【詩】海岸通りのホテルにて
海岸通りを走るポルシェは、
目を光らせたネズミのようだった。
恐怖を知らないネズミたちを、
シャンティガフを飲みながら見る。
世間から少し離れたくて、
独り訪れた海街の情景。
踊るように揺れるヤシ、
イタズラ心を込めた落書き、
潮風に吹かれる前髪に、
私は非日常を知った。
そんな日の夜。
遠くに見える灯台は、
今宵も休まず働いている。
休息を知らない働き者を、
シャンティガフを飲みながら見る。
海岸通りのホテルにて、
私は海辺の夢を見る。
海岸通りのホテルにて、
非現実への失踪を願う。
「今日は寝れないな」
私は逃避を諦めた。
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