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東証の市場再編

お疲れ様です。

YouTube『お文具のアニメ』に出てくるプリンさんが言う「いいよぉ〜」の言い方にハマっている今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。

今回は私達の仕事場である『東証の市場再編』について改めて見ていこうと思います。
今は東証一部、二部、JASDAQスタンダード、JASDAQグロース、マザーズなどの5市場がありますが、これが3つの市場にまとめられます。



1・5市場が3市場

東京証券取引所では2022年4月4日から以下のような市場区分『プライムレート』『スタンダード』『グロース』の見直しを予定されています。

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「何故、市場区分が変わるのか?」というと、

『東証一部企業の数が増えすぎて、
日本の最上位市場として質の低下が起きている』
ことが原因とされています。

実際、東京証券取引所が公表した資料でも
『国内外の多様な投資者から高い支持を得られる魅力的な現物市場を提供することを目的として、3つの市場区分に見直す』と記載されています。



2・一部上場企業の質の低下

2021年現在、東証一部に上場している企業数は約2,191社となっており、以下のグラフの通りに増加傾向が続いています。

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ですが、一部上場企業の
♦︎約33%(734社)は時価総額が250億円を下回っている
♦︎約46%(1,012社)のPBRが1を下回っている
など、一部上場企業の質の低下が問題となっています。

ちなみに、時価総額250億円はプライム市場の新規上場基準にもなっています。
そして、『PBRが1以下』ということは、上場を続けるよりも解散して会社を売却した方がお得ということでもあります。

*【PBR】=株価÷1株当たり純資産=企業の株価の割安さを測る指標。
*【PBRが1倍割れ】=その企業の本来の価値よりも安い値段で株を買えるので、割安であると考えられます。ただし、赤字・業績悪化による1倍割れの場合もありますので注意が必要です。

一部上場企業の質を担保できないまま、企業数のみ増えてしまったのは、一部上場基準・一定基準・マザーズからの市場変更基準・上場廃止基準に違いがあったためです。

2020年までは、以下のような基準の違いがありました。

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直接上々するときは時価総額が250億円以上なのに、二部やマザーズからの一部上場は40億円だけで良かったのです。

マザーズに上場してから一部へ市場変更する企業が増えたため、一部上場企業数は膨張していきました。

上場廃止基準や二部への指定替え基準も低かったため、東証一部に上場してしまった後に時価総額が低くても企業へのプレッシャーがほとんどない状態となっていました。

しかも、
東証一部上場企業は全て『TOPIX』に組み込まれているため、企業価値が低く、改善に向けた努力もしていない企業までインデックス運用の資金が流れ込んでしまう弊害も起こっています。



3・市場区分見直しのスケジュール

①21年春〜:コーポレートガバナンス・コードの改訂など『第三次制度改正』要綱公表
②21年6月30日:移行基準日
③21年7月中:移行基準日における数値を上場維持基準と照らし合わせ、判定結果や必要手続きを東証より上場会社へ通知
④21年9月〜12月:上場会社による新市場区分の選択申請に係る手続き
⑤22年1月中:移行日に上場会社が所属する新市場区分の一覧を東証がウェブサイトで公表
⑥22年4月4日:新市場区分へ移行

投資家にとって、21年6月30日22年1月中が要注目です。



4・新市場区分の上場基準

プライム、スタンダード、グロース各市場での新規上場基準は以下の通りです。

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市場区分では新規上場基準と上場維持(廃止)基準は原則共通になります。

また、以前のような指定基準や市場変更基準も存在しなくなるため、市場変更をする際でも新規上場基準と同等の基準をクリアする必要があるのです。



5・流通株式の定義見直し(重要)

今回の市場再編では売買のしやすさ向上とガバナンス改善の視点から、流通株式比率と流通株式時価総額の基準が明確に定められています。

そして以下のように流通株式の定義見直しも同時に行われたです。

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赤字が今回新設された部分です。

特に注目してほしいのは『国内外の普通銀行、保険会社、事業法人等が所有する株式』という部分です。

今までは企業間の持ち合い株や政策保有株式が10%未満であれば流通株式としてカウントされていましたが、今回の市場区分見直しでは非流通株式となってしいます。

なので、持ち合いとか政策保有している企業は結構たくさんあるので、影響が大きいのです。

政策保有株式やグループ内での保有が多い企業は、徐々に売ってもらう必要が出てきます。

もちろん流通株式比率だけでなく、流通株式時価総額100億円(プライム)を達成するためには、株価向上につながる積極的なIR活動・成長のための事業運営をしていく必要もあります。



6・投資家や株価への影響

投資家にとっては大きな3つの影響があります。

①TOPIXが変わる
②コーポレートガバナンスの改善
③株主優待が廃止される


①TOPIXが変わる

市場再編に伴い、東証一部の全銘柄を組み込んでいるTOPIXにも変更が生じます。

2020年12月に、東証は以下のような方針を発表しました。

♦︎TOPIXは市場区分として切り離し、市場代表性に加え投資対象としての機能性のさらなる向上を目指す。
♦︎多額のパッシブ連動資産や市場への影響を考慮し段階的に移行
♦︎移行案の確定は2021年3月末を予定(通過済)
♦︎構成銘柄のうち、流通株式時価総額100億円未満の銘柄(移行基準日で算出した値)について「段階的ウエイト低減銘柄」とし、2022年10月末日から四半期ごとに10段階で構成比率を逓減

TOPIXの構成銘柄から外れてしまう企業はインデックス(パッシブ)型の投資信託・ETFの投資対象から除外されるため、株価にとってマイナスインパクトになってしまいそうです。


②コーポレートガバナンスの改善

もう過ぎましたが、21年春にコーポレートガバナンス・コードの改訂がありました。
これは、プライム市場では独立社外取締を3分の1以上にするように求められる方向になっています。

ガバナンス改善によって企業価値向上に向けた取り組みが発展していけば、投資家にとってプラスの影響が大きいです。


③株主優待が廃止される

今回の市場区分見直しでは上場基準での必要株主数が減少します。

そのため、株主数を増やすために株主優待を導入していた企業(特に東証一部だった企業)の優待廃止が増える可能性があります。

そもそも、『優待よりも配当のが良い』という海外の投資家は多いからそっちに寄せていくかもですね。


それでは今週は4連休が待っていますね。
あまりハメを外さないように、適当にがんばりましょう。


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最後まで御拝読ありがとうございます。
皆様の何かのキッカケにでもなれば幸いです。
🐶ここでは『お金』『投資』『マインド』などを書いています。
『お金』は人生の全てに関わってきますので、そこの問題を解決すれば自分も周りの人も自分の望んだ人生が送れると思い、書いています。
気張らず『へぇー』くらいで見て頂けたら幸いです。

🐶今回のイッヌ🐶
寝てるところを起こされたベル💤

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