Pentel Mechanica 0.3mm
こんにちは。independent suspensionです。(は?)
今書いている時点で年越しから約10日経過したことに驚いています。
早いですよね~。今年から受験生になることへの精神的ショックが大きい
のですが、今回紹介するペンのお陰でテンションぶち上がりです。
紹介記事なのに前置きが長いのはアレなので本題に入りましょうか。
概要
今回入手したのは念願のぺんてる メカニカ、0.3mmの中期型です。
某フリマサイトにて相場よりもかなり安く入手しました。
その分軸に傷があったり、
ヘリコイドが少し硬い(壊れそうでビビりまくってます)などの
問題はありますが、そんなこと分かった上で買ってますし使えるのでOK。
歴史に軽く触れておくと、(間違った部分があればすみません)
メカニカは1968年に大日本文具株式会社によって発売された、
当時最高級の製図用シャープペンシルです。
世界初の0.3mmを実現したペンであり、また世界で唯一先端保護のために
「直進ヘリコイド」という機構を採用したペンでもあります。
カバーパイプを回すとスライドパイプによって先端が収納/露出される
という非常に複雑かつ繊細なメカニズムです。
使用する際は定期的なメンテナンスを必要とし、怠った場合故障する
可能性が高いです。芯径は発売当初は0.3mmのみでしたが、後に0.5mmも
追加されました。定価は3000円。0.5mmのみ最初期は2000円でした。
3000円という価格は1968年当時では非常に高価なもので、
現在の価値に換算すると約11000円に相当します。
ぺんてる株式会社に社名変更後も販売され続け、2002年に惜しまれつつも
廃番に。34年の歴史に幕を閉じました。現在はその希少価値の高さから
ネットでは非常に高価な値段で取引されます。
製造時期や仕様変更などでかなり細かく分けることができますが、
最初期型や初期型はその中でも希少価値が高く、美品はかなり高価です。
今回入手したのは中期型です。
硬度表示はB~2Hまで表示可能です。
飾りリングには
「JIS S 6013 〄 表示許可 375127 MADE IN JAPAN」と刻印があります。
カバーパイプ(グリップ)には「Pentel Mechanica 0.3」と書かれています。
ペン先の精度は個体差もあると思いますがあまり良くないです。
ヘアライン加工は施されていませんがツルツルではありません。
ヘリコイドに関しては、先程も書きましたが今にも壊れそうなほど
固い回し心地です。恐らく一度もメンテナンスを行っていないためです。
このまま使用していくと恐らく内部パーツの歪みなどですぐに故障する
ので、ウレアグリスが手に入るまで使用は少し控えるつもりです。
ネットで動画などを見ると、かなりスルスルと回っているように見えるので
メンテナンス次第で改善されると思います。
(軽くメンテナンスしてみたところまあまあ軽くなりました)
この個体は状態が良いわけではないので多少は実用していくつもりですが
このままでは実用もクソもないので早めに改善したいところです。
恐らく新品未使用の完品が手に入ってもほぼ使わないです…
購入時は箱、クリップ、シースなどの付属品はついていませんでした。
そのためP205のクリップを少しきつくして流用しています。
こういう部分に互換性があるのが助かります。
スペック
製品名 メカニカMEC
種類 製図用シャープペンシル
品番 MECD
芯径 0.3/0.5mm
全長 149.5mm(収納時)/148mm(筆記時)
軸径 8mm(グリップ)/9mm(最大径)
質量 16g(クリップ非装着時)/17g(クリップ装着時)
重心 65mm(クリップ非装着時)
価格 3000円(0.5mm極初期モデルのみ2000円)
発売元 大日本文具株式会社/ぺんてる株式会社
販売期間 1968年~2002年
バージョン 中期型
方式 ノック式/直進ヘリコイドによる先端保護
書いてみた感想
まず書いてみてですが、思ったより柔らかい筆記感でした。
個体差もあるのでしょうが、書いていてあまり剛性は感じられないです。
メカニカはそういうものを求めるペンではないので全然いいんですけどね。
ただ書いていて先端のがたつきなどは感じませんでした。
本当にロットリング800/800+のがたつきを少し抑えた感じです。
そしてペン自体は17g(クリップ装着時)ほどでそこまで重くないですが、
持ってみると少し重量感があります。たまらんですね。
グリップにきつさはなく、手が痛くなるようなグリップではないですが、
かといって滑ることもありませんでした。かっこいいから許す
全長は長めで重量がそこそこあるので、速いペースで書かなくていい場面や
作図、趣味でペーパークラフトを作るときに使っていきたいです。
個人的な長所と短所
長所
1.意外と書きやすい
このメカニカ、同社PMG等と比較して趣味性が高く、あまり筆記性能には
期待していませんでしたが、いざ書くと結構書きやすいです。
グリップ径も個人的にちょうど良く、絶妙な重心バランスや全長が長いことも相まって筆記性能は悪くなかったです。いやむしろ良いです。
世界初の0.3mm製図用シャープなのに出来が良すぎる。感動しました。
2.デザインが美しい
グラフペンシルやQX、オレンズネロにも引き継がれている黒い12角形の軸。
どれも非常にカッコいいですがメカニカは美しさで考えれば別格だと思っています。ノック部分に向けて細くなっていくスラッとした軸が最高に
美しいです。ぺんてるのホームページにも
「軸のコントロールが容易かつ美しい」的なことが書かれています。
何かと自画自賛が多いような気がするぺんてるですが、この点においては
激しく同意します。
3.ロマンがある
先端保護の為の直進ヘリコイド機構は細い先端パイプを守るためのものですが、逆に落としてしまった場合この機構が壊れてしまうという本末転倒な
機構です。ですがグリップ/軸を回して先端パイプを繰り出すという動作や
定期的にグリスによるメンテナンスを必要とするメカっぽさにロマンが
詰まっています。こんなの男心くすぐられて仕方ない。
短所
1.直進ヘリコイドが非常に繊細で壊れやすい
先程長所として挙げたこの機構ですが、やはり壊れやすいことには変わり
ありません。実用性の面ではやはり他のペンには劣ります。
2.入手が難しい
メカニカはハイメカ、ハイユニ等と肩を並べるペンですが、
入手難易度においてもそれは同じです。
今回は偶々フリマサイトで購入できましたが、これを店頭で入手する場合
恐らく何十倍もの労力が必要でしょう。メカニカは廃番の中でも非常に
人気の高いモデルであり、多くの人が全国の文房具屋で探し回っている
ような物です。フリマサイトでも本体のみで3~4万円で取引されており、
完品であれば5~6万円台の出品も珍しくありません。
欲しくても簡単には手に入らないのは少しネックですね。
最後に
今回はぺんてるのメカニカについて紹介しました。
ネットでその存在を知ったときから欲しかったもので、
店に行っても置いてなかったり、完品が置いてあっても非売品で売れないと言われたり、なかなか入手できませんでしたが、今回念願の入手となりました。入手難易度や機構の繊細さ、また書き心地の独特さからかなり人を選ぶ
ペンだとは思いますが、この機構にロマンを感じられる人やデザインが好きという人は是非味わってみて欲しい一本です。生産数や都内でも発見されて
いることを考えるとまだ残っている店はあると思います。
自分は諦めてネットで買いましたが…
ちなみに文字数が過去最高になってしまいました。写真が少ない上に
長々と書いてしまったので読みづらかったら申し訳ありません。
ここまで読んでいただきありがとうございました。