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インドでカッピングができない . . . ! ?

コーヒーの味や品質をチェックする際に行うテイスティング方法『 カッピング 』

以前は業界のみでおこなわれていましたが、最近ではパブリックカッピングをするコーヒーショップもふえてきて少しずつ認知されてきましたよね。聞いたことがあったり知っているかたもいらっしゃるとおもいます。

方法はいたってシンプル。
抽出に必要なフィルターやドリッパーなどは使用せず直接コーヒーにお湯をそそいで抽出します。
注意点としては、味にブレがでないようにするために使用するカップ・コーヒー粉量・お湯・時間などすべての条件を同じにすることです。

抽出が完了し、いよいよカッピング開始です。
ここでの注意点は、すするためのスプーンを毎回水ですすぐ作業をすることです。
カッピングは、複数の人数で数種類のコーヒーを同時に検証することが多いため、他の抽出液とまざってしまうことを避け、また唾液などの混入を防ぐ効果があります。とはいうものの、カップに水を準備しスプーンをひたします、その後キッチンペーパーでかるく水滴を取るというとっても簡単な作業です。

カッピングの方法は、世界共通で決められています。


わたくしMerthi Coffeeメルティコーヒーは、もともとバリスタとしてカフェで働いていました。カッピングもごくごく日常的作業のひとつです。
(わたしのバリスタからインポーターへのおはなしはまたいつかお披露目したいです。)

インポーターとして産地でコーヒーの品質をチェックをすることも当然の作業・・・のはずなのですが・・・


“ インドでカッピングができない . . . ! ? “

あるとき、インドのカフェでのできごとです。
カフェを経営しているインド人の友人から「お店で使用するコーヒーの焙煎についてアドバイスがほしい。」と相談をうけたので、一緒にカッピングをして意見交換をすることになりました。
カッピングについては知っているとのことだったので、準備は彼に任せました。
すると・・・

わたしたちふたりとインド人カフェスタッフ2名、カッピング参加者計4名それぞれの前にそれぞれ1セットずつカッピング用のカップが準備されはじめました。

はじめての光景にわたしはびっくりしてしまいました。

どうしてかというと、コーヒーは果実です、農作物なんです。まったくおなじ栽培・収穫・精製処理をおこなったとしてもほんのすこし個体差がでてしまいます。カッピングにおいて「味の共有」も大切な要素のひとつです。同じ液体をカッピングしなければ共有作業ができません。焙煎のアドバイスがほしいとなればなおさらですよね。
わたしはカフェオーナーの彼に「1人1セットのこの方法だと細かな味わいの共有ができないよ。」と伝え、1セットをみんなでカッピングしようと提案しました。

すると、オーナーの彼をふくめ他のインド人スタッフたちがなにやら戸惑った様子になってしまいました。


なぜこんなヘンな空気になるんだろう . . . ?


これにはインドの習慣がおおきく影響していたんです。



“ 伝統ともいえる習慣 “

インドのひとは、飲み物を飲むときボトルやカップに口をつけずに飲む習慣があります。
『 インド飲み 』なんていわれていますよね。

あついあついインドでは水分補給は必須です。
水は500mlペットボトルがだいたい40~50円程度で買えますし、マイボトルを持ち歩くひともとても多いです。
場所によっては50度近い気温になるため、水を飲むときにボトルに唾液がついてしまうと雑菌が繁殖してしまう可能性があります。

そして、もうひとつ。
インド人の約90%が信仰しているヒンドゥー教。
左手を不浄のものとし右手で食事をすることは知っているかたも多いはずです。
それは、食器にに関してもおなじで他人が口をつけたものは” 不浄 “のものされます。
なので、インドでは「ひとくちちょ〜だい : ) 」という、まわし飲みをする習慣がありません。
現在では、ヒンドゥー教徒であっても厳格ではない若者もふえてきているものの、小さいときからの習慣というのはなかなか抜けないものです。


カップに直接口をつけないとはいえ液体を共有することはインドのひとにとってはかなりの抵抗があったようです。
結果的には、通常通り1セットをみんなで共有しカッピングすることにはなったのですが、1人のスタッフだけはスプーンを口につけずにおこなっていました。


そんなことがあってそれから3年後、再び彼らと一緒にカッピングと焙煎プロファイルについて意見交換をすることに。
3年間で店舗もスタッフもふえ、さらにはコーヒーラボという焙煎所までできていました。
カッピングもスタッフがサクサクっと準備をすすめかつてのような1人1セットでのカッピングではなく、日本や世界のスタンダードがちゃんとインドの彼らのカフェにも定着していました。


伝統や文化を大切にしながら、新しいものを受け入れ、カタチをかえてゆく。
とてもむずかしいことですが、大事なことです。
その様子をすこし垣間見させてもらえた今回のわたしの体験はとてもおもしろく貴重なものになりました。




インドへ行ったとき、ぜひ『 インド飲み 』にチャレンジしてみてください。

**ちなみに、

つわものインド人となれば水だけでなく炭酸系飲料までもインド飲みします . . . ! !**

のどの奥をカパっとあけるのがポイントなのだそうです。
難しい . . . 。


ここまで読んでくださってありがとうございます。

Instagramもしています、ご興味ある方はのぞいてみてください
https://www.instagram.com/merthi_coffee_2017/



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