コミュニケーションで使わないようにしている曖昧な表現
よくフィードバックをくれる仲間が職場にいて、自分でも気づかずに使ってしまっていた曖昧な表現を指摘され言い直しを考えることがある。
たとえば、そのままでも会話や検討は進んでいくが、認識齟齬をうむ原因になったり、望まない結果に辿り着きやすくなるので、出来るだけ使用を避けるか言い換えるようにすることがよくある。
リモートワークが増え、テキストコミュニケーションの機会が増えたことで発言内容を書き直せる(訂正できる)状況も同時に増えることが、これらの曖昧な表現に気づくきっかけを与えてくれたのだと思う。
「ちゃんと」「しっかり」
障害の再発防止策を考えたり、組織上の課題解決策を考えてる時に使いがちな言葉。意識しないと「ちゃんとレビューする」「しっかり見直す」とか息をするように口から出てきてしまう。
だいたいの場合、解くべき問題の深掘りが足りない状況のことが多いので、因数分解したりロジックツリー書いたりしながら書き出してみるとどうすればいいか見えてくることが多い。
「なんとか」「いい感じに」
「なんとかやりきりましょう」「いい感じに整理しておいてください」なんて言葉も、かなり言いやすい。特に僕にとっての懸念はなく相手に細部の検討やタスクの推進を任せたい時に使ってしまう。
任された相手が動きやすいのは「なんとか」「いい感じに」という指示ではなく、以下のような境界線を示すべきだ。
やらなければいけないこと・やってはいけないこと(MUST, MUST NOT)
やるべきこと・やるべき出来はないこと(SHOULD, SHOULD NOT)
やってもいいこと・やらなくてもいいこと(MAY, MAY NOT)
ただし、全部をいちいち箇条書きにして伝えるようなことは時間の都合で難しい。ドキュメントを用意することや、前提知識のすり合わせ、関係性を構築して認識合わせが行われていれば省略することができる。
「とりあえず」「一旦」
「とりあえず今回はレビュー出すまでお願い」「一旦これで完成としますか」という使い方が頻出。
時間が限られた中で結論っぽい話に移りたい時に使いがちだ。
「とりあえず」「一旦」を使うことでどこか自分か相手を納得させる意図が含まれているが、何を根拠にその意思決定をしたかが残らないので後日困ることが起きる。
検討を打ち切らなければいけないのであれば、理由と状況を伝え、意思決定の主担当により最終決定を行い先に進める形の方が良い。
結局、どの言葉も発言者である僕がちゃんと考えていないから発生する言葉なのだ。相手に考えてもらいたいことを依頼する際にも、5W1Hを区切って指示することはできるし、抽象化した期待値を伝えることはできる。
万が一自分の意思を反映させるべきではない連絡の場合は、事情を合わせて伝えればよく、先述の曖昧な表現でお茶を濁す必要はない。
ここまで書いたけど、きっと例外なくケースもあると思う。どうしても使わなければいけない時は無理せず使えば良い。
少なくとも自分の発言に意識的であり、大部分を相手の解釈や判断に委ねるような寄り掛かったコミュニケーションをとらないように努力できる人でありたい。