2年ぶりのインド滞在を終えて
2020年の3月を最後に「世界的なパンデミックによって各国は国境を封鎖」
その後約2年間に渡り、日本からの出入国にも影響を及ぼしてきました。
ウイルスとの共生や収束の道筋が見えてきた2022年3月、ようやくインドの地に降り立つことが出来ました。
インドへの旅は書類作成からスタート
インドへの入国にはいくつかの手続きが必要です。
・インド入国ビザ
・PCR陰性証明診断書
・エアスヴィダ(入国の事前告知 廃止済み)
・航空会社への事前申告(廃止済み)
一つでも抜けていると航空機に搭乗することが出来ません。
しかし、その手続の殆どはオンラインで完結出来る時代でもあります。
この記事の執筆段階では、入国ビザと陰性証明のみでOKとなり、入国が比較的簡単になりました。
インド入国、溢れる感情
多くの書類作成に煩わされた航空機への搭乗と変わって、インドへ入国の際には作成した書類は殆ど確認されることも無くあっさり入国。
肩透かしを喰らいながら2年ぶりのインドの大地に、スパイスとお香の匂い、排気ガスなどが入り混じったインドの匂い。
既に35度超え灼熱の太陽を浴び色々な感情が湧き上がる瞬間
空港から一歩出れば、そこには「熱気に溢れたコロナが無い世界」が待っていました。
インドの大祭ホーリ
「人々は春を祝い色粉をお互いに塗りあって祝福します」
2021年のホーリの際に、デルタ株が流行しインドは地獄のような世界へと一変しました。
しかし、その一年後にはパワーを取り戻し、全力でホーリ祭を楽しんでいます。
そして、案の定その祭りに巻き込まれることになります。
これだけ多くの人々が集まり、全力で楽しみ尽くす姿は日本から見れば正気の沙汰とは思えない世界です。
昨年の悪夢が脳裏をかすめる人も多いはず。
しかし彼らは今を生きることに大きな価値を持っているようです。
世界が元気を取り戻す、社会のサイクルを取り戻すヒントがこの国には溢れていました。
インドは国内旅行ブーム
今回の旅では、ゲストハウスを運営する「バラナシ、チベット亡命政府があるダラムサラ」を訪ねました。
バラナシはインド政府の政策によって、旧市街の大規模改修が行われています。
聖地ヴィシュワナート寺院、火葬場のあるマニカルニカガートなど主要な施設がリニューアルされ、主にヒンズー教徒の人々が毎日数万人単位で参拝などに訪れています。
アクセスの良いホテルやゲストハウスは連日満室となり観光事業は完全に息を吹き返しています。
ダラムサラは気候が良く、デリーが40度近い気温に対して20度前後の過ごしやす気候。
今までは外国人旅行者が大半を占めていましたが、現在はデリーやムンバイなどの大都市から富裕層が避暑に訪れています。
レストランやホテルなども活況で、こちらも完全に息を吹き返してるようです。
現在インドは国内旅行のブームが巻き起こり、主要な観光地はどこも人で溢れ返っていました。
既に外国人旅行者も少しずつ増えつつあり、この活況は当分続いていくことでしょう。
2年間沈み切っていた観光業が、一気に勢いを取り戻し元気に溢れていました。
インド人達のマインドの変化
インドは世界的にも格差が大きく、「社会構造が複雑な国」です。
こういった国では、一発逆転でも無い限り成功が難しい社会でした。
しかし、このパンデミックによって社会構造が更に大きく変化しました
国民の大多数が甚大な被害を受け、社会が再開されたと同時に「ヨーイドン!」
グレートリセットによって新たな社会レースが始まっているのです。
明確な競争社会では、ぼーっとしていたら出遅れてしまいます。
こういった社会状況と需要の回復、政府のインフラ投資などが重なり、今のインドには活気が溢れ返っています。
ヘナの生産者達にも変化が
ヘナ生産者達は比較的パンデミックの影響は少なかったようです。
しかし、「世界的には需要が減り生産量に落ち込み」がありました。
今まで順当だった世界へのヘナ製品輸出に毀損が発生してことで、より良い製品を作っていかなければ、競合に負けてしまうといった焦りが見えてきました。
今まで彼らがやりたがらない作業にも前向きな姿勢が見えつつあります。
それと同時に、現在インドでは働き手不足の問題も大きく、コロナ以前よりも給料を良くしなければ人材確保が難しい状況です。
これは労働者にとって「賃金の上昇が望める状況」と言えます。
賃金格差が大きなインドにおいて、この現象は前向きに捉えることもできます
パンデミックはヘナ生産の世界においてもグレートリセットが行われ、この秋からの生産体制の変化に対して良い方向に働くと確信しています。
インドからの帰国
今回のインドの旅は、今までの中でも印象深い旅の一つとなりました。
様々な想いと共に帰国するところですが、日本政府が帰国を簡単に許してくれません。
帰国には
・PCR陰性証明
・帰国検疫への事前申請・誓約書の提出
・管理アプリの登録など
・帰国後の待機期間や自主検査の手配
入国時には再度のPCR検査が行われるなど、現在において過剰とも言える帰国者への扱い。
そもそも日本の方がリスクの高い国なのに、リスクの低い国からの入国・帰国を阻害する。
「いまだに後ろ向きで整合性の無い感情的鎖国制度」
日本とインドどちらにも素晴らしい、悪い部分があります。
また民族的な考え方の違いもあります。
しかし一方しか知らなければ、その殻に閉じ籠るしかありません。
国の体制や制度がどうあろうと、生きていくのは自分であり、何を感じ考え生きるかも自分次第。
この事実を自分の感覚で掴むことが出来たことは、この旅の何よりの収穫とも言えます。
そして、旅をしなければ掴むことが出来なかった感覚でもあります。