インドの街角で親しまれるローカルコーヒー 【インディアンフィルターコーヒー】
暑い暑いインド。
ジリジリ照りつける太陽が汗をふき出させ、体力を奪っていきます。そんな時、ふと立ち寄り飲みたくなるのが、インディアンコーヒー。ミルクと砂糖がたーっぷり甘〜く濃ゆ〜いコーヒーは疲れた体に染み渡っていきます。
過酷な気候を乗り切るためのエナジー補給として、ミルクや砂糖・スパイスを入れてコーヒーを飲む習慣が生まれました。
“ インディアンコーヒーフィルターってなに? “
そんなインディアンコーヒー。どうやって作られているのか?
『インディアンコーヒーフィルター』という独特な抽出器具を使います。
この抽出器具の特徴は、【メタルメッシュフィルターが二重構造になっている】こと。そしてもう一つの特徴が、通常のメソッドではあまりない【ゆっくり時間をかけて抽出する】ことです。
なんと、15分〜1時間、長い時は一晩かけて抽出したりします…?!
抽出方法は、とってもシンプル。
① コーヒーフィルターは、上下に分かれています。上筒部分に細かく挽いた深煎りコーヒーを入れます。
② コーヒーの上からメタルフィルターを被せます。粉を固定し、お湯の浸透をゆっくり加減してくれます。
③ 被せたメタルフィルターの上からお湯を注ぎ、フタをします。
④ ゆっくり時間をかけて抽出します。(ポタポタと滴が落ちるように抽出されていれば◎)
⑤ 鍋に牛乳と砂糖(お好みでスパイス)、抽出したコーヒーを入れ温めます。
⑥ 仕上げは、カップに高い位置から注ぎ入れ、ブクブクと空気をたっぷり入れます。口当たりが良くなります。
できあがり:)
想像しただけで幸せな気持ちになりますね。
“ 現地の味は、チコリの味 “
インディアンコーヒーフィルターで淹れたミルクコーヒーを飲んだ時、フワッと香る青っぽい独特な味を感じます。この味の正体は、『チコリ』です。
チコリとは、野菜やハーブの一種でヨーロッパなどで良く食べられています。デトックス効果・消炎作用・肝機能促進など、体にもとっても良いお野菜です。チコリコーヒーに使用するのは『根』の部分で、ローストして粉状にして混ぜます。苦味がとても強いので、ほんの少しの量でしっかり風味が出ます。
インドでは、昔からコーヒーにチコリを混ぜて飲んでいて、純粋なブラックコーヒーが飲めるようになった現代でも手軽に昔ながらのチコリコーヒーも楽しむことができるんです。
“ チコリコーヒーは健康のため…? “
さっきから「チコリは健康に良い」なんて言っていますが、果たして本当にインドの人たちは健康目的でコーヒーにチコリを入れて飲んでいたのでしょうか??
いえいえ、やっぱりそこはインド人たちですから。健康第一とは限りません。
インドはコーヒー生産国ですが、そのほとんどが海外への輸出用として作られていました。そのため現地の人々に渡ってくるコーヒーは、選別落ちした品質のあまり良くないもの(コーヒー業界ではフローターともいいますね)でした。いくらしっかり深煎りにして、細かく細かく挽いて濃〜く抽出しても、やっぱりフローター、味は落ちます。スパイスしっかりカレーを毎日食べるインドの人たちにとって、味の落ちたコーヒーは物足りませんでした。そこで誕生したのが、『チコリコーヒー』だったんです。青っぽい独特な苦味のあるコーヒーは、カレーの後でもしっかり味わうことができ、この味はすっかりインドの味として定着していきました。
ベジタリアンが多いお国柄という点でも、青味のある味は受け入れられやすかったのかもしれませんね。
この記事を読んで、インディアンフィルターコーヒーに興味を持ってくださった方は、インドに行った際是非飲んでみてください:)
次回は、老舗のコーヒーショップ【インディアンコーヒーハウス】についてです。
ありがとうございました:)
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ご興味ある方は、是非覗いてみてください。