【戸塚宏】「冤罪」主張 戸塚ヨットスクール校長
戸塚宏 (とつかひろし)
(戸塚ヨットスクール)愛知県
陰謀度 5 ★★★★★
【陰謀要素】
・エセ医療 ・胎教 ・麻原彰晃賛美 ・反LGBT
【マネタイズ】
・戸塚ヨットスクール ・セミナー/講演 ・書籍 ・メディア出演
【メモ】
◆1940年9月6日生まれ
◆朝鮮(日本統治下)生まれ
◆神奈川県⇒福岡県北九州市⇒愛知県名古屋市育ち
◆名古屋大学 工学部機械工学科卒
◆戸塚ヨットスクール 校長 (1976年~)
■ 体罰死
戦前生まれの戸塚宏は『戸塚ヨットスクール』校長として、「教育」と称した体罰によって教え子を死なせたことで服役した経歴を持っている。
戸塚による教育には功罪があり、「功」の部分が大きいことも分かる一方で、「罪」の方も大きいこともあり、戸塚の教育への評価は賛否が分かれる複雑なものとなっている。
◆ 戸塚ヨットスクール事件をモチーフとした映画(予告編) ▼▼
本noteでは戸塚の教育方針についてとやかく評論するつもりはないが、戸塚の教育理念の根っこにある問題については触れておきたい。
■ 脳幹論
戸塚は過去に『脳幹論』と銘打ったトンデモ説を開陳している。▼▼
そして戸塚は科学的にも「トンデモ本」と言える内容の書籍を出しているのだ。▼▼
▲▲ この書籍が書かれたのは1980年代。科学の進歩に伴って、脳科学の分野がニューサイエンス界隈におけるメシの種とされていた時代だ。今でもなお未解明要素が多い脳の分野は研究対象として持て囃され続けているが、当時全盛を誇ったオカルトブームともあいまって、「何だか分からないけど何だかスゴそう」という脳機能への期待感が高くあった時代でもある。そのため脳機能に関する話題は科学的に検証のされていないような内容であっても、メディアを通じて世間に広く受け入れられてしまう素地があったのだ。
そんな時代背景の最中、医師や医学博士でもない戸塚は『脳幹論』という独自の考えに基づいて教育を行なっていた。戸塚本人はこれをあたかも科学的な正当性があるかのように語っているが、実際のところは個人の「信念」にとどまるものでしかない。▼▼
▲▲ また、『脳幹論』はエセ医療と親和性が高く、戸塚は「脳幹を鍛えることで様々な病気を克服できる」という根拠の無い主張を行なっている。▼▼
そんな戸塚は癌の発生原因を「脳幹の虚弱」、膠原病の発生原因を「脳幹の狂い」だのテキトーな珍説を唱えてもいる。▼▼
「癌と非行は同じ原因」と言われても、そりゃ同意する人がいたらアタマがおかしいとしか思えない。▼▼
なぜ戸塚がこのようなアタオカな説を唱えるのかと言うと、病気と非行は同根にあるという戸塚独自の考えから、病気は「逃げ」であるとし、▼▼
「病気と非行の原因は同じ」だと非科学的に単純化することで、脳幹を鍛えれば病気も非行も治る(直る)とこじつけたいが為である。▼▼
▲▲ こういった謳い文句を信じて戸塚ヨットスクールに入校した生徒も実際に存在した。言い方を変えると「医療詐欺」になりかねない。
しかも戸塚は2014年の講演でも、科学的に立証されていない精神論をあたかも科学的であるかのように語っていて、「念ずれば通ず」的なそのタチの悪さを継続的に有していることが窺える。強固過ぎる信念は一歩誤ると狂気と繋がるリスクがある。▼▼
なお、戸塚による疑似科学とすら言えないような教育論やエセ精神療法論については、後藤和智さんという方の下記note参照をオススメしたい。▼▼
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ちなみに子供の教育に学術的に向き合う『日本児童青年精神医学会』は、公式声明で戸塚の『脳幹論』をガッツリ否定している。▼▼
■ 胎教
「胎教」という言葉がある。
これは一般的には、「お腹の中にいる赤ん坊には周囲の言葉が聴こえているから人の悪口を言ったり汚い言葉を使うのをやめよう」といった道徳的な意味合いで、胎児にではなくむしろ周囲の大人や家族などの情操教育として有効性を発揮しそうな概念である。
中には睡眠学習よろしく「胎児に英語を聴かせると英語習得が捗る」といった根拠の無い説を唱えて英会話ビジネスに繋げようとする者がいる。▼▼
▲▲ 再現性の確認を行なうことが難しい「胎教」には、こういった真偽不明な説が入り込む余地がある。宇宙人の存在と同じで、必ずしも否定ができないからこそ夢を感じてしまうのだろう。
そんな胎教を行なっているのが戸塚だ。出た出た。。
戸塚は「胎児に教育ができる」と断言しているが、その方法を訊かれると「企業秘密」の一言で逃げている。▼▼
戸塚は熱いことは言えるが、科学的な知見や学術的な積み重ねがあるワケでは無いためテキトーなことを言ってケムに巻くことが常態化している。
下記動画でも戸塚は「胎児から教育できる」「教育効果が出てる」と主張している。。▼▼
個人の感想を語るのは『言論の自由』とは言え、「教育者」を名乗る者が検証すらされていない持説を一般論かのように語り、あまつさえそれをビジネス化していることは悪質である。
■ オウム真理教・麻原彰晃への賞賛
無差別殺人テロという重罪を犯して死刑に処されたオウム真理教の教祖・麻原彰晃を賞賛する戸塚。 ▼▼
▲▲ 戸塚は上記動画の中で、教祖・麻原が理系の学歴エリートたちに思想を植え付けて束ね上げたことを、教育者として高く評価している。
戸塚は下記動画でも、「オウム真理教は仏教」「仏教は科学」とした上で麻原彰晃を賞賛している。(※41分6秒〜) ▼▼
▲▲ 我那覇真子は陰謀論をビジネスにして稼ぐ極右系陰謀論者。
戸塚によると麻原彰晃は「真理」に辿り着き、その「真理」の布教に一役買ったのだと絶賛。麻原が学歴エリートという空虚な存在に「生きる価値」を与えたのだと戸塚は評価していて、麻原と信者たちがその教えのために殉じた(テロを起こして死刑に処された)ことを間接的ながらも褒め称えているのである。。
確かに、人生の価値を見出せずに引きこもるような若者たちとの接触機会が多い戸塚にしてみれば、人間が生きる上で、生き甲斐や生きる動機がどれだけ大事なことであるかを痛感せずにいられないだろう。だからこそ人生に迷える学歴エリート信者たちのモチベーターとなった麻原が、組織一丸となって国家の転覆を図るような大それた行為へと導いたことを、戸塚は無邪気に賞賛してしまっているのである。本当に怖い話しだ。。
しかも戸塚は動画内で同時に、「メディアによるオウム真理教潰しが行なわれていた(※本note意訳)」といった、反社会的な認知の歪みまで露わにしている。
社会悪がメディアによって攻撃を受けるのは、その社会における自浄作用がきちんと働いている、そう考えるのが自然だ。しかし戸塚自身がメディアによって賞賛された過去から一転、戸塚を中心としたスクール内での常軌を逸した体罰による生徒の死亡が発覚すると、手の平を返されたかのようにメディアや世間から猛バッシングを浴びるという苦い体験を味わった。その体験から生まれたのであろう戸塚の被害者意識をくすぐられたこともまた、メディアや世間からのバッシングを受けるオウム真理教のような社会悪を擁護してしまう動機となっているのかも知れない。
そして驚くことに、戸塚はヨットスクール内で起こした事件を「全て事故」だと言い換えることで、自らを冤罪被害者に仕立て上げている。(※20分14秒~) ▼▼
▲▲ 自らが犯した事件を「事件ではなく事故」と断言する戸塚は、メディアと公権力、そして生徒保護者をも敵に回して陰謀論的主張を行なっているのだ。。
『他責思考』は、その人を陰謀論者へと導く重大なリスクとなり得る。