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日本的なビジネスマナー

 ある生徒さんから、こんな相談がありました。日本に出張に行くことになったが、「ビジネスマナー」のアドバイスは何かないか?とのこと。私もその場でいくつか挙げて説明しましたが、よく思い出し、そしてよく調べてみると、あまりにも多くのマナーや習慣があるのだと気付きました。

★ まずは名刺の渡し方。ペコペコお辞儀をしながら渡し、天空高く奉タテマツるかのようにありがたく受け取り、面談中は席順通りにテーブルの上に名刺を並べ、名前と顔を確認しながら話していく。

★ 着席の位置や座る順番に注意する。地位の高い人が上座カミザで、もちろん先に座る。顧客側(=バイヤーや代理店など)とその反対(=サプライヤーや業者など)でも変わる。またイベントなどで、接待する側(=ホスト側)とされる側(=招待客側)でも変わる。

★ 相手や周りにお酌をするかしないか、配慮する。ただし最近は、自分が飲みたいものを好きな時に選び、自分で手酌テジャク(=ほぼ死語?)をすることも多い。特に女性がすべきという考え方は、差別と解釈される恐れがある。

★ 自分の長所を指摘されたときは「とんでもないです」、日本語を褒められたときは「いえ、まだまだです」と謙遜する。基本的に自慢はせず(=もちろんセールスは別!)、自分を低めて相手を立てる。

★ 謙遜だけでなく、基本的に自分の意見をはっきり言わない。つまり「本音と建前」を使い分ける。まずはその場を和ナゴやかに収め、機会を探って柔らかく反論したり断ったりする。

★ 相手を「あなた」と呼ばない。役職、名前+役職、〇〇さん(場合によっては〇〇様)が基本。上級編では、掌を上にして相手を指し、「如何ですか?」などと言う(→ただしやんわりと笑顔で!)。

★ 約束時間の5~10分前には、訪問先の受付に到着する。15分前は逆に早過ぎて相手に迷惑になる。

 ★ 促されるまでは勝手に座らない。自分のカバンや私物は、テーブルの上にも隣の空席にも載せず、自分の足元(=つまり床)に置く。椅子を引いて座ったら、最後にその椅子をテーブルの下に戻す。

★ 相づちを打つ。「えぇ、えぇ。そうですね。はい、はっ、はい~。なるほど、その通りですね・・・」

 ★ 本当に自信のあること以外は「できる」と言わない。持ち帰って社内で検討する、あいまいにして逃げる、のが日本式。そもそも、日本語によるコミュニケーションは無駄な応答や確認がヒジョウ~に多い。

★ まずは謝罪(に近い意味の言葉)を述べてから説明を始める。例: 分かりにくい表現で大変申し訳ないのですが・・・

 すべてが「日本的なマナー」とは言えないのでしょうが、日本人である私が驚くほど本当に多くの習慣があります。個人的に私は、海外の方々から「自分が悪くないのに謝らなければいけないのはおかしい!」と言われたことが何度かあります。ただ、もちろん今後は変わっていくのかも知れませんね。

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