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忌み嫌われる「呼び込み」

呼び込み

相撲の世界に古くから伝わる言葉の一つに

呼び込み」というものがある。

ご存知の方も多いと思うが、今でも相撲中継を見ていると割と頻繁に出てくる言葉で、中継のアナウンサーが
「呼び込んでしまいましたねえ」
解説の親方が
「悪い癖が出ましたねえ」
などとやられてしまう。

最悪の結果

この「呼び込み」こそが
土俵の上で戦う力士の相撲の中で最も忌み嫌われる行為である。

私が考えるに相撲の技には基本的に積極技消極技がある

積極技とは、押したり投げたり吊ったり・・・
決まり手で言うと「押し出し」「上手投げ」「吊りだし」「突き出し」など

一方の消極技は立ち合いの変化、引き技・・・
決まり手でいうと「引き落とし」「うっちゃり」「肩透かし」など

相撲の場合、積極技を出しながら負けてしまっても、「いい相撲」と評価されるのだが、消極技で勝っても決して「いい相撲」とは言われない。

ましてや、消極相撲で負けてしまった時には最悪で、一言でかたずけられてしまう。

呼び込みましたね

これで終わりだ・・・

要するに、消極技とはいえ、引き技はあらかじめ狙っていかなくては決まらない。
それが、立ち合いで当たった瞬間、さほどでもないと油断していた相手の圧力が予想以上に強かったりすると、気後れしてしまい、ついつい押すのをやめて引き技に転じてしまう・・・ということが一流の力士でも結構あるもの。
こんな場合の苦し紛れの引き技には相手は引っかからない、
引っかからないどころか、むしろ勢倍増で一気に押し出されてしまう。

誠に惨めな負け方を喫してしまうものである。
まだ負け方だけならばいいようなものの、土俵下まで勢いよく落ちて怪我でもしようものなら目も当てられない。

先人の一言

戦国時代の戦でもこういう場面がある。
お互いに戦っている状況では、そうでもないが、
一方の軍が不利を察して後退しようものならば、
もう一方の有利とみた軍は猛烈な勢いで追いかける、
追いかけているうち気合が載ってさらに凄まじい気概で攻め立てる
相手のあまりの猛攻による恐怖のあまり、
「殿軍を任された家康ともあろうものが泣きながら敗走・・・」
という場面を歴史小説などで読んだ経験がある。

野球で言うならば、勝っていた9回裏に、自信満々でマウンドに上がった抑えのピッチャーがいきなり、痛打を連発され自信喪失、挙句の果てに、次のバッターを恐れて逃げまくりのフォアボールを連発、押し出しでサヨナラ負けを喫したようなもの。

サッカーならば、残り時間数分で一点を守りたいがあまり、攻めずに後方へパス、キーパーへのパスをインターセプトされてそのままゴールを許し、その後も加点されて敗北を喫するような負け方。

こうした惨めな状況を、江戸相撲の好角家たちは、見事な一言で表現した。

それが
「呼び込み」
である。
悔やんでも悔やみきれない結果
そして結果以外にも、大きな傷跡を残してしまいかねない。

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そこで、結論

こうした相撲用語ではあるが「呼び込み」のような場面は、相撲以外でも様々な場面に見受けられる。
苦し紛れでの一手は、その結果以外にも傷口を思いのほか広げてしまったり、思わぬ不幸を呼んでしまうようなこともある。

すべては油断や準備不足からくる。
気を引き締めてかかれば、そうそう呼び込むことはない。

この話と、関連付けるのは少し無理があるかもしれないが
最近よく「心霊スポット巡り」なるものがあると聞く
YouTube動画でもよく上がっているようだが、私はそれこそ何か他の物を下手に「呼び込んでしまいそう」なのでパスしている。
こうした動画や、無理に写真を取りに行っているような人たちも下手に「呼び込まないように」気を付けてください。


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