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性暴力加害者・被害者ケアの必要性

2023年7月13日から【不同意性交罪】【不同意わいせつ罪】が施行されます。
これまで、”強制性交”や”強制わいせつ”と言われていたものです。
今回はその変更点や内容ではなく、加害者・被害者について考えていきたいと思います。

日本は”加害者ありき”の考え方をする国です。ほかの国の考え方と比較したことがないので、日本だけが特別なのかどうかは今回はおいといて・・・

電車では「チカンに注意!」→チカンをしてはいけませんやろ?
エスカレーターでは「盗撮に注意!」→盗撮をしてはいけませんやろ?
薬物の「断り方」→薬物を使用したり使用させたりしてはいけませんやろ?
いじめに「負けないで」「逃げてもいい」→いじめをしてはいけませんやろ?
性被害に合ったのは「露出のせい」「酔ったせい」「そんなとこに行ったせい」「逃げなかったせい」・・・→どんな状態であったとしても性加害をしてはいけませんやろ?


緊急避妊ピルに関してもこの夏頃に一部地域で試験的にドラッグストアで購入できる取り組みを開始するそうですが、手軽に手に入ることで「加害者が悪用する」「女性が淫乱になる」など、加害者がいること前提なんですね。被害者を守ることが第一ではない。今現在困っている人を守ることを後回しにしたがるんです。

薬物もいじめもそう。被害者が逃げるしくみになってる。

(いやいや、加害者がいるから被害者がいるわけで、
加害者がいない世の中を作れば被害者はうまれないわけで。)

そんな”加害者ありき”の考え方が流通している現代では「どうやって加害者をなくしていくのか」という議論が後回しになっています。

性暴力加害者ケア

性暴力加害者のうち40~60%が幼少期に最初の加害を経験しているというデータがあります。そのときに成功体験を積み、手を変え品を変え大人になっても加害を続けてしまうのだそう。

1人の加害者が生む被害者の数は360~380人(これはアメリカでのデータ。日本ではもっと多く、500~1000人だと推測されています。日本は性暴力多発国なんですよ。)

つまり、幼少期に性加害をした時点できちんとケアをして再発防止策に努めれば、その数百人の被害者を出さずに済むわけです。

幼少期の性加害に気づくには、被害者が”性被害を受けた”と気づき、”信頼できる大人に報告できる”ことが大切です。
幼少期の性被害はその場では気づかない場合が多く、大人になって意味を知ったときに一気にトラウマ化することも少なくありません。なぜなら、性被害に関する知識がないからです。学校でも家でも教えてもらってないから当然です。

中には性暴力をしている自覚のないまま、うっかり加害者になることもあります。特に、自身が性被害を受けているけれど自覚がない場合は、自身の被害意識がないため、当たり前の行為として同年代の子へ性加害をしてしまいます。

だから、小さいころからプライベートゾーンを知り、守る知恵をつけることが大切です。
☆自分だけの大切な場所であること。
☆せいけつな手で触れること。
☆誰にも見せたり触らせたりしないこと。
☆誰のも勝手に見たり触ったりしないこと。
☆家族や親戚でもマナーを守ること。
☆勝手に見たり触ったりする人がいたら信頼できる大人に相談すること。
☆かゆみや痛みがあるときもすぐに相談すること。

↑たったこれだけの知識があるだけで、プライベートゾーンを勝手に触られそうになったら断ることも逃げることもできるし、そうできなかったときも、だれかに相談できる人間関係があれば、相談することができます。

加害児童生徒へのケアとしては、
まずは自分が加害者だと気づかせることが大切です。
自分を被害者だと本気で思っている加害者は少なくありません。
DVも児童虐待も加害者の多くが自分を被害者だと信じています。その話はまた別の機会に。

気づくことができたら、どの時点で自分は加害に及ぶ決心をしたのか心の動きを探ります。

それが分かれば、次同じような場面に遭遇した場合の加害を回避する行動を見つけ、訓練します。

大切なのは、自分が加害に及びそうになったとき、支えてくれるサポーターを持つことです。加害をしそうだと相談できる信頼できる大人の存在です。いざというときにストッパーになってくれる頼れる大人を見つけるのです。

そうして加害行動から目を背けず向き合った勇者として、自分を信じる力をつけていくことで、再犯を防止していきます。

自分の加害と向き合うことはたやすいことではありません。
うっかり加害者になってしまったときも自分が加害者だと気づくことで傷つくこともあるでしょう。

でも、自分の加害と本気で向き合うことでしか再犯を防ぐ方法はないと思います。

だれもが、幸せになりたいと願って生まれてくと言います。
生まれたときから犯罪者になろうと決心している子はいないのです。
生まれたときから人を不幸にしてやろうと決心しているわけではないのです。

育ちの中のどこかでボタンがずれてしまった結果、加害者になってしまう。
だから、そこまで立ち返って、自分を知ることで元居た望む世界へと引き戻してあげるのが大人の役割だと思います。

性加害で困っている方がいらっしゃいましたら
是非インクルーシブ・ラボまでご相談ください。
お役に立てたら光栄です。

次回は被害者ケアについて考えていきましょう。


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