【人はこうしてつよくなる】インドで何回か泣いたうちの1回01:「お金がない!」編
わたくしMerthi Coffeeメルティコーヒーは、コーヒーインポーターになる前の1年間インドに武者修業として長期滞在をしていました。
わたしが滞在していたのは南インドのバンガロール「インドのITの街」とよばれている場所で、比較的都会で気候も安定していてすごしやすいところです。
しかし、やっぱりインド。ラクにすごせるはずないんですよね、わかっていたけど。
今回おとどけするのは、1年間の滞在で何回か泣いたうちの1回「インドのお金」についてです。
" 2017年11月9日インド高額紙幣廃止政策 "
おぼえていますでしょうか?
2017年11月、インドの高額紙幣が廃止・変更になったあの大事件を。
当時、日本でも報道されていてちらほらとニュースで知ったという方もいるようですが、あまり話題にはされなかったようですね。
日本ではサラッとながされてしまったそのニュース・・・
現地ではとんでもないさわぎになっていました。
当時わたしは、インド生活をスタートさせて2週間ほど経過したところでした。
ちいさな英会話教室に通いながら、教室ちかくの女子寮に住んでいました。
(女子寮でのエピソードはまた別の記事でおとどけできればとおもいます。)
日々の食事は、寮で毎食カレーがだされますが、はやく生活に慣れたいという気持ちから、1日1食は外食をしてお店の開拓を楽しんでいました。
女子寮といっても日用品は自分で調達せねばならないため、日常的にスーパーや商店なども利用していました。
お金は、クレジットカードと現金の両方を使い分けていました。
クレジットカードが利用できるところはカードをつかいます。飲食店・タクシー、最近はスーパーもふえてきたので露店で食材を買う機会も減ってきました。
現金については、インドの銀行口座はもっていませんでしたが、日本の外資系銀行口座を利用し日本で入金し現地で引き出していました。引出す際に手数料をとられてしまうので、1回に引き出せる最大額(だいたい10,000ルピー/約14,000円)を引き出して使う流れです。大量に現金を持ち歩かなくて良いのと、安価レートで両替ができる場所を毎回さがさなくて済むという点で、海外でも利用できる銀行口座をもっておくのはとても便利です。
日本もそうですが、インドでもキャッシュレス化がどんどんすすみ現金をもっていなくても生活はできましたが、どうしても現金が必要な場面があります。
小規模商店や露店・オートリクシャー(トゥクトゥク)、そして、チップです。これらの支払いは、だいたいが少額です。また、これは日本ではありえないことですが、飲食店や量販店・衣料品店・スーパーなどどんなお店であっても、おつりがない(おつり不足)場合がよくあります。複数人で食事にいって割り勘する場合などは現金で支払うことが多いですよね。
わたしは、これらの場面に備えて普段から10~100ルピーの少額紙幣を数枚準備していました。枚数が少なくなってきたら、どこかのタイミングで現金払いにして高額紙幣をくずしておく . . . といった具合です。
このちょっとしたお金(少額紙幣)は本当に便利で、特にチップ大国のインドではホテル・タクシー・飲食店など大活躍します。もし、インドへ旅行に行かれる際には、序盤でおつりをためて準備しておくことをおすすめします。チップを渡すのと渡さないのでは雲泥の差ともいえるくらい快適さがちがってきます。
はなしをもどして、
ある日、いつものように英会話教室での授業を終え帰宅しようとしていた時です。わたしが通っていた教室には、日本人スタッフが在籍していて、わたしも含め日本人生徒らのフォローをしてくれていました。そのスタッフKさんが血相をかえてわたしに報告をしてくれました。
Kさん 「メルティさん、今現金はいくらもっていますか?」
メルティ 「え?クレジットカードをつかうことが多いので、現金は4,000ルピーくらいですかね。どうしてですか?(まさか、かしてくださいとかじゃないよね . . .)」
Kさん 「4,000ルピー・・・それなら大丈夫ですね。ぼくがなんとかできる範囲です。実は、さっきニュース速報で、明日から今持っている紙幣がつかえなくなるそうなんです。」
メルティ 「・・・紙幣が、つかえなくなるぅ・・・!?」
Kさん 「はい、4時間後、今ぼくたちが持っている500ルピーと1,000ルピーはつかえなくなって、新しく2,000ルピーが発行されるそうです。」
メルティ 「・・・!?」
Kさん 「旧紙幣は、銀行口座に入金すれば新紙幣で引き出せるので、メルティさんの4,000ルピー(1,000ルピー×4枚)は、ぼくの口座に入金して後日お返ししますね。」
メルティ 「あ、ありがとうございます . . . 。」
現金がつかえなくなる?新しい紙幣が発行される?
なんだかよくわからないままその日は帰宅をしました。
次の日。
朝になって、英会話教室に行く前に昨日Kさんが言っていたように本当に紙幣がつかえなくなっているのか、ためしにちかくのお店で買い物をしてみました。
当たり前ですが、見事に撃沈。
インド人店主にこわ~い顔で1,000ルピーを突きかえされてしまいました。
・・・・マジか。
ここからわたしたちの地獄の戦いがはじまります。
" どうなったのか、旧紙幣廃止新紙幣発行 "
まず、旧紙幣から新紙幣にどのように廃止・変更されたのかをおさらいしていきます。
《 旧紙幣 》 《 新紙幣 》
10ルピー 5ルピー
20ルピー 10ルピー
50ルピー 20ルピー
100ルピー 50ルピー
500ルピー → 旧紙幣廃止 100ルピー
1000ルピー → 廃止 200ルピー
500ルピー
2000ルピー
廃止されたのは500ルピー・1,000ルピーで、あたらしく加わったのが5ルピー・200ルピー・2,000ルピーです。
10ルピー・20ルピー・50ルピー・100ルピーは、旧紙幣・新紙幣両方ともつかうことができます。500ルピーは、旧紙幣が廃止されすべて新紙幣に変更されました。
一見、とくにこまることもなさそうですよね。
それが日本であれば。
ここは、インド。
あぁ、インド、なにがおこってもおかしくないのがインド。
このあたらしく加わった2,000ルピーがほんとうにクセものでした・・・。
" 新紙幣2,000ルピーとは "
この旧紙幣廃止は、ブラックマネー対策のための政策で、直前まで発表されませんでした。ニセ札をつくられたらマズいのでそりゃそうですよね。
ですが、いざ、廃止したのはよかったけど、新紙幣の造札が全っっっっくおいついておらず、そのことがインド全土で大騒動を巻き起こしてしまいました。
旧紙幣が廃止になった日から、まずなにが起こったかというと、
すべての銀行窓口・ATMが閉まってしまいました。メンテナンスのためですが、それが1ヶ月間、ひどいところはその日以来再開しなかった銀行支店もありました。
とにかくクレジットカードとわずかに持っていたつかえる旧紙幣でしのいでいました。
手持ちの現金もなくなってしまい、そろそろ限界だなぁと思っていた12月ごろやっと銀行窓口やATMが再開されました。
が、
どこの窓口・ATMに行ってもすさまじい長蛇の列 . . . !
そして、一瞬にしてATMからは現金がなくなってしまいました。手書きで『 NO MONEY 』と書かれた紙がはられたATMをみたのははじめてでした。
いくらクレジットカードがつかえてもやっぱり現金がないと不便です。はじめにお伝えしたように少額紙幣が生活のカギをにぎっています。
時間をみつけては生きているATM探しをしていました。必死にみつけたATMでも長蛇の列で2~3時間並びます。そして、3時間待って待って待ってやっとのおもいで手にできるお金は、2,000ルピー札1枚だけでした。
“ 1人2,000ルピー札1枚だけ ”
それがなにを意味しているか。
序盤でもお伝えしたように、インドではどこのお店もおつり不足です。
そして、1,000 ルピーがつかえなくなってしまい新500ルピー札の造札がおいついていない・・・2,000ルピー札に対してのおつりをすべて100ルピーでまかなえるお店なんてほとんどありません。
おつりがなくて2,000ルピー札を突き返されてしまう現象があちこちで発生。
必死で手にしたあたらしいお札。
わたしが手にしたそれは、紙幣として全く機能しないただの紙切れと化していました。
はじめてのひとり長期滞在する海外。
クレジットカードがつかえたとしても、現金がない。
つかえない新紙幣と、いつつかえるようになるのわからない現状。
泣。
その後、機能するATMがふえていき、” 1人2,000ルピー札1枚のみ “は改善されました。
少し期間がたってから、わたしはATMで10,000ルピー引き出しました。
出てきたのは、2,000ルピー札5枚。
・・・・ぎゃぁ!!
というのは、
以前であれば、10,000ルピー引き出した場合、だいたいのATMは1,000ルピー札10枚や1,000ルピー札5枚・500ルピー札10枚といった具合に複数枚でででくるんです。
ところが、新紙幣に切り替わってから10,000ルピーであれば2,000ルピー札5枚で出てくるようになってしまっていました。
依然として” 2,000ルピー札、おつりがないからつかえない現象 “は続いていました。
い〜ら〜ない〜〜〜。
機能しないお札が増えるだけで、むしろこのお札どうしよう . . . という感じでした。
2020年、3年たっても2,000ルピー札をイヤがるお店はまだあります。
それ以降わたしは、ATMでは2,000ルピー札がでてこないようにするために9,000ルピーで引き出すようにしています。
また、このタイミングでキャッシュレス決済アプリの普及が一気に拡大しました。
『 paytm ペイティーエム 』
インドの電話番号・銀行口座をもっていないと使用できませんが、小規模商店や露店などほとんどのお店が導入しています。
日本のpaypayが参考にしたとかしていないとか . . . 。
" 人はこうしてつよくなる "
【 少額紙幣を確保しておく 】【 ATMでは奇数額で引き出す 】
もしインドへ行く際は、頭のかたすみにこのことがあるとより快適にインド旅ができるとおもいます。
ちっちゃなことだけど、ぜひ実践してみてください。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
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