クールジャパン
「和洋折衷」
日本と西洋の様式を取り合わせること。 建築や生活様式などについていう。 「折衷」は、異なるものを過不足なく調和させること。
そんなもの存在するのだろうか、とたまに思う。
在る無しはともかく、ムズすぎると感じる。
調和が取れたって意味ではそれっぽく出来なくもないけど、ちょいとクールにしようとすると途端に難易度が上がる。いや、調和取るのだけでも相当難しい。
自分の肌感としては、和の中に洋がただポツンと浮かんでるようにしか見えないことが多い。
自分は今、かなり築年数の古い広めの3DKに住んでるのだけど、模様替えによく困る。
和室は文机とか行灯とか和製品を揃えて並べておけば大体馴染むので無問題として、問題は洋室の方。
洋室だけど、押入れや障子、仕切りには和風の引き戸が混在してて、ちっとも洋室らしくできない。
無理やりタペストリーとかでその辺隠したりとかしながら、アメリカンダイナー風にしたり、オランダのインダストリアル風にしたり頑張るけど、どうも建物そのものが持つ質感の所為で上手くいかない。
ふと、日本って他国からたくさん影響受けて成長してきた国だし、一番質感的にマージできそうなアジア圏の中国っぽさを取り入れたらどうだろうとかも考えて試したけど、いやいやなんかおかしいわとなる。中国ってすごく合理的な文化だし、普通に考えて合う訳ないんよね。
そんなこんなで今の我が家は、バイクやら車やらインディアンやらのタペストリーとか、北欧風木製家具とか、アメリカンなスチールパネルとか、アフリカンなディスクレコード風時計とか、中華風の黒竹とかでもうよく分からん始末になってる。
敢えて調べたりせず我流で手を出してたからテキトーにパラパラーっと調べた。
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悪くないけど緩く見えてちょっと窮屈かも
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もう和の面影を感じないのだが
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無理やり下にカーペット敷いてベッド使ってるだけじゃね
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伸び伸びしてていいんだけど、単純に間取りに救われてる感否めん
こんな感じで文句ばかり出てくる。
小綺麗なんだけど、ちょっとスカしすぎてるというか、和の部分が置き去りにされ過ぎてるというか、どことなく森を見て木を見ず感というか、地に足着いてない感じというか、身の丈に合わん生活してる感が否めない。日本人なのに主体が和じゃなくて洋になってる感じがいけ好かん。「私、グローバルなんで」みたいな声すら聞こえてくる。
そういや、自分がカッコいい日本と想像して思いつくのが「坂の上の雲」とか「コクリコ坂」とか「風立ちぬ」の世界観だった。
要は、明治とか大正のまだ日本が西洋に追いつこうと必死にバチバチしてた時の建造物とか。
とりあえず、それっぽいの軽く見てみた。
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ドアが特徴的
青い壁の部分も若干の洋を感じる
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吹き抜けとか天井のプロペラとか立体を活かす感じが洋を感じる
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ライトのチョイスが絶妙、洋なんだけど直線部分になりそうなスタンド部分は隠して壁に固定するスタイルが控えめでよき
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花瓶とライトくらいしか洋が見当たらんけど開放的で住みやすそう
ただのセンスとか間取りの問題と思わなくもないけど、差は感じる。
多分、謙虚さの違いなのかなとか。
こっちは空間づくりとか利便性とか合理的な洋の側面は抑えながらもそのパーツ達は質素な作りになっていて謙虚さを感じる。「フランス」と「ふらんす」の違いみたいな。俺達日本人なんて所詮ふらんすでしかないでしょって思うからこの差は結構自分的に譲れない。
やっぱり調和っちゃ調和で好きだけど、自分的にはちゃんと浮いてはいるんだよな。「あっ、洋見っけ!」みたいな。
ファッションとかもそう。
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デザインとしては全然カッコいいと思うんだけど、折衷してるんですかと言われるとうーんと思う。和装テイストってだけでがっつり洋服だよねと。和装風の洋服としてカッコいいって見方になっちゃう。
音楽もそう。
by レジェンズアルセウス
北海道っていう割と洋と相性良さそうな舞台の音楽だけど、ちゃんと古き開拓途中の侘び寂びみたいな感じを表現しつつも、ピアノっていう洋の楽器を使ってるから、綺麗なんだけどちょっとシャープ過ぎるよなーとか。
アメリカ西海岸風のメロディー作りってだけで、言ってることやリズム運びや曲構成の部分は結構J-ROCK的ですごい綺麗だけど、最初に抱く印象が洋の方が印象強いのでこれもまた折衷?となる。
大好きな坂本教授だけども、これなんかはまだ一番折衷に近いと思う。とはいえ、内容が和なのは勿論、ピアノを限りなく和の方に寄せてるようなメロディーに感じるから最早それは和だよなとか。かろうじて「あ、ピアノだったね、そういや」みたいな感じになるのでこれを折衷というならそうかもなくらい。
こんな感じで自分なりのクールジャパン像は見いだせるものの、折衷ってなんだよって堂々巡りする。
前に親友ENFPにオニツカタイガーのカッコよさを説いてたら、
「お前を一言で表すとキル・ビルって感じなんだよな。なんか外国人が日本人のフリしてるみたいなオモロさある。」
って言われたのを思い出した。
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ジャージ着てオニツカタイガー履きながら日本刀振り回してるイメージらしい
笑ったけど、あながち間違って無くて感心もした。
俺、日本で生まれたのに、日本の扱いが下手過ぎるって素直に思った。
そもそも調和ってクールからはきっと程遠い概念なんだろうから、ちゃんと目指そうとしたらカッコよくはならないんだろうな〜とか。カッコよくしようとしてる時点で詰み説が自分の中で濃厚なのが現在。
どっかの誰かがクールジャパンとか言ってるの思い出して、そんなん出来んのか?って考えた。
さっきも触れたように、自分は「坂の上の雲」の世界観とかめっちゃカッコいいって思ってる。あれはちゃんと日本の話だから、確かにクールジャパンはあるんだろうなとか。
今回リストアップしてきたコンテンツで割と自分が好感を持っているものの共通点として「謙虚さ(身の丈感)」があったのは途中で気づいた。
要は、理解あることにはその分出力してもクールだけど、そうじゃないのにブッてんじゃないよっていう。でも、いいなあと思うものには素直でいようねって姿勢が雑貨から伝わってくる感じ。
それが別に和の方でも洋の方でもいいんだけど、その匙加減を考えると折衷っぽくなるのかなとか。
でもそれだけだとクールまでは行かないから、どこかで嘘が必要になる訳で、じゃあもうそれって洋じゃねっていう。
なので、和洋折衷はムズいなりにギリ出来るかもしれないけど、クールジャパンとか言い出したらもうそれは良き日本ではないのではって結論になった。
もう自分でも何したいのかわかんないや。
オワり