見出し画像

絶望と・・・

20230511

昨日はルアーをロストしたから、今日は気をつけよう。仕事が終わったら速攻昨日のポイントへ行って、いろいろ試してみよう。

昨日が散々な釣行だったためか、なぜか今日は調子が良いんじゃないかと謎の余裕を感じながら、
仕事をこなしていく。

結局こなしきれず21:00頃まで残業しちまったが、ここから4〜50分かけて家へ帰り、10分で準備し、チャリを借りて目的地まで行くのに更に10分くらいか…まあ釣りができないことはない。晩飯は釣りの後でいいだろう。

 そうして俺は昨日の雪辱を晴らすため、昨日と全く同じポイントへ向かった。
そのポイントは中之島の最西端、川がこの島を避けるように二股に分かれており、そのお股部分の対岸北側に位置している。しっかりドブ臭い割には、川辺から幅員4メートルほどの道は公園のウォーキングロードのようにきれいに舗装されていて、そこへチャリで侵入するためには必ず警備員のおっさんの目の前で一旦自転車から降りて、チャリ止め用のポールの間を通っていく必要があった。もしこのおっさんが昨日と同じ人で、「なんかこいつ昨日の夜中も来てたな」とか思われると恥ずかしいので、そのおっさんを通過して他の侵入経路がないか探した。
どの入り口も階段ばかりで重いレンタルバイクでは突破不可だったため、結局最初の場所へ戻り、あのおっさんに見つめられながら川岸へ向かった。

今日は何のルアーを使おうか。昨日はジグヘッド(ずるずるチーヌ7g)とワーム(クレイジーフラッパー)をロストしたから、今日はダイソーのメタルジグバイブを使ってみることにした。
100円のルアーなら万が一またロストしてしまったとしても、受けるショックはかなり小さいからだ。

暗がりの中、街灯だけでは心もとないためAmazonで買ったヘッドライトを装備しながら下糸とリーダーを電車結びで結び、リーダーとルアーを電車結びしていく(電車結びしか知らない)
よし、結べた。早速投げよう。竿を持ち上げた瞬間、ラインをまだガイドに通してなかったことに気づく。たまにやっちゃうんだよなあ。仮にも社会人がこんな初歩的なミスをして良いのだろうか。暗い気持ちになりながら結びたてのリーダーを切り、ちゃんとガイドを通してからもう一度メタルバイブを結んでいく。
(今ので無駄にリーダーを消費してしまったな…)
更に暗い気持ちになりつつも、いよいよ本日の一投目!
バヒョン
シャルルルルル
おかしい。
なぜ既に"ルアーをロスト"しているんだろう。
メタルバイブのボディが夜空にきらめいたと同時に、手元はいつも通りものすごいバックラッシュが起きている。
おかしい。
ベイトリールを買った初日くらい、投げるたびにトラブルが発生している。ただのバックラッシュや根がかりならわかるが、ルアーがラインから外れるのはなぜだろう。
こんなことは今までほとんどなかった。

考えられる可能性は以下の4つ。 

1.俺の電車結びが弱い
2.俺のPEライン0.8号が細すぎる
3.俺の投げ方とリールのブレーキ設定が悪い
4.昨日ライン巻きを頼んだ釣具屋の店員が何か仕組んでいる


このリールのイカレっぷりはどう考えても4番目の理由しか考えられない。
カウンターでリールを手渡した時のあの店員の薄ら笑い。当時何か心に引っ掛かるものがあったが、今ではそれが脳裏に焼き付いて剥がれなくなっていた。たった100円の被害額でも、この結果が奴の思う壺だとすれば、今失ったダイソーメタルバイブがなぜかだんだん自分にとってとても大切なものだったかのように思えてきた。
悔しい。
だが、仕方ない。

リールがダメなら別のことに時間を有効活用しなければ。
そういえば昨日から投げていた場所の隣は橋の真下で、立ち入り禁止のフェンスが立っているのだが、その先は川を隔てる柵がなくこちら側より陸と水面が近いため、そっちの方が釣りやすそうだなと思っていた。今日はそこを少し調査して帰ろう。
フェンスを越え、奥へ進む。
より暗くよりドブ臭くなったが、そのぶん魚も釣れそうだ。
上方から視線を感じる。
橋を見上げると、さっきの警備員のおっさん
数秒の睨み合いが続き、俺はサッと踵を返してフェンスをよじ登って帰った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?