お前の美学
“お前”という言葉は、女性に嫌われがちです。
上から目線で言われている感じに思えたり、ちゃんと名前を呼ばない事実が嫌われてしまうようです。しかしながら、僕は“お前”に対して、美しさを感じています。“お前”って、誰にでも言えない言葉だからこそ、価値があると感じます。
“お前”と言うのは、男同士の関係が多いです。それも親密になっているからこそ、“お前”と呼ぶことができます。もちろん、そんなに仲も良くない時から、“お前”という呼び方で距離を詰めたり、相手に上から接してくる勘違い男もいます。そいつらのことは、一旦脇に置いて、話を進めていきます。
男同士で出会ったとき、まずは名前を呼ばれることに嬉しさを感じます。自分と仲の良いと思っている友達が、違う誰かに自分の名前を使って話題にしていたり、自分の名前を何度も呼んでくれることにスキップしたくなります。
その嬉しさの段階をもう一つ上げてくれるのが、“お前”。他の友達には、名前で呼ぶのに、自分に対しては“お前”と言ってくる。もうこれは、名前を何度も言うことに恥ずかしさを抱いていると僕は思っています(笑)。あぁ、いよいよ名前を呼ぶことすらも照れくさい関係になってしまうんだなって感じでしまいます(笑)。
さらに、やってしまうのが、自分たちの親密さを伝えるために、“お前”という言葉を第3者の前で使うことです。これは、仲いいアピールをしたいわけではなく、『俺はこの人に対して“お前”という言葉を使えるから、第3者が聞きたいことをいくらでもきくよ。君に何か嫌なことを言えば、俺が注意するよ?』というメッセージです。まぁ、そこまで“お前”に意味を感じてないと思いますが(笑)。
しかしながら、女性に嫌われるのを常日頃から意識している男もいて、小さい頃から仲が良いのに、僕のことを“お前”と呼ばないように意識している友達もいます。そんな人間を目の前にして、僕がやろうとしてしまうことは、そいつのことを“お前”と呼びまくって、相手から”お前”を誘い出すことです。
「お前、さすがだなぁー!」
「お前なら、そうすると思ってたよ!」
「お前にしかできないよな!」
という具合に、お前+ポジティブワードを炸裂させます。すると大抵の人はこう返したくなります。
「いや、お前だってさ……」
僕の思惑通りです(笑)。お前に気持ちよさすら感じています。
これは、僕の価値観なので、全ての人に当てはまるわけではありません(笑)。もちろん、“お前”がなくとも、良い関係性が築けている人たちもいるでしょう。それなら一層、“お前”と呼べる関係を目指してみませんか?
意外と気持ちいいものです(笑)。