八百長事件の録音テープ
先日、夜寝る前にYouTubeの「貴闘力部屋」を観た。
10年前の八百長事件で「黒幕」として、取り調べを受け
すべてを暴露した力士の肉声を録音したテープを公開している。
何本かあるうちの一本に心が動いた。
相撲協会外部委員の取り調べを受ける途中のこの力士(厳密には当時は親方
だがここでは力士という)に対して、その力士が所属する部屋の親方が
説得をしている様子の録音。
「全部話す必要はない。もしお前が全部話してしまったら、お相撲
さんあがりの協会員はみんなクビになって外部から賢い人たちが入って、
牛耳られてしまう。俺も含めてみんな相撲しかできない人間ばかりが行き場
を失ってしまうじゃないか・・・八百長は野球賭博と違って犯罪じゃないん
だから、全部言う必要はない」
という内容の説得をしている様子である。
これを聞いてわたしは少し涙が出てきた。
情けないのもあるが、半分は「それもそうだな、他に何もできない人たちば
かりなんだからなあ・・・」
力士の子を持つ親として切実な気持ちがよくわかる。
このとき八百長を暴露したこの力士は数年前に亡くなっているそうである。
心よりお悔やみ申し上げます。
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