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アバターが観る幸せな夜の夢
はじめに ~テアトロ・ガッドネーロ~
※この記事は、ただただ思いのままに書いたものでございますので
多少の乱文にはご容赦くださいますようお願いいたします
私という魂が震えた。
たとえどんな姿かたちが変わっても、魂は変わらない。
自分自身を表現するものとはなにか。
外見や印象だけで、私達は何もかも判断してはいないか。
大事なのは中身ではないのか。
それを強く思い知らされた一夜であった。
ヴァーチャルやネットの世界ではよく分身、として
アバター(という名の自分のキャラクター)を使う。
現在のネットでは当たり前のように普及しているアバターへの
考え方や価値観がガラリと変わるような劇場型イベント、
それがテアトロ・ガッドネーロだった。
VRChatで行われたこの公演は、アバターの試着や試着用のアバターを使用した演舞などのステージと、アクターさんが演じる単なるミニ演劇というレベルではとても収まらない程、良い意味で衝撃を受けた素晴らしい舞台。
演じている方々もプロフェッショナルで、ダンスパフォーマンスで世界1位に輝いたYoikamiさんが率いるVRアクター集団、カソウ舞踏団。
余談だが、私はカソウ舞踏団のみなさんとも普段から仲良くさせていただいていて、知り合ったきっかけは私立VR学園という学園型イベントの中。YoikamiさんとTarakoさんはその時ダンスの授業の先生だった。その時からとても尊敬している。私にとってはずっと先生である。
そんなリスペクトしているみなさんが演じる舞台を個人的に観ないわけにもいかない!と思っていたのだが、リアルの事情が関係して21時以降しかVRに行くことができず、今回の機会までずっと行くことができなかった。
さらに毎回公演があるたびに劇場は満員御礼で、入場するのも困難なほど激戦が起こるという人気っぷりである。
今回私は記者枠としてYoikamiさんより招待をしていただいて観覧することができた。今回はその感想を熱く語ってみたいと思う。
舞台ははじまる。
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まず私が圧倒されたのは、サーカスのような、素晴らしい舞台ワールドであった。小さい光の粒がふわふわと浮く中で、ステージを中心に優しい暖かい光が舞い降りている。重厚で穏やかなのに、落ち着く音楽が流れ、どこか懐かしいような、ずっと居たいと思えるようなそんな場所になっていた。
これから何が始まるのか、否が応でもワクワクが止まらなくなってしまう。
ワールドに入場後、簡単な説明をうけてから観覧用のアバターに着替える。人数が増えることで処理が重くなってしまうのを軽減させる目的の為だが、ちいさいアバターなのに視点は高いので、一切邪魔が入らずに集中して観られることができる。
こんなところにも主催側の細やかな気遣いを感じられる。
そして舞台の観覧席にたどりつき待つこと数分。
いよいよ舞台の挨拶がはじまった。
スタッフさんやカソウ舞踏団さんたちの挨拶をきいているうちに、VRということを忘れそうになっている自分に気がつく。まだ始まったばかりなのに。
それだけこの場所に圧倒されているということなのかもしれない。
「予算は多めに、使えるものをご用意ください」
そんなセリフを最後に残して、挨拶は終わる。
それがどういう意味を持つのか、そのときの私にはまったくわからなかった。
演舞 アバターとは
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そして司会役のメビウスさんが登場し、
アバターとは魂の器であり、魂の状況によって似合う服を着替えるように選ぶ楽しみ方がある、と語り始めた。
静かに、そしてはっきりと。
私もVRChatで遊ぶようになってからというもの、
それぞれ自分の魂にあっているというか適合しているアバターがあり、そうじゃないアバターに替えるとなんだかしっくり来ない、という現象というか感覚を感じるようになった。
メビウスさんの魂の器、というセリフには強くうなずくことしかできなかった。アバターが自分のアイデンティティになってきた、ということを感じながら、舞台は続いていく。
そして演舞の数々。モーションキャプチャー技術のおかげで、VRの中でもこんな動きができるようになった。
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アクターさんの演技に圧倒されつつも、今の技術進歩の凄さと、コレを一般家庭でできるようになった事にまず感謝をした。
そしてこの体験はまず最先端なものであり私と同じ世代が体験している人はそんなに多くないだろうということを改めて思い知る。
人は年齢や価値観に囚われがちではあるが、この体験をしてしまうと年齢なんて関係ないと本当に感じてしまう。年齢に拘ることのなんてつまらないことか、とさえ思ってしまう。
アバターのおかげで年齢も容姿も障害さえも関係なく、そこにいられて、新しい挑戦や体験をすることができる。なんと素晴らしいことだろうか。
ババアになっても新しいことにどんどんチャレンジしていきたい。
人生とは常に挑戦なのだ。
そんなことを考え、圧倒されながら舞台は続いていく。
魂のオークション
そうして始まった次の舞台。いよいよ始まったVRの演劇。
無言劇ではあるのだがアクターさんが演じる細かい動きのみで
何もかもすべてを表現していく。私の頭の中でセリフが勝手に再生されるほどには息を呑むものであった。
オークション、と銘打つだけあって内容はちょっと衝撃的なもの。
ここでつらつらとあらすじっぽいことを書き連ねてもただつまらないので、写真と拙い私の感想でなんとか補完していただきたいと思う。
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無言劇だったのもやはり理由があり、きっとアバターというものについての問いに関係しているのだろう。
しかしかえって声がなくてよかったと思う。舞台の演出、アバターの動きひとつひとつだけでここまで演じられるアクターさんたちの凄さ。
展開一つ一つに引き込まれていくその様は、現実の演劇をみているのと何一つ変わらない。
自分の視界や意識が舞台に、このワールドにじんわりと、そしてやわらかく溶けていくのだ。そんなふうに感じられるのは私だけだろうか。
息を呑む、とか臨場感、とかあらかた使われたような言葉以上には語りたいが何も思い浮かばない。物書きを自称しているのに凄すぎて言葉が出てこない。どんどん語彙力が低下していく自分がいる。
なぜ少女はこのような状態になったのか、そして少女を助けた者とは。
そんな疑問を残して、舞台は続いていくのであった。
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穏やかな時間がゆっくりと流れていく。暖かなぬくもりが
ステージから湧き出ていくのがわかる。
そして。
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そうして時が過ぎ。彼女が外出先から戻ってみると、少女の姿は忽然と消えていた。慌てて少女を探しだす彼女。観客である私達は舞台と同化してぐっと息を呑む。一体少女は何処へ行ってしまったのか……。
この後の展開は、私は一生忘れられないものとなった。
何度か演劇の鑑賞経験はあるのだが、あの最後のシーンの。
後頭部に衝撃が来るかのような感覚は今後もそうそうないのではないか。
この時代に生まれ、どんどん生まれていく新しいプラットフォームに年齢関係なくチャレンジしてきてほんとうによかったと思うのである。
今後も新しいものに対して偏見なく、受け入れていけるような人間になりたい。
おわりに
さてテアトロ・ガッドネーロの公開期間は終了してしまったが、
この展開の先は動画が残っている。
Yoikamiさんが公開動画版としてYoutubeにアップしているので
ぜひ実際にご覧になっていただきたいと思う。
この記事に動画URLの記載の許可も頂いた。
私の拙い文章で全てを書いてしまうにはあまりにももったいないので、皆さんに観ていただきたいと強く願う次第である。もちろん動画としてとてもクオリティが高いものとなっている。私もまた何度も観返したい。
そうして、少しでも今後のカソウ舞踏団の皆さんの活躍の支援や応援をしていきたいと強く思う次第である。
私自身、今回の公演は何回も観させていただいたが、何度観ても素晴らしく、執筆活動のモチベーションのアップに繋がったので感謝している。
自分の文章でなにかお手伝いやVRを盛り上げる活動ができたらうれしい。
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