ひゃっくり
ずいぶん前の話ですが、ある日本語学習者から「『ひゃっくり』が止まらなかった」と言われたので、「それは『しゃっくり』ですよ」と伝えました。するとその方、「(別の)日本語の先生から『ひゃっくり』だと聞きました」とのこと。私はとても驚きました。そして、調べてみました。
「しゃくる」とは元々、引く、すくう、えぐるなどの意味があり、「泣きじゃくる」と言えばご存知、「ヒックヒック」と声を吸い上げるような泣き方のことですよね。
ところが、辞書などにはほとんど表記されていないものの、「ひゃっくり」もあながち間違いではないそうです。特に、その時に出る「音」から、むしろ「ひゃっくり」の方が適切かも知れないとさえ思えてきました。そうなると、「おにぎり・おむすび」の差と同様、人によって「私はこう言う」で済ませてよいのかも知れません。
また、日本語教師には割と知られた話ですが(→検定試験対策でも必ず勉強するので)、「かたつむり」は地方によって非常に多くの呼び方があるそうですし、絆創膏(バンソウコウ)の呼び方も「商品ブランド」によって全国で数種類はあるとされています。
私と同郷(=小田原市出身)の二宮尊徳(幼名:金次郎)さんが背負っていたあの薪(タキギ)を乗せる道具、私は個人的に背負子(ショイコ)と呼んでいましたが、きっと日本全国、多くの呼び名があることでしょう。ただし、今の世の中に存在しないものですから、すべて「死語化」しているはずです…
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