北と南だけじゃなかった、いろいろありすぎるインド料理 vol,3
『 北インド料理 = 小麦粉が主食、ギーオイルを使ったこってり濃厚な味付けが特徴
南インド料理 = 米が主食、ココナッツオイルを使ってサラッとあっさり食べられるのが特徴 』
知っている方も多いと思います。
でも、
実は、そんなどころじゃないんです。
3回にわたってお届けしてきた【 いろいろありすぎるインド料理 】シリーズも今回が最終回です。
最後までどうぞおたのしみください!
“ 小麦粉料理の本場 ”
ラジャスターン州、壁面の色が特徴的なピンクシティことジャイプールが観光地としても有名ですよね。
乾燥地域という過酷な環境のなかで発展した『 ラジャスターン料理 』は、日持ちがする小麦粉や豆・穀物をつかった料理がたくさんあります。
「 ダル・バティ・チュルマ Dal Bati Churma」
Dal・・・豆カレー
Bati・・・ラジャスターン州でむかしからたべられている伝統的なパン
Churma・・・こちらもラジャスターン州の伝統的なスイーツで、あらびきの小麦粉、ギー、砂糖をまぜてつくる
この3つの料理をひとさらに盛ったものをさします。
「 カルミ・ヴァダ Kalmi Vada 」
ひよこ豆・グリーンチリ・たまねぎ・スパイスをまぜてあげたスナック
「 マワ・カチョリ Mawa Kachori 」
青い壁の街ブルーシティで有名なジョードプルの郷土菓子
ドライフルーツ・ナッツとスパイスをミックスした揚げドーナツ
「 マルプア Malpua 」
ラジャスターンスタイルパンケーキ。
ドライフルーツと凝縮乳(コア)をつかった濃厚な味わいが特徴的
「 クルマ・ラドゥ Churma Ladoo 」
インドでポピュラーなスイーツ、ラドゥ
ポピーシードをまわりにまとわせるのが、ラジャスターンスタイルです。
レシピもとてもユニークで、
小麦粉やスパイスでつくった生地をいちど揚げ、それをミキサーにかけ粉末にします。そこにさらに砂糖やスパイスをくわえて、かたちをととのえます。
とても手間がかかったお菓子です。
フード以外にも、ウェルカムドリンクとしてもだされる「 ジャルジーラ Jaljeera 」はとってもポピュラーな飲み物です。
フレッシュコリアンダー(パクチー)・ミント・岩塩・ペッパー・ローストクミンシード・ドライマンゴーパウダーをまぜてつくります。
“ 都会にはやっぱり手軽にたべられるものが◎ “
インド最大の都市、ムンバイ。インド映画「 ボリウッド 」発祥の地でもあります。
そんなムンバイがあるマハーラーシュトラ州には、たくさんの地域料理があります。
[ ムンバイ料理 ]・[ マルワン料理 ]・[ コールパープル料理 ]・[ プネー料理 ]・[ ソーラプール料理 ]
ベジ料理・ノンベジ料理・小麦粉・米・マイルド・スパイシー、多種多様な料理があります。
ストリートフードも種類豊富で、ムンバイで売られているサンドイッチは、「 ボンベイ・サンドイッチ 」とよばれています。
そのほかに代表的なひとさらが、『 パウバジ Pav Bhaji 』です。
ふかふかのパンとカレーのセットのことで日本人にも食べやすいので、機会があればぜひチャレンジしていただきたいひとさらです。
めずらしいものとしては、タピオカをつかった料理もあります。
「 サブダナ・キチャディ Sabudana Khichdi 」
サブダナ(タピオカ)をナッツやスパイスと一緒に炒めた料理で、西インドエリアでたべられています。
“ おうちのやさしいあじ ”
南北の境目エリア、そして海に面していることからさまざまな食文化が混在するオディーシャ(オリッサ)州の『 オディーシャ料理 』は、地域によって食べられるものが少しちがいます。
オディーシャ料理は、全体的にオイル・スパイスがひかえめでやさしい味わいが特徴です。飲食店の数が他州より少なく、家庭料理・寺院での食事が一般的です。
ヒンドゥ教の聖地としても有名なオディーシャ。
マハナディ川周辺のカタック地域では、普段の食事もジャガンナー寺院でたべられる特別な食事から影響をうけています。
お米を中心に、豆や野菜をつかって調理されます。寺院ではギーオイルがつかわれていますが、家庭料理ではマスタードオイルが好まれています。
西ベンガル州の近郊地域では、ブラッククミンとよばれるカロンジとマスタードペーストがおおくつかわれ、甘みがあるのが特徴です。
一方、南部のアーンドラ・プラデーシュ州に近い地域ブラフマプル付近のエリアでは、南インド料理の影響を受けカレーリーフやタマリンドがつかわれます。
魚やカニ・エビなど魚介類もたくさんたべられています。
オディーシャ料理の最大の特徴は、「 パンチャ・ヒュタナ Panchaw Phutana 」とよばれるスパイスミックスです。
マスタード・クミン・フェヌグリーク・アニス・カロンジをミックスしたもので、西ベンガル州とともにつかわれています。
“ ブッダのおひざもと ”
ブッダが悟りをひらいた仏教誕生の地、ブッダガヤがあるビハール州『 ビハール料理 』は、隣接する西ベンガル州・ウッタル・プラデーシュ州、さらにはネパールなどからの影響をうけています。
仏教の聖地ということもあり、菜食主義者もおおいですが、鶏肉・マトン、川魚料理も数おおくあります。
主食も、小麦もお米も両方たべられています。ヨーグルト・ギーなどの乳製品は年間をとおしてたべられています。
燻製レッドチリをつかった料理も特徴的です。
ビハール料理にも、5つの素材をつかった代表的なスパイスミックスがあります。
クミンシード・フェンネルシード・フェヌグリークシード・マスタードシード・カロンジがミックスされています。
そして、「 リッティ・チョカ Litti Chokha 」は、 ビハール料理ではずせない代表的料理です。
リッティは、小麦粉でつくったボール状のパンのようなものですが、なかにスパイスやライムジュースなどをミックスした小麦粉をつめて焼き上げ、ギーをたっぷりとふくませます。チョカは、リッティをディップしてたべるソースのことで、なす・じゃがいも・トマトを焼いてマッシュします、仕上げにスパイスと玉ねぎをくわえてできあがり。
小麦粉の生地に小麦粉を詰めるなんて、なんともびっくりな料理ですよね . . . 。
“ インドじゃないインド ”
ネパールとブータンの間にあるシッキム州の料理は、文字通りインド・ネパール・チベットなどさまざまな食文化がミックスされています。
そして、シッキム州はインドではじめて「 完全オーガニック 」州として認定されていて、野菜を栽培する際に農薬を一切使用しないとされています。また、州外からの有機ではない野菜の販売は禁止されています。
そのため、シッキムの野菜はどれもフレッシュで野菜の味が濃いです。
主食は、米ですが、小麦・雑穀・そば・大豆・レンズ豆、インドではタブーとされる牛肉・豚肉、いろいろたべます。
標高が高く寒い地域なので保存食の文化も発達し、発酵食品やアルコールもつくられます。
「 トゥンバ Tongba 」
この地域の地酒で、雑穀からつくられます。竹でつくったストローで飲みます。
標高が高いので、飲み過ぎには注意が必要ですね . . .。
“ 内陸部はどうなってるかな . . “
インドのほぼ中央、内陸部のマディヤ・プラデーシュ州『 マディヤ・プラデーシュ料理 』。
ラジャスタン、ウッタル・プラデーシュ、マハラシュトラ、周辺の州からさまざまな影響をうけています。
北・西部では、小麦と肉がよくたべられています。
南・東部では、米と魚が好まれます。
この地域を代表する料理は、
「 ポハ Poha 」
平たくしたお米に玉ねぎ、トマト、グリーンチリ、カレーリーフ、しあげにレモンをくわえる炒め物です。
かるくてさらっとたべることができます。
「 バフラ Bafla 」
ギーオイルをたっぷりぬってたべるパンのバフラは、
パンがよくたべられているラジャスターン州から影響を受けうまれました。コリアンダーチャトニ(ソース)や豆カレーと一緒にたべます。
「 シーカバブ Seekh Kababs 」
マハラシュトラ州からやってきたインドスタイルソーセージシーカバブもポピュラーです。
ざーーーーっくりではありましたが、無事に?全州の料理を網羅できました。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回は、『 いちどはハマる、インド中華 』です、おたのしみに: )
Instagramもしています、ご興味ある方はのぞいてみてください
https://www.instagram.com/merthi_coffee_2017/