写真展示 「神 国」の 残 影 2024年1月10日 ~ 1月27日 9:00-18:00




写真展示 「神 国」の 残 影

戦前、大日本帝国が勢力圏に収めた版図は広大なものだった。そして、それらの土地にはあまねく神社があった。今は忘れられているが、戦前の邦人植民者は常に神社とともにあった。「帝国日本」は「神国」でもあったのだ。それら神社は、いまどうなっているのか。写真展示『「神国」の残影』は、写真家稲宮康人が、かつて帝国中に存在した神社のいまの姿を撮影したものである。撮影地は中国、台湾、韓国、北朝鮮、ロシア、アメリカ、パラオ、シンガポール等、かつての帝国圏域全てにわたる。これらの写真は、かつて帝国圏にあったことのある各国の日常風景から、アジアと日本、日本の戦後処理のあり方、各国の歴史認識等、歴史と現在の絡まりを浮かび上がらせる。「神国」の欠片を拾い集めてきた成果をぜひご覧いただきたい。

研究会 海外神社をつくる 神社以前から幻の計画まで

誰が、なぜ、どこに、いつ、海外神社をつくったのか。こうした基本的な事項すらも不明のままの海外神社が多くある。日中戦争後の創建神社や、中国大陸、東南アジアに創建された神社などは特にそうである。そこで今回は、その不明点に光をあてる企画を行う。稲宮の「最後期の海外神社 拡大・創建・計画」は、大日本帝国の勢力圏の拡大とともに増えていった海外神社は、新規創建、神社創建計画等の拡大運動を最後まで止めることがなかったという発表である。大澤の「入植者の馬来半島大神宮から南方軍の昭南神社に至るまで」は、南進の象徴とも言える昭南神社を、その神社以前の時代からとらえ直す発表である。軍の占領後、突如現れたかのようなイメージのある昭南神社について、英領マレーへの植民者が自主的に造った神社からたどることで、見直しを図るものである。帝国全体を概観する発表と、特定の場所に焦点を当てるという二つの発表から、海外神社をつくる、ことについて考えてみたい。

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非文字資料研究叢書2 「神国」の残影|国書刊行会 (kokusho.co.jp)

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