まれた。

子どもたちが生まれたあとも、世界は暗黒のままだった。PAPATUANUKUとRANGINUIは互いを深く愛しており、片時も離れなかったからだ。

子どもたちは話し合った。「このままでは世界は暗いままだ。父と母を引き離さなければ、光は入らない」

子どもたちはあの手、この手を使って2人を引き離そうとした。そのうち、森の守り神Tanemahutaが出てきて、つに2人を離れ離れにした。

光が入り、大地と空ができた。悲しむ父RANGINUIの涙によって雨が降り、川、海ができ、たくさんの命が生まれ、今の世界ができた。

でも、PAPATUANUKUとRANGINUIは離れた悲しみを抑えきれず、今も涙を流し続けている。大地からの朝霧と、空から落ちる雨、というかたちで。


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