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解析系研究者が使う文房具 ー野帳編ー

タイトル画像はImage Creator from Designer(Edge)を使用しました。

「野帳」をご存知でしょうか。
緑色の硬い表紙が特徴的なメモ帳です。最近は緑とは限らないみたいですが…。


元々は測量に使用するのが主目的だったようですが、とにかく頑丈さとコストパフォーマンスの良さに定評があり、様々な用途で使用されているロングセラーです。
私は学生時代に野外調査を行う研究をやっており、その時に野帳と出会いました。確か、指導教官から野外調査の記録用に頂いたものだったと思います。サイズ感などがちょうどよく使いやすいので、社会人になってからも断続的に使用していました。
少し脱線しますが、私が知らない間に、野帳は一般の人も使うようになってきているらしいですね。本まで出ていて、びっくりしました。


今の主な使い方


野帳を紹介する、と言いながら、実は今の使用頻度はすごく少ないです。どのぐらい少ないかというと、半年で1冊の野帳を使う程度です。半年で40ページですので、単純計算では4〜5日に1ページ程度しか使っていません。昔は使用頻度も高く、月に1冊ぐらい使っていたこともありますので、だいぶ減ったと思います。

使用用途は、仕事関係と研究関係に分けられます。仕事では、打ち合わせや電話を受けた際など、人から聞いた話のメモが多いでしょうか。研究では、アイディアや、書いている途中の原稿やプレゼン資料の構成、図表などの素案的なものを書くことが多いです。

今の使用頻度が少ない大きな理由は、各用途のメモの大半を電子化したからです。Obsidianを使うことも多いです(詳細はこちらをご参照ください)。このため、今は主に研究関係で図や表をざっと書きたい場合ぐらいしか使っていないように思います。
これは、個人的な嗜好の問題と思いますが、原稿を抱えている途中で、時々紙に書きたくなるときがあります。「こういうデータ(雑なグラフの絵)」→「こういう解釈」みたいなことを書くことが多いですかね。あとは、「こういうふうなグラフや概念図がわかりやすいかな」と思い浮かんだままのラフスケッチ的なものを書くこともあります。
このため、時々5ページぐらいまとめて書いて、その後1ヶ月ぐらい何も書かない、みたいな使い方になっている気がします。

書いた情報の整理の仕方

野帳に書いた情報は、一応整理していました。
昔は、100円ノート「超」メモ術を参考に、最後のページに簡単なインデックスを作っていました。これはA4サイズの実験ノートを使っていた時もやっていた方法で、紙だけで管理するなら、おすすめの方法です。

今は、書いたものであとから見返しそうなものは、スマホで写真を取って置くだけです。解析型研究者が使うObsidian―Capture編―でも記載したとおり、Office Lens→OneNote→Obsidianにリンクを貼る、という流れで記録するか、単に写真として保存しておいてObsidianに入れ込むか、のどちらかが多いですね。

現在は、以上のような使い方なので、野帳の書き方もバラバラで統一感はありません。昔は、日付とタイトル程度は記載していたのですが…。すぐに写真をとればタイムスタンプにもなりますし、ファイル名を関連するものに変えておくことで置き換えている感じですね。

伝えたいこと:雑な扱いに耐えるタフさ


野帳の話を書こうと思ったのは、先に述べた半年使った野帳に軽い感動を覚えたからです。
こちらの写真を御覧ください。

使用機関の違う野帳(左から、未使用、使用後4ヶ月、使用後半年)


左から、未使用、使用後4ヶ月、使用後半年の野帳です。
見てのとおり、使用後半年ではかなりボロボロですが、野帳の形を保っており、ページの外れなどもありません。

こんなにボロボロになるのは、私の使い方に理由があります。
通常仕事中はズボンのサイドポケットに入れっぱなしにしています。しかも、次にメモするページのところにペンを挟んだまま。

野帳にペンを挟んだ状態


こうしておくことで、思いついた時にサイドポケットからメモするページをすぐに開けます。
極めてずぼらな使い方ですが、これまで特に困ったことはありません。
以前は1冊/月ペースで消費していたので、そこまでボロボロにもなりませんでしたが、1冊前の野帳は気づけば半年経過しており、この状態でした。正直、存在を忘れるレベルで、ほぼ無意識に毎日ポケットに入れ続けていました。ちなみに、休みの日はズボンの後ろポケットに入れたまま尻に敷き続けている日も多かったです(たいして使わないのに…)。

すごくないですか?もちろん私のズボラさではなく、野帳の丈夫さの話です。丈夫さには定評がありますが、それを目の当たりにすると、改めてすごいなと思いました。
これを皆さんに伝えたかっただけの記事です。

なぜ使い続けるのか?

ここまで読んで、そんなにたまにしか使わないのに、なぜポケットに入れ続けているのかを疑問に思われたかもしれません。
「惰性」という側面も否定はしませんが、感覚的には「安心感」があるから、というのが答えかなと思います。
野帳を使いたいとき(≒紙に書きたいとき)は、不意に訪れます。サイドポケットの野帳が常にあることで、その瞬間を逃さない「安心感」があります。私にとってこの「安心感」は代えがたいものがあります。また、今回の経験で半年は雑に扱っても大丈夫という「安心感」も追加されました。大事に扱えよという声が聞こえてきそうな気もしますが…。
だいぶデジタルに置き換わった部分も多いメモの役目ですが、私は今のスタイルを今後も続けることになりそうです。


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