見出し画像

【映画】イナズマイレブンザ・ムービー2025【イナイレ】


新しくなっていくイナズマイレブン

これまでイナズマイレブンが好きだった人
これからイナズマイレブンに触れる人
新作ゲームに向けての助走としての位置付けの作品である

円堂守率いる雷門中が全国大会を勝ち上がる
アニメ1期の内容をまとめた伝説のキックオフ(以下円堂編)
新作の主人公笹波雲明の物語の始まりを描く
新たなる英雄たちの序章(以下雲明編)
円堂編40分、雲明編60分の約100分で構成されている

内容

円堂編は前述の通り総集編
雲明編はゲーム内アニメ+新規カット
私は体験版をしっかりプレイしていたので
7割くらい見たことのある映像である
そのため目新しさは正直言ってなかった

それでも良かった!と思えるのは
劇場の音響をフルに活用してくれたこと
限られたリソースでの構成による面白さ

音の素晴らしさ

映画館でイナズマイレブンのBGMや楽曲を楽しめるだけでも贅沢なのに
全編新規アレンジが施されていて
一部楽曲はオーケストラ収録で音楽がグレードアップしている
そうそうこのBGMだよな!だとか
やっぱりここでこの曲かかるよな!という期待を
裏切ることのない楽曲たちには胸が熱くなった

セリフも全編新しく収録されており
声優の方々がこれまでの作品を経て
キャラクターに新しい息吹を吹き込んでいて
キャラクター達との再会を喜びつつも
より深くキャラクターを知ることができるようになっている

2in1

総集編40分:新作部分60分
最近は先行上映で1500円の特別上映みたいな形式もあるので
新作だけでも良かったんじゃないか?とも思うし
観てみると突貫工事感は否めない
ただ、それでも新作を盛り上げるための要素を出来るだけ詰め込む気概を感じた

このような2本立てになったのは
円堂世代の掘り起こしという商業的な意味を除けば
2つの物語の対比構造の面白さを提供しつつ
根底に流れる精神性が変わっていないことを示すことだろう

イナズマイレブンのエキスを凝縮

総集編は名場面集というか名言集のような形だ
仲間を集め、奮い立たせ、レベルアップさせてきた
そんな円堂守の物語に徹底的にフォーカスしている

限られた尺の中でイナズマイレブンのお約束も
視聴者に提示している

  • 無愛想なストライカー

  • かつての敵が仲間になる

  • 圧倒的な敵チーム…etc

こういったお約束をしっかり散りばめておくことで
ああ、桜咲って豪炎寺みたいな立ち位置なのね?
というのが視聴者にスッと入ってくる仕組みになっており
それだけでなくもしかしてこいつって仲間になる?
と新作がしっかり気になる構成になっていた

後半の主人公2人(雲明、ハル)の主人公像が際立つ
観終わった後には三者三様のサッカーへの想いがあり
サッカーの魅力から逃れることができないことがわかる構造だ

変わるもの変わらないもの

雲明編は透明感があり、少し暗い雰囲気から始まる
「サッカー嫌い」の主人公が出て来て
主人公も世界観も
これって本当にイナズマイレブン?と感じさせてくる

そんな真逆な世界で展開される物語は
視聴者に疑問を与えながらも目を逸せない魅力がある

「サッカーにはこの世からなくなって欲しい」と願う笹波雲明
サッカーが大好きな父を持ちながら
「サッカーってつまんなくない?」という円堂ハル
ファンからすれば拒絶されそうな世界観を提示しているが

本作を最後まで見れば、この世界への印象も2人への印象も一転する
雲明は円堂守と同じようにサッカーの道を征く決断をする
ハルは父のようにサッカーと、人と向き合えない難しさに直面する

サッカーが大好きなキャラクターたちと
一緒に悩み、成長する姿に胸を熱くする
そんなイナズマイレブンが帰ってきた!というワクワク感があった

初めてみる方にもイナズマイレブンってこんなに色が違うの?
と思って見ていくと根底に流れる精神性が共通していること
しっかり感じ取れる構成になっていたのではないだろうか

劇場を出た後、懐かしいという声と
新しいのはどこで見られるの?という声が
劇場から出た観客から聞こえてきたことからも
本作があって良かったなと1ファンとして感じた

必殺技とイナズマイレブン

イナズマイレブンの必殺技の立ち位置は特殊だ
その世界にあって当たり前の要素でありつつ
物語の流れを激変させるものでもある

イナズマイレブン=必殺技と思うファンも多いが
私はあまりそうは思っていない

イナズマイレブンの中の必殺技の役割は2つあると思っている

物語の転換点としての必殺技

1つは物語の流れを大きく転換させる
特訓、閃き→披露→逆転というお約束は物語の転換点として
幾度となくファンの心を熱くさせた

円堂編ではそういった必殺技の役割にフォーカスしている
ゴッドハンドとマジン・ザ・ハンドから
BGMで主題歌がかかり、雰囲気が全て雷門イレブンのものになる

チームの色としての必殺技

もう1つはチームや学校の色を示すための必殺技だ
主人公側から見れば攻略の対象であり
ファンから見ればそのチームの象徴となる

雲明編で必殺技は一切披露されない
唯一の試合である雷門vs北陽戦でも同様だ

雷門中と北陽の試合では
相手のチームの色を見せる隙すら与えない
帝国学園や世宇子の役割が
新時代の雷門中に移っていることを感じた

必殺技のある世界、ない世界

これまで築いてきた、イナズマイレブン=必殺技

そのイメージをあえて使わないことで
見る側がイナズマイレブンに囚われずに

南雲原のメンバーとの出会い
立ち向かうべき敵としての最強の雷門

必殺技がまだない世界に観る側を触れさせることで
雲明編における2本の主人公の序章を体感させている

今後ここにちゃんと必殺技が介入してくることを
映画の中で示唆しているのがニクいポイントだ

必殺技が出ないことに対する意見は色々あるだろうが
今後の展開が楽しみになるポイントになっている

イナズマイレブンは”今”

ゲームでは過去のキャラクターも
今の仲間としてチームに加えることができる

映画で出会ったあのキャラもこのキャラも
今の私たちの仲間になるかもしれないのだ

この映画を見て、気になったキャラがいれば
彼、彼女と一緒にピッチをかけることができる

この映画を見てイナズマイレブンを初めて見る
これまでのゲーム、アニメシリーズに触れる

あなたがイナズマイレブンのどこにいても
それがあなたの今のイナズマイレブンであり
ゲームでは今のキャラクターと一緒に遊ぶことができる

今、あなたはイナズマイレブンを一番楽しめるポイントにいる

【PV】『イナズマイレブン 英雄たちのヴィクトリーロード』PV7
https://www.youtube.com/watch?v=K5oNI0ZRkpc

映画を見た人、まだ見てない人も
これからぜひイナズマイレブンの世界に飛び込んでほしい

サッカーやろうぜ!

イナズマイレブン・ザ・ムービー2025

ポスター

映画 イナズマイレブン総集編 伝説のキックオフ
制作年:2024年 制作国:日本
OLM制作
構成・脚本:日野晃博
劇場版 イナズマイレブン 新たなる英雄たちの序章
制作年:2024年 制作国:日本
MAPPA制作
総監督:日野晃博

https://eiga.com/movie/102387/
https://eiga.com/movie/102388/

いいなと思ったら応援しよう!