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市場のクジラ『GPIF』

お疲れ様です。
『老後2000万円問題』と騒がれていたのも懐かしく感じますが、老後の生活や年金への不安を抱いたままな方もいると思うので、今回はその年金の一部を管理・運用している『GPIF』について改めて見ていきましょう。

【ポイント】
♦︎GPIFは公的年金の一部を管理・運用してる組織のこと
♦︎GPIFは長期分散投資を前提としている
♦︎『市場のクジラ』であるGPIFは金融市場に大きな影響を及ぼす



1・GPIFとは?

GPIFとは
厚生労働省から委託されて、公的年金の一部を管理・運用している組織のことです。

正式名称は『年金積立金管理運用独立行政法人』『Government Pension Investment Fund』の略称で『GPIF』と呼ばれています。
また、GPIFは『市場のクジラ』と呼ばれていて、約290兆円を運用する世界最大級の機関投資家でもあります。
他にも日本銀行やゆうちょ銀行など、GPIFを含めて5頭のクジラが日本の金融市場にいるとです。

ただ、GPIFは『年金」と聞いてイメージする日本年金機構とは異なる組織なので注意が必要です。

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2・GPIFの役割

最初でも言いましたが、GPIFは公的年金を管理・運用している組織です。
そして、公的年金は『世代間扶養』という考えのもと成り立っています。
世代間扶養とは、現役世代の納める保険料をもとに高齢世代の年金を支給する『世代間の支え合い』のことです。
少子高齢化で現役世代が減ってしまっているので、年金を運用して増やすことはとても重要というか、ないと困る大切な存在だと言えます。

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3・日本の年金制度

日本の年金制度は『公的年金』と『私的年金』の2種類に分けることができます。

♦︎公的年金:国民年金(全員)、厚生年金(会社員・公務員など)
♦︎私的年金:国民年金基金、iDeCoなど

この中で、GPIFが管理・運用しているのは公的年金の中の『年金積立金』となります。
年金積立金とは、現役世代が納めた年金保険料のうち、年金の支払いなどに充てられなかったお金のことです。
年金積立金を運用することで、将来的に減ってしまう年金保険料を補う財源とすることを目指しています。

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4・GPIFの運用目標

GPIFは長期的な運用目標を『賃金上昇率+1.7%』と設定しています。
それは年金財政を安定化させるためです。

公的年金の保険料収入と年金給付は賃金水準に応じて変動し、国庫負担は給付額に応じて変動します。
なので、年金積立金の運用益が賃金上昇率を超えることが出来れば、年金財政を安定化させることができるとです。

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厚生労働省が定めた実質的な利回り目標の1.7%を超えれば目標達成になります。



5・GPIFの運用方針

では、どうやって『賃金上昇率1.7%』を達成していくのか?

GPIFは基本的に『長期』かつ『分散』での投資を行っています。
短期的に大きな利益を狙うより、みんなの年金を安定的に運用することを目指しています。

長期的に資産を保有して、安定的な収益を狙う『長期投資』と、資産を分散して保有することでリスクを抑える『分散投資』を組み合わせています。


〜GPIFのポートフォリオ〜

GPIFはどのような商品に投資しているのか?というと、GPIFの資産ポートフォリオは以下の方針になっています。

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乖離許容幅とは、基本的なポートフォリオから許容できる乖離範囲のことです。
資産は時価で変動しているため、ポートフォリオ通りのバランスにするために何度も売買を行うのは非効率です。
なので、小規模の乖離であれば許容してもいいという範囲を設けて、売買コストを抑えています



6・GPIFに関するトピック

注目トピックを見てみます。

♦︎2015年に国連責任投資原則への署名
♦︎2020年度は過去最高益を記録
♦︎人民元建て中国債への投資を見送り


♦︎【2015年に国連責任投資原則への署名】
GPIFは2015年に国連責任投資原則(PRI)に署名しています。
『市場のクジラ』であるGPIFの署名によって日本の金融市場でもESGが注目されるようになりました。
GPIFの動向が他の投資家に大きな影響を与えたということですね。
ESG投資について深く知りたい場合は、
https://note.com/inashi_bel/n/n19b10ca08834
こちらもよかったら見て下さいな。


♦︎【2020年度は過去最高益を記録】
GPIFは2020年度に過去最高益の約37兆円の収益を記録しました。
その中から国庫に約1.5兆円を納付しており、運用開始から累計で16.8兆円も納付しています。

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マイナスも出ている年もありますが、全体で見るとプラスの成果が出ています。
2021年10月時点では年率『3.70%』で運用されています。


♦︎【人民元建て中国債への投資を見送り】
より安定的、より効果的に収益を獲得することを目指すGPIFは、2021年9月に『当面、中国の人民元建て国債へ投資しない』との方針を打ち出しました。
中国の不動産大手『恒大集団』の債務問題が話題となっている中、このような方針は市場で大きく注目されました。
人民元建て以外の中国国債への投資は今後も継続するそうです。


最後にもう一度ポイントおさらいします。

【ポイント】
♦︎GPIFは公的年金の一部を管理・運用してる組織のこと
♦︎GPIFは長期分散投資を前提としている
♦︎『市場のクジラ』であるGPIFは金融市場に大きな影響を及ぼす

GPIFの動向は市場に大きな影響を与えますので、しっかりと把握しておくことは大事です。

それでは、
今週も適当に頑張りましょう。

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最後まで御拝読ありがとうございます。
皆様の何かのキッカケにでもなれば幸いです。
ここでは『お金』『投資』『マインド』などを書いています。
『お金』は人生の全てに関わってきますので、そこの問題を解決すれば自分も周りの人も自分の望んだ人生が送れると思いのもと書いています。
気張らず『へぇー』くらいで見て頂けたら幸いです。

🐶今回のイッヌ🐶
まだ暖かいので機嫌は良いらしい🐶

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