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フレックスタイム制のご紹介

皆さんこんにちは!会計士の井上です。

井上公認会計士事務所では、フレックスタイム制を導入しています。また、これと合わせて、所定労働時間を法定労働時間よりも短く設定しており、職員の皆さんの働きやすさの追求と、メリハリをつけ、短期集中で業務を終わらせることができるように、という点を心がけています。


採用活動を進める上で、多くの求職者の方から、フレックスタイム制や労働時間の考え方、また繁忙期の残業などについて質問を受けますので、改めて、当事務所の労働時間に対する考え方をご紹介したいと思います!


1.所定時間を1日あたり7時間に!

多くの会社では、1日の所定労働時間は、法定労働時間である8時間に設定してあると思います。1日8時間の場合、始業が9時だとすると、終業は18時ということになりますね。

山形の会社を見ていると、8:30~17:30という就業時間の設定が多いようです。これに対し、当事務所では、1日の所定労働時間は、7時間に設定しています。

山形ではあまり事例として多くないのですが、私が会計士になったばかりの頃、大手の監査法人ではどこも1日7時間設定(9:30~17:30)としていました。おそらく今でもそうだと思います。

私もそういう文化でしか育ったことがないので、開業してからもやはり、事務所の所定労働時間は、1日7時間という設定にしました。1日8時間に比べると、時間の使い方などが大きく変わってくると思います。

「7時間で本当に業務が回るんでしょうか?」という疑問も多くいただきます。確かに残業が発生するケースももちろんありますが、「生産性を高めなければいけない」「時間をムダにしてはいけない」という時間管理の意識を従業員レベルまでしっかり浸透させる効果があり、プラスの側面の方が強いと思います。


2.フレックスタイム制の導入

1日の所定時間を短く設定するだけではなく、さらに働きやすさを高めるために、当事務所では2018年よりフレックスタイムを導入しています。このフレックスタイム制というのも、山形ではまだ導入実績が少ないので、あまりピンとこない方も多いかもしれません。

フレックスタイム制は、出社、退社の時刻を、従業員が自由に決めることができるというものです。ただし、1か月単位で、所定の労働時間を確保する必要があります。当事務所の場合は、1か月の平日の日数が20日の場合、7時間×20日=140時間が、1か月の所定労働時間ということになります。

なお、最低限出勤しなければいけない時間帯として、10:00~15:00の時間帯を、コアタイムとして設定しています。つまり、遅くとも10時までには出勤すること、そして15時までは仕事をすること、というのが基本ルールです。それ以外は、自分の自由に設定することができるので、例えば月曜日は10:00~15:00の4時間だけ働き、火曜日は8:00~18:00の9時間働く、という時間の組み方も可能になります。(1か月の合計時間が、所定労働時間をクリアしている必要がありますが)

例えば、朝、通院してから10時に出勤するとか、あるいは、私用で今日は早めに退社します、といったような弾力的な時間の使い方が可能になります。特に小さいお子さんがいらっしゃる方などには、とても喜ばれています。

3.残業時間の考え方について

フレックスタイム制や、所定労働時間を短くする取組をしたとしても、繁忙期や平常期の残業時間が多ければ意味がないのでは?という意見もあるかと思います。この点、確かに一時期、残業時間が多くなってしまった時期もあったのですが、今は、全社的に、「長時間労働は悪」という価値観を共有し、ムダな作業やダラダラ残業を極力排除するように取り組みを進めています。

会計事務所の業務は、担当者ごとに属人化してしまう傾向があり、また税務申告書や、各種資料の作成などの業務は、完成するまで何時間かかるかわからない、という側面もあるので、特定の人だけに難しい仕事が集中してしまい、残業が多くなってしまう傾向があります。特に、この業界は真面目で責任感の強い人が多いので、一人で抱え込んでしまうケースも非常に多いです。

組織全体として残業を減らすためには、このようなケースが起こらないように、経営陣が率先して、組織的な対策を立てることが不可欠です。まずは事務所の雰囲気自体を、明るく保つようにする必要があります。忙しい会社だと、どうしても殺伐とした雰囲気が社内に充満してしまい、気軽に相談することができなかったり、場合によっては、社内でいがみ合いを繰り広げているような会社も多くありますね。

こうならないための一つのポイントして、「心理的安全性」を確保することが非常に重要だと思います。当事務所では、職員を3~4名ごとのチームに分け、業務をチーム単位でこなすように、という形にしています。このチームの中では、気軽に相談をしあったり、福利厚生としてのランチミーティングなどを促進したりして、悩んでいることを一人で抱え込まないようにする、ということを特に気を付けています。

また、残業を減らすためにもっとも重要な点は、経営者の側から、経営者の責任のもと、「ここまでははやらなくてよいです」とか、「この箇所は概ね合っていれば大丈夫です」というような妥協点を明示してあげることだと思っています。この点は非常に重要で、残業ゼロを標榜している会社でも、実は隠れ残業が発生していたり、ということが多いですが、そうなってしまわないよう、経営者あるいは管理者がしっかり業務の進捗を管理する、ということが必要です。
もちろん、決算書や税務申告書を作るうえで、1円単位まできっちり厳密に計算しなければいけない、というのが仕事の大原則ではあるのですが、あまりに細部にこだわりすぎてしまうことで職員が疲弊し、倒れてしまっても問題ですので、これからの時代、多少はリスクを許容するというスタンスも必要になってくると考えています。

4.残業手当の支給は1分単位で!

また、求職者の方が気にするもう一つの点として、残業が発生した場合は、残業手当をきっちりもらえるのか、という点だと思います。当事務所ではこれまで、残業に関しては事前申請の形で、残業をする前に上司の許可を取る必要がある、という形で運用していました。おそらく、日本の多くの会社が、このような事前承認制になっていると思います。しかし、これだと、どうしても遠慮が生じてしまうようで、人によっては、事前申請をするのをためらってしまうこともあるようです。

これでは、働き方改革を進める上で良くない、という結論に至り、今年の8月から、残業に関しては事前申請は一切不要で、所定労働時間(140時間)を1分でも超えた場合は、1分単位で残業手当が自動的に支給される、という形に変更しました。経営者側としては、職員の勤怠をしっかり管理しておかないと、あっという間に多額の残業手当の支払いが生じてしまう、ということになるので、今まで以上に労務管理や業務の効率化に神経を費やすことになります。しかし、それで良いと思います!

この仕組みが軌道に乗ってくれば、労使双方ともに、より生産性を意識した上で業務を行う、ということになりますので、これからの人手不足の社会でも、競争力を維持していけるものと思っています。

こんな形なので、事務所の基本スタンスとしては、「労働時間はなるべく短く」、しかし、「生産性はなるべく高く」という点を目標にしています。もちろん、残業が完全にゼロ、ということは難しいと思いますが、仮に残業が発生してしまった場合には、自動的に残業手当が計算される仕組みになっていますので、その点はご安心ください。

5.実際の残業時間はどれくらい?

昨年の繁忙期である12月~3月の期間は、月平均30時間くらいの残業が発生していました。・・・30時間というと多く感じてしまうかもしれませんが、当事務所の場合、所定時間が140時間ですので、30時間残業したとしても、労働時間としては170時間程度であるため、そこまで忙しい、という状況にまでは陥っていません。また、繁忙期以外の平常月は、ほとんど残業は発生していません。

他の会社の話を聞いていると、基本給の中に、実は固定残業手当(月間数十時間分)が含まれている、というケースもよくあるようです。所定労働時間が1日8時間で、かつ固定残業手当として30時間分くらいの残業が基本給に織り込まれているとすると、月間200時間くらいの労働が想定されている、ということになってしまいますので、事前にしっかり確認が必要です。

当事務所では、固定残業手当などの概念もありませんので、求職者の方はご安心ください!


以上、当事務所におけるフレックスタイム制、及び労働時間や残業に対する考え方のご紹介でした!