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ビザ不要、就労も可能なインド永住カード(OCIカード)申請から取得まで
インドに何往復もする人にとって最強便利なOCIカードを、晴れて取得しました。日本人で取得資格を持つのはインド人と結婚した人ぐらいだけど、ネットで情報を探している人の参考になればと思い自分の体験をシェアします。
OCIカードとは?
Overseas Citizen of India の略。OCI Holder とはインド永住権保持者のこと。文字通りには「海外インド市民」のことだが、厳密には選挙権や被選挙権を有するCitizenship(市民権)はなく、インドにビザなしで永住する権利のみを生涯保証するもの。
国籍を日本からインドに変更したわけではなく、日本国籍を保持しつつもインドに永住できる権利を持つ、という最強のステータスです!!
OCIカードを持つメリット
1. インド入国の際にビザを取得する必要がない(注:インドへは日本人はビザ必須)。
2. 180日間以上インドに滞在する場合も、外国人登録局(FRRO)への在留届提出が不要(注:全ての外国人は在留届が必須で、毎年届出が必要。ただし2018年からは在留届がオンライン化されたので負担は少なくなった)。
3. インドでの就労ができる。特に、就労ビザの給与要件を満たさなくても良いので、パートタイムなど自由な働き方ができる。詳しくは過去の記事を参照。
市民権(インド国籍保持者)から、選挙権と農地の購入権利をマイナスした資格がOCI保持者の有する権利といえる。
ちなみにインド市民権を取るには、インド人と結婚して最低7年間の在住実績が必要だそう(日本国籍を放棄する必要あり)。
外国人がOCI保持者になるには
インド人を配偶者に持ち、結婚登録してから2年以上が経過すると誰でもOCIを申請することができる。初回申請から書類の再提出・申請所の再訪問などを経て、実際にOCIカードが手元に届く までには、私の場合トータルで約5ヶ月かかりました。全てスムーズに事が進めば3ヶ月ぐらいでも取得できるかも。
OCIの申請その一歩
まずはオンライン申請から。OCIのウェブサイトに行って、必要な項目を埋めていく。その後、印刷した申請書と以下の必要書類を持参の上、最寄りの外国人登録局(FRRO)で窓口申請。
必要書類
1. 50mm * 50 mm サイズの証明写真(申請書に添付)
2. パスポートコピー
3. 現在保有しているインドビザのコピー
4. 現在有効な外国人登録局(FRRO)発行の在留届(Resident permit)のコピー 注:申請時に、先3ヶ月の有効期間が必要
5. インド人との結婚証明書の原本・コピー
6. インド人配偶者のパスポートコピー
7. 申請料15,000ルピーのDemand Draft(Ministry of Home Affairs宛て)
OCI申請書類が受理されたら
書類審査が無事クリアしたら、次はこのような流れでした。
10日以内に電話がかかってきて、自宅最寄りの警察署に出頭。
警察署ではインドの滞在遍歴やインド人旦那との出会い、どこで結婚式を挙げたのかなどを聴取され、その場で担当官が法務省宛てと思われる推薦状をタイピングしていく。
担当官、だらだらとポテチをつまみ食いしながら1時間ぐらいかけて推薦状をタイピング。カンナダ語(地元言語)のレターを作っているようだけど、夫の名前の英語表記にスペルミスがあるけど大丈夫か・・
この推薦状が法務省への申請書類に添付されると思われる。
その後また10日以内に、いきなり警察署の担当官が自宅を抜き打ち訪問。
私はたまたま外出していたが、応対したインド人旦那が警察署での聴取内容と同じようなことを繰り返し質問されたらしい。
そして2週間後ぐらいに、外国人登録局(FRRO)ヘインド人旦那と一緒に来るように連絡が入る。
ここでもまた、書類申請時とは違う担当官が出てきて、夫婦の馴れ初め(笑)などを含めて色々とプライベートな質問を受け、レターがタイピングされていきます。「今後インドにどのぐらい住む予定だ?」という質問も。
この推薦状も、やはり法務省への最終提出時に添付されるものと思われる。
ようやくここまで終わった段階で、OCI申請受理のレシートが渡される。
あとはOCIのホームページ上から審査状況が確認できるので、2−3週間待つようにとの指示。
毎日、ウェブ上で審査状況をチェックする日々・・・
そして、ある日、
OCI申請が無事認可されたとのステータスに!
そのまた1週間後ぐらい、OCIカードが最寄りの外国人登録局(FRRO)に到着したとのステータス表示に変わる。
レシートを持って、オフィスを再訪問。
担当官が10人分ぐらい束になった、できたてホヤホヤのOCIカードの中から、私のを見つけて渡してくれる。その際に、今保有している在留届(Resident permit)が不要になるので返却しなければならない。
申請にあたっての注意点
私がつまづいた・再提出を食らった点をいくつかメモします。
1. インド人配偶者のパスポートに自分の名前があることが絶対条件
提出書類の一つ、旦那のパスポートのSpouse Nameの項目が空欄のままだったので、受理されなかった。旦那がパスポートオフィスに行って自分のパスポートを更新する手間が発生(約2−3週間)。
2. 結婚証明書ははっきりいって証明にならない
バンガロールの結婚登録所が発行した証明書(Marriage Certificate)だけでは、本当にこの日にこの二人が結婚したのかの証明になっていないらしい。結婚式の招待状と結婚式の写真も併せて提出するよう求められた。
全然意味ないやん!とつっこみたかったけど。
推測するに、結婚証明書を発行する主体が州なので、今回申請するOCIの当局のインド中央政府(法務省)には正当と認められていないのでは・・。
OCI申請以外にも、結婚式の招待状はアーダールカード申請の時も必要になった記憶が。ずっと残しておいた方がいいかも。
3. Demand Draft(小切手)を作成するときの宛名
今回初めてDDなるものを作成することになった。最近は自分の銀行口座のオンラインバンキングサービスでも、DD発行を簡単に申請できるとのことでやってみたところ、宛名記入欄の文字数制限があり以下の長〜い宛名が全てタイプできなかった。
Ministry of Home Affairs, Secretariat Office
そこで、自分で勝手にはしょって以下のように作成したところ、見事に担当官に「これじゃダメ!」と言われ受理されなかった。ザ・お役所主義。
Ministry of Home Affairs ✖️
結局、DDのオンライン発行申請を断念し、自分の口座がある銀行支店の窓口でDDを作成してもらうことに。
担当官曰く、Ministry of Home AffairsをMHAとはしょって記入していれば受理OKだったらしい。知るか!
まとめ・感想
申請は、理不尽とか非合理的だなと思うことは意外に少なくて、エージェンシーなど外部コンサルタントを雇わなくても自分で出来て簡単だった。インドでありがちな行政・民間手続きの数回出直しの苦労を考えると、比較的スムーズだった。
エージェンシーに依頼すると35,000ルピー(約5万円)ぐらい請求されると聞いたけど、そんなに払う価値はないと思う。周りの人も、業者一切使わずに自力で申請してるって人が多かった。
外国人登録局(FRRO)への往復は確かに面倒で、平日昼間の勤務時間中に何度かこっそり抜け出して窓口訪問する煩雑さはあったけど、それも3、4回ぐらいだったと思う。
ただし初回訪問では、インド法務省のサイト上には記載されていない書類の不備で突き返された。 インドの州政府と中央政府がいろんな面で対立してたり、対等な力関係にあることが末端市民への行政サービスにマイナス影響を与えているとつくづく感じる。
もちろん、私の経験はあくまでバンガロールの外国人登録局(FRRO)で2018年に行ったことなので、他の都市で同じように進むかどうかはわからない。担当官によっても違うことって、よくあることなので・・。
どこかで誰かの参考になれば幸いです。