虚ろ歌

巡る節気と 経し春秋
おのれ呪いて 虚ろ歌

国と言葉と 親と友
捨てて入るは 木の子宮

燻り燻らせ あが虚
心のあるなし 煙巻き

捨てしを憂うは いくばくぞ
ただ幻を じつと見て

我愛するは 人ならず
金科玉条 ハルモニアー

天使の口付け 吾が額の
女神の微笑を 我知らず

独りよがりと 佶屈と
慚愧に耐えぬ この恥と

空中人間 その男
はて女かと 空を見る

盲いて下る 地獄道
螺旋階段 後向き

心身 無限の対位法
長夢 胡蝶に問ひて醒め

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