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自社株買い
お疲れ様です。
今日はバリ天気良かったですね☀️
でも明日からしばらく雨予報でジメジメが続き、髪セットが決まらない日も続きそうです。
これまでは投資家目線での内容が主でしたが、今回は株式を発行する側(企業)が行う『自社株買い』についてみていこうと思います。
『自社株買い』とは
企業が発行した株式を市場から買い戻す行為です。
市場全体に流通する株式の総数が減少するため、1株あたりの価値が向上します。
何故向上するのかというと、企業の経営状況が改善されるため、自社株買い後は株価が上がりやすくなります。
投資家にとっては、自社株買いによって株価上昇の恩恵を受けられるため、見逃せない情報です。
ただし自社株買いによって必ず株価が
上がるわけではないので、注意が必要です。
なので、自社株買いの『意味』『目的』『注意』を改めてみていきましょう。
1・自社株買いとは
自社株買いとは、
過去に発行した
自社の株式を市場から買い戻すことです。
自社株買いをした分、市場に流通する自社の株式は減少、1株あたりの価値が上がるため、株価が上昇します。
自社株は証券取引所を通じて株式を買い戻すので、そのための資金も必要です。
自社株買いをするために資金は、企業の当期純利益(税引後利益)や利益剰余金などが使われます。
日本では原則自社株買いが禁止されていましたが、1994年(偶然にも私の生まれ年)の商法改正によりストックオプションなど特定の目的では実施ができるように緩和され、2001年には目的を定めずに金庫株として自社株を保有し続けることも可能になりました。
自社株買いが行われる場合、事前に投資家へ向けた発表があり、自社株買いの期間や取得総額が公表されます。
<例えば>
自社株買い発表後の[6533]アイモバイルの株価と出来高の推移
23日の株価は前日比で14円の値上げ、
出来高は7倍近くに増加しました。
まだ自社株買いが行われていないにも関わらず、自社株買いが株価に大きな影響を与えることが分かります。
株価が上昇すれば、株主は株を売ることで売却益(キャピタルゲイン)を得られます。
では何故、自社株買いで株価が上昇するのか?
自社株買いで株価が上昇する仕組みについてみていきましょう。
2・自社株買いをするとROEが上昇
自社株買いをすると、株価が上がりやすくなります。
その理由は
市場に流通する株式総数が減少したことで
『ROE』が上昇するからです。
ROE=企業が株主から集めた資金を使って、どれだけ効率的に利益を上げているか?がわかる指標です。
(ROE(自己資本利益率)=当期純利益÷株主資本で求められます)
株式資本によってROEは次にような違いがでます。
上記画像のように
A社とB社が当期純利益10億円を上げた場合
より少ない株主資本で同じ利益を上げたB社の方がROEは高く、
『効率的な経営が行えている』と言えます。
ROEが高いほど株主の評価も向上します。
ROEが高いと自然と人気が高まります。
企業の人気が上がれば、
結果的に株価も上昇するという流れです。
3・配当金と違い、自社株買いは会社にもメリット
自社株買いのメリットは
株価上昇による株主還元です。
しかし株主還元の方法としては自社株買い以外に配当金があります。
配当金では『1株あたり何円』という形で、株主にお金を直接配布し、配当金で受け取る金額は配当利回りによって企業ごとに決められており、配当利回りが高いほど多くの配当金を受け取れます。
『配当金』と『自社株買い』という
2つの株主還元策を企業は使い分けているのか?
それは自社株買いが
企業側にとってもメリットになるからです。
代表的な企業側のメリットは
『ストック・オプションへの利用』
『敵対的買収の防衛』
⭐️自社株買いで取得した株式を
『ストックオプション』に利用
自社株買いした株式の使い道として
『ストックオプション』があります。
ストックオプションとは
従業員が自社の株を予め定められた価格で購入できる権利のことです。
例えば、現在の株価が1株1,000円である時に、社員へストックオプションを付与します。
その後企業の業績が伸び、株価が1,500円へ上昇。
社員は1,000円で株を購入できる権利を持っているため、1株あたり500円の利益を確実に獲得できます。
株価の上昇は社員にとっても利益ですので、ストックオプションは従業員が業績を上げるためのインセンティブの役割にもなります。
⭐️自社株買いで敵対的買収を防衛
敵対的買収を防ぐ手段として、
自社株買いが用いられることがあります。
敵対的買収とは
企業の経営者の同意を得ずに行われる、友好的ではない買収のことです。
買収社は経営権の取得のために、過半数の株式取得を目指すことが多いです。
『自社株買いによって株価が上昇すれば、
買収資金が大きくなります』
また自社の持株比率が高まるため、
敵対的買収を行いにくくなるのです。
4・自社株買いのデメリット
自社株買いは企業と株主の双方にメリットをもたらしますが、デメリットも存在します。
主なデメリットは
『自己資本比率の低下』による財務体質の悪化です。
♦︎自己資本比率とは
企業が保有する総資産のうち、自己資本の割合を表すもので、企業の『安全性』を測る指標の1つです。
♦︎自己資本とは、返済する必要のない資金のことです。純資産とも言いいます。
株主から調達した『株主資本』と内部留保の合計で、返済義務のある『他人資本』と対を成します。
自社株買いによって株式(株主資本)が減ると、自己資本比率も低下するのです。
業種によって異なりますが、
自己資本比率が20%を下回ると、
危険水域にあると言われています。
元々、自己資本比率が低い企業が自社株買いを行うと、自己資本比率が20%を切る可能性もあるので注意が必要です。
5・自社株買いで必ず株価が上がるわけではない
自社株買いは株価上昇をもたらす傾向にあるため、うまく活用しれば恩恵を受けることができます。
過去に自社株買いを行なったか?は、
企業のキャッシュフロー計算書に記載の
『財務活動によるキャッシュフロー』を確認すれば分かります。
キャッシュフロー計算書とは
企業の現金の流れを示したものです。
ただし自社株買いが行われても、
株価が必ず上がるわけではありません。
自社株買いで取得した株式は『消却』『処分』されます。
♦︎消却とは
取得した自己株式を完全に消滅させることです。
発行済株式数の総数が減少するため、1株あたりの利益が高まります。
♦︎処分とは
取得した自己株式を売却することです。
発行済株式の総数が元に戻るため、1株あたりの利益も元に戻り、株価の下落に繋がります。
自社株買い後、
株式が『消却』されると株価が上昇しやすくなりますが、
株式が「処分」された場合、株価下落の可能性が大きくなります。
自社株買いを実施した企業の情報は、その後もよくチェックする必要があります。
ただし、ストックオプションとして活用するための自社株買いの場合、買い取った株式は金庫株として保有されます。
金庫株として保有されると、消却も処分もしない状態で企業が保有し続けるのです。
【まとめ】
自社株買いによって、市場に流通する株式が減少しますので、1株あたりの価値が上がり、株価も上がりやすくなります。
自社株買いは企業の財務改善以外にも、ストックオプションへの利用や敵対的買収への対策など、様々な理由で行われます。
投資家にとって自社株買いはお得な情報ですが、必ずしも株価が上がるわけではありません。
大切なのは自社株買いをした後です。
企業が株式を『消却』するのか『処分』するのかによって、株価は大きく変動します。
自社株買いに関する企業の情報には注視しておきましょう。
それでは
週末も適当に過ごしましょう
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最後まで御拝読ありがとうございます。
皆様の何かのキッカケにでもなれば幸いです。
あざした。
🐶今回のもふもふ🐶
おらおらなスティッチ🐶