転職エージェントを頼る前に、まずはキャリアコンサルタントに相談することから始めよう。
コロナ禍において、観光業や飲食業、サービス業を中心に、業績の低迷が続き、事業が立ち行かなくなってしまっている会社も増えてきた。
グループ内外への出向や、希望退職者の募集、賃金カット、採用活動中止など、あの手この手で傷口を必死に抑えているが、改善の兆しがなかなか見えない。
日本を代表する大企業でさえも、過去最大の赤字を出したり、雇用自体が守れなくなってしまっている状況が続いている。
そんな先行き不透明な中で、転職市場では求職者の登録が増えてきていると、少し前の日経新聞記事にも出ていた。
転職市場活況、求職者が増加(日本経済新聞 2020/7/20)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61735350Q0A720C2QM8000/
先行き不安だけでなく、新たな働き方を求める動きも広がっていて、テレワークやリモートワークが出来る会社の人気が高まっているそうだ。
コロナという外的要因により、急激に環境が変わってしまったことで、これまで転職を考えていなかった人も、考えざるを得なくなってしまったり、雇用は確保されるも給与削減や賞与カットなどの止血対応を食らい、安定した生活に陰りが見え始めて焦り出した人も少なくないだろう。
勢いや焦りで転職活動に動くのは、あまりオススメ出来ない。
もちろん、雇用の打ち切りが決まったなど、背に腹は変えられないという状況の人もいるであろうし、一概に言えることでは無いが、転職は慎重に行うべき活動である。
転職活動を行う際、多く利用されているのが人材紹介会社の転職支援だ。
担当の転職エージェントに相談し、ニーズにマッチした求人を複数紹介してくれて、求職者と企業をマッチングしてくれるサービスだ。
求職者は転職相談を無料で受けられ、紹介された企業に就職が決まると、企業側から人材紹介会社に紹介料として、想定年収の3〜4割が支払われる仕組みである。
そのため、転職エージェントとしては、求職者を紹介し入社が決まることで売上が立つので、仕組み的にも結果を求める上では、どうしても転職をオススメしてしまう傾向にある。
もちろんコロナ禍においても成長している企業はあるし、あなたに合ったオススメの求人も出ているかも知れない。
しかし、勢いや焦りでの転職には、少なからずリスクも伴う。
冷静な判断や客観的な視点での判断が出来なくなってしまい、身を置く環境を変えることに焦点が当たって、それが目的となってしまう。
そもそも大事にしていた働く上での価値観や、自分自身の可能性、そして守るべき家族の存在やこれからのことなど、本質的な部分が抜け落ちてしまうことも起こりえてしまうのだ。
そこでオススメしたいのが、転職エージェントとのコンタクトを取る前に、まずは中立的な立場のキャリアコンサルタント(キャリアカウンセラー)に相談をすることだ。
キャリアコンサルタントとは、2016年4月より創設された国家資格で、個々人の適性や職業経験に応じて職業設計を行い、これに即した職業選択や能力開発を効果的に行う専門家である。
キャリアコンサルタントが提供するキャリアコンサルティング(キャリアカウンセリング)は、個人の成長や発達という積極的側面に強調点を置き、個人が環境の中で効果的かつ自律的に機能出来るように支援する関わり方であり、コンサルティングを通して、自分自身の可能性や価値観を認識し、在りたい自分や理想に近づくためのアクションを明確にすることが可能になる。
転職というのはあくまで手段であり、目的では無い。
しかも選択肢のひとつでしかない。
いきなり、選択肢が限定された状態で、「転職」という選択肢ありきで求人を紹介され、その中から更に選択していくということは、本当に正しいプロセスなのか。
まずは、自分自身の持っている選択肢の全体像を知って、それを眺めて、かつ客観的な視点も加えて、その上で転職という選択肢が現状でベストとなれば、それをチョイスすればいいだけのことである。
転職エージェントを頼る前に、まずはキャリアコンサルタントに相談することから始めてみませんか?
HALERUというオンラインコーチング&カウンセリングのサービスで、僕もキャリアカウンセラーとしてキャリア支援をしています。
もしご興味のある方がいらっしゃれば、ぜひ一度サイトを覗いてみてください^^
*INAZUMAN*