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【インド賃貸】賃貸契約書の確認ポイント
2024年5月に、私は現地採用としてインドへ移住しました。
移住には一から賃貸物件を探す必要があり、その過程でインドの賃貸契約書を作成したこともありました。
本記事では、チェンナイで賃貸契約書を結ぶ際に気をつける点・確認すべき点などをまとめています。
なお、今回紹介する賃貸契約書はチェンナイでの賃貸に基付いており、他の州や市では異なる慣習やお決まりがあります。
家賃
賃料は、メンテナンス費(物件維持費)込みかどうか分かれています。
MagicBricksやNobrokerなどインド版SUUMOでメンテナンス費は「Monthly Maintenance」や「Maintenance」と記載されています。
特別書かれていない場合は、メンテナンス費込みの賃料であることが多いですが、念の為確認する必要があります。
メンテナンス費込みの場合、契約書では「a monthly rent of Rs.23,000 including maintenance」などと書かれています。
また、チェンナイでは一般的に賃貸契約更新の際に10%賃料を上げる慣習があります。
契約更新時に10%以上家賃を上げられないよう、「10% hike」と明記してあることを確認します。
契約期間
チェンナイでは基本的に契約期間が11ヶ月であることがほとんどです。
これは、チェンナイでは11ヶ月という区切りで、政府へ提出する書類や手続きの複雑さが大きく変わってくるからです。
11ヶ月以下の賃貸契約であれば、オンラインで発行できる公認スタンプをもって、正式な政府公認の賃貸契約書と証明することができますが、11ヶ月よりも長く賃貸しようとすると、途方もない政府系手続きが必要になります。
また、契約期間自体は解約禁止期間とは別で、この契約がいつまで有効なのかを示しているのみなので、解約禁止期間が過ぎたら契約期間内であっても違約金なしで解約することができます。
解約通知期間
Notice Periodという句に該当します。
オーナー・借主ともに解約するには○ヶ月以上前に通知しなければならないという期間です。
一般に1ヶ月や2ヶ月で、Fully-Furnished(全家具付き)のコンドミニアム(高層マンション)であれば、2ヶ月の解約通知期間が設けられていることが多いです。
解約禁止期間
Lock-in Periodという句に該当します。
最初の○ヶ月に解約するなら違約金が発生するという趣旨で、違約金自体は何ヶ月か分の家賃であることが多いです。
サービスアパートメントで賃貸をお願いするときは、Lock-in Periodが1ヶ月だけ、またはなしという対応をしてくれるオーナーが多いです。
敷金
Security Depositという句に該当します。
チェンナイでの賃貸物件の敷金は3ヶ月〜6ヶ月分の家賃を徴収する物件がほとんどで、初期費用がかなりかかります。
サービスアパートメントで賃貸をお願いする場合は、敷金なしで家賃が高いとなりますが、賃貸物件紹介サイトなどを通じて契約する場合は敷金が発生するので、1年間トータルで家賃を計算したときに、大体同じくらいになることもあります。
オーナーによっては敷金がきちんと返ってくる場合もあるので、家賃+メンテナンス費+敷金を1年間で計算して、物件の良し悪しを測るのがおすすめです。
また、賃貸契約書自体には、敷金の金額をいつまでにいくら払うのかだけでなく、敷金がきちんと解約時に返金されることを明記します。
ただし、解約禁止期間(Lock-in Period)のうちに解約を申し出た場合は、敷金は返ってこないかもしれません。
光熱費の支払い
Utility Billsという句に該当します。
電気・ガス・水道(上下水道)・インターネット回線が含まれます。
MagicBricksやNoBrokerなど賃貸物件紹介サイトにある物件は、家賃に含まれていないことが大勢です。
一方で、サービスアパートメントなどで賃貸契約を結ぶ場合は、電気料金以外はオーナー負担など、柔軟な対応を行うオーナーが多いです。
いずれにせよ、オーナーか借主かどちらが何の支払いをするのかは賃貸契約書に明記します。
駐車場
Parkingという句に該当します。
コンドミニアムであっても戸建てであっても、別の階や部屋に住んでいる住民と駐車場がバッティングしたとき、駐車場や駐輪場が認められているという句がないと、泣く泣く別の駐車場を探すハメになります。
四輪車または二輪車が何台許されているのか、明記します。
備え付けの家具・設備
Furniture and appliancesという句に該当します。
Full-Furnished(完全家具付き)またはSemi-Furnished(必要最低限の家具付き)の場合、何の家具や備え付け設備がオーナーから提供されているかを、「Schedule List」または「SCHEDULE」という題で、家具とその個数を表に記載します。
テーブル、椅子、テレビ、冷蔵庫など、備え付けの物品全てをリストアップします。
「Power Backup」という予備の発電装置があるかどうかは物件によってまちまちですが、停電の多いチェンナイではあったほうがよいです。
外はサウナにいるような気候の日もあるので、エアコンがないとかなりきつい時もあります。
また、蚊除けネットや猿よけネットも住む階によっては必須になってきます。
大体10階以下の階であれば蚊除けネットがいりますし、ITパークにあるコンドミニアムのように、近くに茂みがあるような立地であれば猿よけネットも備えられている場合があります。
以上、確認ポイントをまとめてきましたが、やはり英文になるとトリッキー・・・という場合もあると思います。
NoBrokerでアカウントを作成すると、必要事項を記入していくだけで、賃貸契約書を無料で作成することができます。
「Select Stamp Paper Amount」で20ルピーか100ルピーかは、契約期間が11ヶ月以下の賃貸契約であれば20ルピーを選択します。
「I am:」という質問は、Tenant(借主)を選択します。
賃貸契約書自体はオーナーが作ってくれるというケースがほとんどですが、抜け漏れやおかしな点を見つけるためにも、自作のものと比較するのもいいのかなと思います。