「貴源治」大麻で解雇と「生え抜き」
先日の報道で大相撲力士「貴源治」
の大麻使用が発覚して相撲界を解雇
という記事が出ていた。
いったいこれはどういうことか?
かつてからこうした問題が露呈するたびに力士がクビになり
世間からは「相撲界の悪癖」と揶揄されてきた。
貴乃花の残党処分
恐らく今回の「貴源治」の問題も氷山の一角ではないか?と私は思う
なぜなら、若い力士がどこからどのようにして大麻を手に入れたのか?
恐らくそれを斡旋した者、販売した者が相撲界の中、もしくは深い関係者にいるのではないか?
相撲協会は、深く調査をする前に今回の事件に対して冷徹・即決で解雇を決めた。
その背景には、「貴源治」は元々「貴乃花」の愛弟子であり、相撲協会から見れば、目の敵の「残党」を処分したようにみえてならない。
問題の多かった兄弟
東京オリンピックの開催と重なって、今回の大麻問題はあまりワイドショーなどで取り上げられる機会は少なかった。
しかし、数年前「貴源治」の双子の兄で当時十両力士だった「貴ノ富士」
(現在、総合格闘家スダリオ剛)が、2度にわたる暴行事件で相撲界を解雇になった際には、ワイドショーでは大きく取り扱われた。
正直私は、「貴ノ富士」の暴行問題については、解雇は少し厳しいかな・・・というのが正直な第一印象だった。
なぜならば相撲部屋内で関取が付き人に鉄拳制裁というのは、よくある話だったと思うし、隠そうと思えば隠せたと思う。
しかしこれも、良いように考えればこうした問題を早期にあぶり出すことで相撲界の健全化が進むのはいいことだと思っていた。
しかし今回の弟の大麻の件に関しては、表に出るや否や即解雇、事情の如何に関わらず・・・
もちろん大麻は絶対によくないし「貴源治」解雇も最終的には致し方ないとは思うが、このまま解雇で終わり・・というのではなんの解決にもならないのではないか?
貴乃花の弟子たちの運命
「貴源治」と「貴ノ富士」の兄弟は二人とも190cmを超える大男
中学時代は揃ってバスケットの選手、茨城県の中学選抜チームの選手として
活躍、全国大会3位になっている。
恐らくそのまま高校に進学していても二人とも優秀なスポーツ選手になっていたと思うが・・・
貴乃花親方の熱心な勧誘で兄弟揃って中学卒業と同時に相撲界入り
貴乃花の指導の下で実力をつけ入門5年以内に揃って十両昇進を決める。
ここまでは順調な力士人生だったように見えるが・・・
その後起こった横綱「日馬富士」による「貴ノ岩」暴行事件で被害者力士側の親方「貴乃花」が何かと矢面に立たされた挙句、問題を突き付けられ、最終的には引退を表明。
貴乃花の愛弟子たちは「千賀の浦部屋」(現在の常盤山部屋)へ移籍させられてしまった。
元横綱「貴乃花」にあこがれて、また慕って相撲界入りした「貴乃花部屋」の弟子たちの無念さは計り知れない・・・
私が思う問題点
大相撲の世界では、中学卒業と同時に相撲界に入る力士のことを
「生え抜き」といって重宝される。
今は、学生相撲経験者も随分多くなってきているが、やはり半数以上は
「生え抜き」の力士が占めている。
親方の中には「生え抜きから育てなくては一人前にならない」
といって、高校や大学を出た力士を入れない部屋もある。
前出の貴乃花も貴源治も貴ノ富士もみな「生え抜き」
ここで敢えて言っておくが、私は「中卒がダメ、大卒が偉い」と言っているのではないので、そこはご理解ください。
いまの相撲界の親方の中には随分、学生出身の人も増えてきてはいるが、やはり「生え抜き」が多数。
相撲を教えるのは上手くても、人間形成に関してはどうだろうか?
ちょっと疑問に思ってしまう。
中には立派な親方もたくさんいるのは分かっているが・・・
そうした慣例で中学卒業したばかりの子供を相撲界に入れて、部屋の親方の各方針によって偏った教育や指導を受ける子供たちが果たして十分な大人に育っていくだろうか?・・・
私ははっきり言って、相撲界も最低「高卒」の力士採用にすべき
中には家庭的な事情や、非行などの問題で中学卒業と同時に相撲部屋に入門せざるおえない子がいまでも多く存在することは承知している。
それはそれで相撲界は社会に貢献しているわけだから続けるべきだと思う。
ただし、そういった特別枠を除いては基本的に高卒ルールにしてはどうかと思う。
今回の「貴源治」の大麻の一件も、クビは仕方ないにしても、まだ若すぎる彼の今後の進路について真剣に考えてくれる親方が一人でもいてくれないかと思う。
相撲部屋の親方が勧誘に来た時のセリフ。
「今日から私が親代わりです」