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「アクティブラーニング」を始める方法(個人的見解ver.2022.3)

昨今、「アクティブラーニング」なる教授ほうが注目され、大学でも導入することが推奨されています。

アクティブラーニングとは

そもそもアクティブラーニングとは、

「アクティブ・ラーニングとは、学生にある物事を行わせ、行っている物事について考えさせること」

(Active Learning: Creating Excitement in the Classroom (Bonwell & Eison, 1991、邦訳(松下佳代(京都大学高等教育研究開発推進センター教授)編著『ディープ・アクティブラーニング 大学授業を深化させるために』序章より))

と定義されているようです。

そして、その具体的内容として、

発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等、および教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等

(たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~(答申) (平成24年8月28日)用語集より)

以上:文部科学省「アクティブラーニングに関する議論」より。

が挙げられるようです。

要するに、アクティブラーニングとは、ザクッといえば

「講義を聴くだけではなく、学生の行動を伴う学習形態」

と言えばいいと思います。


アクティブラーニングを始めるには

個人的な結論を言うと(あくまで現在の個人的見解なのでご了承ください)

○ 自分のアクティブラーニングのハードルを下げる

○ 学生の「行動」のハードルを下げる

だと思います。

「アクティブ=アウトプット」の意識変え

まず第一に「アクティブラーニング」という言葉や、文科省のサイトにある説明が、よくないと思います。

多分ですが、教員の考えとして「グループワーク、ディスカッション」とか最初に頭によぎるように説明してるんですよね。自分も最初そうでした。

そうすると、教員のアクティブラーニングに対するハードルが上がり、結局のところ行動に移せなくなってしまいます。

だけど、アクティブラーニングの本質は、最初の

「アクティブ・ラーニングとは、学生にある物事を行わせ、行っている物事について考えさせること」

なので、学生を行動させそこから自走させることができれば、アクティブラーニングになっていると思うのです。

と言うことは、アクティブラーニングの入口としては、

学生一人一人にアウトプット→フィードバックを自分でさせる仕組みを取り入れること

と思います。


2021年度の取り組み

今年度、受け持った授業で「学生の行動割合を増やす」ことを目的に、講義形態を修正しました。ザクっと言うと、

○ 学生に課題に取り組んでもらい、それを自己採点してもらう

ことを今までより多用しました。コロナの「恩恵」で、オンデマンドツールが当たり前になり実現したことです。

これをやって実感したことは、

○ 学生に課す課題が増えた

○ 自走しない学生が炙り出された

○ 講義中の教員の負担が減った(ただしオンデマンド教材作成の労力はすごいですが 汗)

○ それにも関わらず、学生の満足度は(実感としてですが)対して差がない?

です。これは非常にいいことです。オンデマンド動画自体は、蓄積されるので、時間経過とともに負担が減ります。

すでにわかっている反省点としては、学生の「最終的な定着度合」です。問題を解けるようにはなっていますが、それと学んだことの理解をリンクできているかは、まだまだ反省しなければ、と思います。

これが分かるように、また上にあげた結果からもっと授業が良くなるような仕組みを来年度以降考えようと思います。


アクティブラーニングの何がいいのか?

従来の授業形態で良くないと思うところは

教員のアウトプットが多いこと

です。アウトプット大全など、現在の自己啓発書の大半に書かれていることは、

頭をよくするにはインプットでなくアウトプット

とか

2週間で三回アウトプットすると記憶が脳に定着する

ですよね。

なので、今での授業というのは

「教員の頭をよくする授業」であって、学生にとっては、「既にアウトプットが鍵となることを知っている一握りの学生にしか有益とならない」授業だと思います。

なので、「学生のアウトプットが主体になる」アクティブラーニングは賛成です。

ですが、「グループワーク」などの授業形態の変更自体を目的とすると、その効果は小さいと思います。

よって、アクティブラーニングを始めるには、

学生のアウトプット量を増やす

ことを目的として、少しずつ授業を改善すればいいのではないでしょうか。


最後まで読んでいただきありがとうございました。