本格始動インバウンド!目指せお客様満足度120% ポストコロナから“パスト”コロナへ!
10月11日より本格再開したインバウンド観光。あちらこちらから、てんやわんやの嬉しい悲鳴が聞こえてきています。インバウンドは約3年間のブランクからの目覚めで、スキルの低下と戦いながらも同時にスキルアップを目指し、新たなインバウンド観光のカタチを探っていかなければなりません。
人員不足もあり現場は大変な状況にあるかもしれませんが、慎重に確実に訪日外国人客の日本への旅行満足度120%(120%は100%+αの例え)を目指していきましょう。
さて、その満足度をあげるにはどのようなポイントを押さえる必要があるでしょうか?
旅行者の『ニーズ」『ウォンツ』そして『期待以上の何か』
外国人という一括りにし集客をするのではなく、それぞれの国の人であり、それぞれの人間という認識のもと集客や対応をすることが大切です。
そのため、各国の宗教や現代の世界情勢に対しての考え方、例えば環境保全についてや世界的な脅威となった新型コロナウイルスを経験した人々の精神性などにもフォーカスすることは以前よりも重要となりました。
少なくとも以下の内容を押さえておくと良いと思います。
言語
宗教
食(ビーガン・ベジタリアン・フレキシタリアン・他宗教理由など)
性(LGBTQ+)
旅行者形態(ファミリー・カップル・学生・DINKs・ハネムーナー・シニア)
上記に挙げた5つのポイントは対象者が入店やサービスを受ける際に潜在意識と顕在意識どちらにもあるものです。
特に、「食」は宗教と密接しているため、レストランの入り口にハラルやベジタリアンフード取扱いのシール等の表示があれば、対象者は安心して入店し食事をオーダーすることができます。
しかし、現在の日本ではそういった世界動向に追い付いておらず、消費者にわかりやすい表示や理解が非常に少なく感じられます。
また、アレルギー対応においてはスムースに対応していただけても、ハラルフードやベジタリアンなどの食への対応は難しい表情で断られる、または仕方なしに要望に応じてもらうという場面が多々あります。
この時の対象者は複雑な気持ちになるでしょう。また、手配する旅行会社側は残念な気持ちになります。
日本人であればある程度その食事にはどんな食材が使用されているかが分かるので、事前にお店を選定することが出来ますが、外国人は日本の料理を何となくでしか判断できないこともあります。
年々増加傾向にある食に対する考え方の変化は、外国では多く認知・理解されており、ビジネスとしても成立しているコンテンツの一つです。
食事制限がある旅行者もそうでない旅行者も同じテーブルで食事を共にすることができ、お店を選択する自由があれば旅は一層楽しいものとなることは言うまでもありません。
参考:飲食事業者におけるベジタリアン・ヴィーガン対応ガイド
https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001335459.pdf
その他においては、サービス提供側(受入)が認知しているだけでも対象者にとっては安心して旅をすることができるポイントのひとつになりますし、実際に対応や配慮があれば期待以上の満足度を得られる可能性が高くなるため、リピーターや新たな集客へ繋がるポイントとなります。
以下はあくまでも例であり、一概には言えませんが、
1. 旅館や飲食店などでは、ファミリーとDINKsは別々のフロアや少々離れた席にする
2. 来店前後にアンケートを実施し、旅行客の「本音」を吸上げ、サービスに備えるまたは活かす
など。
それぞれの旅行客の「なぜ訪問してくれた」「なぜ自社のサービスを利用してくれた」のかを考え、心理を読み解くことは、直に接していなくても旅行者に寄り添ったサービスの提供と言えます。
また、結果的にサービスや商品そのものの価値を高める事にも期待できます。
まとめ
プロモーションや集客をするうえで、まず必要なことは相手を知ることです。これは大重要なポイントであり一番早い集客攻略でもあります。
「とにかく訪日外国人を集客したい!」というはやる気持ちもとても理解できますが、“おもてなし文化”を大切に生きてきた“日本人”だからこそ相手の気持ちや立場になり物事を捉えて各商品やサービスの提供ができるはずです。
“おもてなし”は一方的なGiveではなく相手が受取った際に嬉しいと感じてくれたことで初めて成立するものだと筆者は考えています。
それゆえに、旅行会社やサービス提供者は旅行者のニーズ・ウォンツを受け止めて、最大限の特別な旅を提供することに注力する必要があると思います。
また、旅行関連サービスにおいては、日本としてのベースやマナー(詳細に言うとその土地の慣習や雰囲気)を維持しつつ、それぞれの国が持つ宗教や食事への考え方や捉え方などに配慮する気持ちを大切にする必要があるかと思います。同時に旅行者もそれを受け入れるマインドを持ち合わせる必要もありますが、実際にはそれ自体が体験(Activity)や旅行経験(Experience)に繋がります。
今後FITがますます増加傾向にあるインバウンド旅行の中で、個の大切さが重要視されている現代、SIT(Special Interest Travel)に注力し、大袈裟かもしれませんが、旅行者の夢を叶えてあげられる存在としてプロフェッショナルである必要があると考えています。
ライター:カイトマウリ (JOINT ONE)
海外・訪日プロモーション専門広告代理店『インバウンド ONE』
海外インバウンドマーケティング情報マガジン『エの輪』
元記事 https://jointone.co.jp/archives/1167