皐月賞
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1~2角が速い。向こう正面も楽ができない。
それでいて、急坂も減速を抑えられる。そりゃ皐月賞馬は強いわけだ。
▼中山2000m戦の結果とクッション値
葉牡賞 36.2-49.8-34.4=2.00.4 / 10.2
ホーS 35.4-48.9-35.9=2.00.2 / 9.0
京成杯 35.6-50.1-34.8=2.00.5 / 10.1
弥生賞 35.2-49.5-35.1=1.59.8 / 8.9
皐月賞 34.9-48.6-34.9=1.58.3(過去平均)
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皐月賞で求められる「1000m59秒台のレースラップ経験」は重要。
該当馬は、マイル戦では後方位置取りが多く、距離適性とペース耐性を表している。経験がない組も、どんなに遅くとも1800m以下で60秒フラットがボーダーライン。前走のペースよりも、これまでの経験値が大事。
▼1000m通過59秒台以下経験馬
・メイショウタバル
・エコロヴァルツ
・シリウスコルト
・ルカランフィースト
・ジャンタルマンタル
・ホウオウプロサンゲ
・コスモキュランダ
・シンエンペラー
・ダノンデサイル
・ウォーターリヒト
▼前哨戦
〇京都2歳S
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黄色:皐月賞平均
1000m通過59.1は、近10年で最速だった60.4を1秒以上短縮する超激流。それに引っ張られて全体時計が出やすかったが、翌日3歳以上1勝Cよりも1秒速い好タイム。
ちなみに、京都2歳S出走馬の次走は、
・[3-3-2-4]
・人気を上回る&人気通りだった馬が12頭中8頭
・G1連対、京成杯勝ち、1勝C勝ち2頭
とハイレベル。
過去 36.4-50.5-34.8=2.01.7
結果 35.0-48.9-35.9=1.59.8
〇ホープフルS
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黄色:皐月賞平均
テン3F35.4、全体2.00.2は史上最速。
勝ったレガレイラは激流の前を行かせ後方から。4角はやや窮屈になりながらも持ち前の爆発力で優勝。ラストのグラフの傾きがそれを物語る。
過去 36.6-48.5-36.4=2.01.6
結果 35.4-48.9-35.9=2.00.2
✕京成杯
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黄色:皐月賞平均
緩急の効いた3F戦。
開催通じて高速馬場の中、前日の軽い雨雪から回復した芝。全体時計は近年最速も、前日未勝利戦よりも0.3秒遅いもの。中盤50秒台は弥生賞並みの緩さで、皐月賞に向けて追走力の課題がある。
過去 36.5-49.6-35.7=2.01.8
結果 35.6-50.1-34.8=2.00.5
〇きさらぎ賞
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黄色:皐月賞平均
前半速めからラスト2Fの急加速戦。
逃げ馬がラストに11秒前半を連発する中、大外から差し切ったビザンチンドリームは見事。時計がかかっていた京都で、勝ちタイム1.46.8 は16年サトノダイヤモンドを0.1秒上回る好時計。
過去 36.3-37.1-34.9=1.48.3
結果 35.6-36.8-34.4=1.46.8
✕共同通信杯
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黄色:皐月賞平均
歴史的スローの前残り戦。
多くの馬がアンコントロールになり、再現性の低い特殊なレースで、皐月賞とは逆質。燃費の悪い高瞬発力は、馬に想像を超えるダメージを与える。
過去 36.3-37.0-34.1=1.47.3
結果 37.3-37.6-33.1=1.48.0
△弥生賞
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黄色:皐月賞平均
16年に記録されたマカヒキのタイムを0.1秒上回る記録。
特に、前日までの稍重から回復したクッション値8.9の渋めの良馬場での記録というのは、その価値を更に高めた。
テンは3F35.2の急流で、上位の馬は全て2000m戦のテン急流経験馬。追走力の差が顕著に出たレースとなった。
過去(白) 36.3-50.3-34.8=2.01.4
結果(緑) 35.2-49.5-35.1=1.59.8
✕スプリングS
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ドスローの瞬発力戦。
風速6mの影響もあり、向風の中盤は緩く、追風の直線は10秒台が連発。1000m63.1は路盤改修後2番目に遅く、20年ガロアクリークや今年の共同通信杯に似た構成。急流になりやすい皐月賞とは逆質。
過去 36.3-36.4-35.8=1.48.4
結果 37.5-38.2-33.7=1.49.4
▼個体評価
サンライズジパング B-評価 L系
キズナ × Zoffany (英スプリント) × Exit to NowWhere (仏マイラー)
アイビーSドウデュース2着グランシエロの弟。
前走重馬場2000m圧勝。ダートをちゃんと走っちゃうくらいに重めのキズナらしいキズナ。坂の下りから追ったり鞭入れたりでズブいけど、道悪を苦にせず伸びてくる。
ホープフルもコーナー加速でやや置いていかれて、不器用。ラストしっかり伸びてくる持続力は光る。
メイショウタバル B-評価 Sl系
ゴールドシップ × French Deputy(米ダマイル) × ダンスインザダーク
毎日杯で重馬場 1.46.0 は素直に評価。毎日杯は、走破タイムが実績に直結する傾向があるので当然期待。
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歴代好走馬は、中2週のローテーションと阪神1800m外回りのコースレイアウトから、皐月賞に向かわないケースが多い。じゃぁこの馬はどうか?
馬主は古き良きメイショウさんで、新馬から使い続けて実質7戦目。毎レース全力な印象で、前走重馬場・今回初輸送・調教後馬体重は+2kg。父ゴルシの字面よりも軽いイメージで、物理的な疲労とオッズバランスが悪い。
エコロヴァルツ A-評価 Sl系
ブラックタイド × キングカメハメハ × A.P.indy (米ダ中距離)
コスモス賞が歴代2位の好タイム。
例年に比べ中盤が速い流れでも最後まで加速できて、ポテンシャル証明はあり。朝日杯はスタートでごちゃついて最後方でしたが、本来は前進気勢が強くて、先行できるタイプ。
前走はレース前にテンションが上がりすぎ&超スローで折り合わずノーカウント。ペースが流れやすい皐月賞なら、折り合って本来の力を出せる場面。レース前のテンションはギャンブルですが、一度経験できたことは大きい。皐月賞好走条件の「マイルを後方からの好走経験」に合致する馬。
ミスタージーティー B評価 LC系
ドゥラメンテ × Sadlers' Wells (英中距離) × Irish River (仏マイル)
リッスンの仔。兄弟は3歳秋以降に活躍することが多い奥手タイプ。
<兄弟>
・タッチングスピーチ (ローズS)
・ムーヴザワールド (3歳秋から条件戦連勝)
・サトノルークス (セントライト2着→菊花賞2着)
ドゥラメンテに変わったこの馬も、加速が遅い体力持続力型で、3~4角から追いっぱなしなのが印象的。
ホープフルと共同通信杯は、不利で度外視。
若葉は、開幕間もない阪神でスロー少頭数の瞬発力戦。本質じゃないけど、共同通信杯よりも落ち着いて先行できた柔軟さは評価していい。ポテンシャルはあるのに一気の人気落ち。前走の楽と、輸送の入れ込みギャンブルを考慮して3着候補まで。
アレグロブリランテ C評価 Slc系
ディープブリランテ × French Deputy(米ダマイル) × リアルシャダイ
サンデーレーシング所属で一流騎手が乗っている割には、地味血統の持久力タイプ。1800m経験ばかりなのにスローや重たいレースばかり。高速皐月賞とは逆質。開催後半の時計のかかる福島で。諦めない根性はある。
ルカランフィースト C評価 L系
イスラボニータ × マンハッタンカフェ × Seeking the Gold (米ダ中距離)
緩い新馬戦から京都の激戦を経て、若竹の破壊力・スプリングの先行力を刺激。好走時は全て恵まれなので、上位破綻や極端な展開が必要。
ジャンタルマンタル A評価 S系
Palace Malice × Wilburn × Tomorrows Cat (すべて米ダマイル)
完成度が高く、馬体をスラっと見せて高貴な走り。ダノンプレミアムに近いイメージ。米国ダートマイラー血統で固められた前向きな気性を武器に、立ち回り力と加速力でG1を制覇した。
内枠を引くことが多く、揉まれる経験は多い一方で、いつも走破距離を走ってきたという恩恵もある。前走は、初輸送・G1馬の前哨戦仕上げ・超スローでかかりっぱなしの三重苦の中、上がり32秒台2着にまとめる力はさすが。苦→楽の舞台で、ペースが上がるのも良い。
アーバンシック B評価 LS系
洗練された馬。
500kgを超える大きな馬体で一完歩が長い。一度加速したらどこまでもスピードに乗り続けるような持続型。ソールオリエンスのイメージにぴったり。やんちゃな精神力の中に、ハービンジャーの重厚さとスピードを加えた。「量」というほど懐の広さは感じず、生まれ持った野性的な何かを感じる。
1000m通過62秒以上の緩い流れしか経験がない。
体力型らしくスタートは後方からで、スパイラルカーブは苦手。京成杯のラストは圧倒的なスピードを感じる一方で、ダノンとの上がり差はわずか0.2秒。
レガレイラ L量 B+評価
スワーヴリチャード × Harbinger(英長距離) × ダンスインザダーク
好走条件をわずかに満たさなかった1番人気。
位置取りは後ろで、ペースアップしたときにあの脚が使えるかはギャンブル。先行多めで展開向きそうなのと、ホープフルより斤量差が増えるのは評価点。アイビーSでホウオウプロサンゲを交わせないくらいには、後ろにいるし、重い印象。
コスモキュランダ B-評価
アルアイン × Southern Image(米ダ中距離) × Zabeel (豪マイル)
ゲート難で、京都2歳・1勝クラスで出遅れ。弥生賞も遅めで後方。
キレる脚はないので、弥生賞のようにまくったり、まくらずとも1勝クラスのように中盤激流の底力戦になったりの癖が必要。
良くも悪くも自分からレースを動かすことができる。
この馬が中盤をキツいレースにする。多頭数に変わり、近走のように綺麗にはまる可能性は下がるものの、ペースの緩まない弥生賞は皐月賞馬券内が多い。
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ジャスティンミラノ C評価 S系
キズナ × Exceed And Excel(豪スプリント) × Shareef Dancer(英長距離)
東京の超スロー瞬発力戦を2連勝でここへ。
母系のデインヒルが強く出た、キズナ牡馬らしくない素軽さ。父・母父は桜花賞3着ライトバックと同配合。しっかり首が使えて躍動感がある。
2戦とも番手からのノーストレス競馬。1000m通過は 新馬 63.1 → 共同通信杯 62.7で、これまでとは3秒以上速い追走を求められる。
シンエンペラー A評価 C系
Siyuni (仏スプリント) × Galileo (英長距離) × Green Tune (仏マイル)
ハイレベル京都2歳S勝ち馬で、ホープフルS・弥生賞2着馬。
首が高く、欧州血統で字面からは重厚感漂う。
ただ、新馬戦の東京1800mで終い 11.1-11.0 のスピード対応。「父が1000m戦でも勝ち星があり、欧州らしさがない」とは矢作先生の言葉。
持続力に秀でていて、全4戦ラスト1Fの減速はなく皐月賞タイプ。加速力やトップスピードに劣る分、先行して押し切りたい。欧州馬らしく、叩いて上昇。
ダノンデサイル A-評価 LS
エピファネイア × Congrats × Forestry (いずれも米ダマイル)
鞍上と同じくつかみどころのない馬。
エピファネイア産駒らしく距離延長しながら勝ちを重ねる。近3戦は、ペースの恩恵を受けての好走。
ただ、京都2歳は直線不利があったり、京成杯はどこまでいってもアーバンシックを抜かせないような感覚があったり、未知の魅力込みで最もオッズと能力に乖離がある。
人気の豪脚勢よりは前につけられる。この馬を置き去りにするのは容易ではない。
ビザンチンドリーム B-評価 LS量系
エピファネイア × ジャングルポケット × French Deputy(米ダマイル)
スタートはダラっと後方。その分、ラストのキレ味はこのメンバーでも最上位。脚の回転が速く、新馬戦・きさらぎ賞ともに時計は優秀。ただ、きさらぎ賞は一定の速さで流れたにもかかわらずかかっていた。超スローに苦戦した他の馬とはわけが違い、ゲート難も加わって、オッズに見合わないリスクがチラホラと。
ウォーターリヒト C評価 LCs系
Drefong (米ダ短距離) × ヴィクトワールピサ × サクラバクシンオー
気持ちは前向きだが、馬体を小さく見せる鈍足タイプ。
2000mからマイルへの距離短縮で、さらにハイペースになった経験がいい刺激に。距離延長のきさらぎ賞では、33秒台の上がりが出せるようになった。
にもかかわらずのスプリングS。超スローで後方勢はノーチャンスという結果は別として、ここまで積み重ねてきた活性化が台無し。
隊列想定
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前哨戦はスロー決着が多く、内枠に先行馬が集まった。
逆に、ダービー向きな瞬発力ズドンチームは、外枠の後方に。最初の1Fだけでも1秒以上差のある長い隊列。
逃げ馬候補の数もさることながら、前走のまくりの成功体験があるコスモ・サンライズが押し上げやすい位置にいることで、締まる可能性を引き上げる。中団にいるエコロヴァルツ(武豊)・ジャンタルマンタル(川田)・シンエンペラー(坂井)・ジャスティンミラノ(戸崎)のリーディング上位ジョッキーがどういうポジションを取るのかが注目。
そして、最大の惑星「ダノンデサイル横山パパ」人馬の気分やいかに。
印
◎シンエンペラー
〇ジャンタルマンタル
▲エコロヴァルツ
☆ダノンデサイル