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島暮らし 3.0 秋

気がつけば島コミュニティにいなかった

さて、目黒のワインバーmarucanメンバーに「島に行って出張marucanできる」と言われたのは夏の終わり。気づいたら、場所を貸してとお願いできる人が誰も居なかった。保育園時代もそんなにすぐにママ友が出来た訳ではなく、1年ぐらいは顔と名前が一致していない状態だったので、島に来ても全く焦る気持ちがなかった。友達ならそのうちできる、と。

が、一夜限りのワインビストロを開店するには場所がいる。

わらしべ長者の様に

最初に問い合わせたのは家を建ててくれる会社の社長さん兼、土地を紹介してくれた不動産屋さん兼、我が家にとって移住コンシェルジュのような方。ご自宅を建築中だと知っていたのでうまく行けば、旧宅か空いているのでは?との甘い期待。が、やはり期待は甘く家がまだ建っていないとのこと。そこで「お宿ぽんぽこ」さんはどうだろうと紹介される。問い合わせてみると、すぐに会ってくださるとのことで早速出向いてみる。

主旨にはご賛同いただいたものの、タイミングとキャパ的にちょっと難しいということで、島の移住第一世代という「友浦サイト」さんを紹介してくださる。今まで移住者のネットワークがほとんどなかった私に、あっという間に移住先輩との繋がりが出来たのだった。

友浦サイトに行ってみると

そこには素敵なマダムと優しそうなカナダ人のご主人がいた。最近の地方あるあるで、本人を知る前にブログやイベント告知でその存在を知ることとなる。ただ、やはり個人が特定されるように書かれてはいないので、会うと「あ、こんな方だったんだ」と新鮮な驚きがある。建物自体も不審者と思われない範囲で外から覗き見ていただけなので、入ってみてアリエッティのような細やか世界観に驚く。

そこで、今回のイベント企画に至る背景となる補助金を申請した経緯と、その企画書を見せながら恐る恐る説明すると...

「私やってみたかったのよ!」という思わぬリアクションであった。

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島の食材を使いたい

本来であれば、どういうお客さんをターゲットにすべきか最初から決めてあるべきだけど、第一回ということで「島の人にも移住の人にも近隣の人にも旅行者にも来て欲しい」というマーケティングの原則からは、大きく外れたスタート。島の人には島の食材の良さを再認識して欲しいし、外からの人には島の食材を認知して帰って欲しい。

大島といえば白身の魚。来島海峡の鯛を神経〆で有名店に卸しているという漁師さん、雑草と共生する畑作りをしている農家さん、しまなみ海道開通と共に橋を渡ってやってきたイノシシを製品化している方、お願いした皆さんから食材を提供していただけることに。ありがたい。

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撮影とやらをしてみる

言葉にすると照れ臭いけれど、島の夜の空気感を変えたかった。「友浦サイト」さんは、元々建物もお庭も雰囲気があるので、少しライトを足すだけで良いと考えた。そこで、お二人が旅行に行かれている間に少し野生にかえったお庭の草刈りを一緒にし、そしてライティング小道具を持ち込み、お店の小屋に置いてあるガーデンテーブルをお借りして、日が暮れたらスマホでパシャリ。思ってた通り、思っていた以上に絵になる。

告知はFacebookのイベントで

撮影した写真を使って告知ページを作ってお知らせ。とは言え大半は知人にリンクを送って「来ない?」というアナログ手法。「友浦サイト」さんの古くからのお馴染みさんや、お友達も次々参加してくれることとなり。協力してくれる酒屋さんや、通っているヨガスタジオにも協力をお願いしたものの、早々に定員オーバーとなる。結局30人に設定した定員を39人まで伸ばし、そして後はお断りすることに。

酒屋さんについて

ワインは、今治のナポリ料理店「Osteria erie」の自然派ワイン会で出会った経緯で高知の「三本酒店」さんにお願いすることに。
「私も高知出身です!」というありきたりな入りから、「実は今度こんな企画をしてて」という流れで「よっしゃ行っちゃお」となった。いやいや1日のイベントで、どれほどの売り上げになるか分からないのに、宅配さえしてもらえれば...。「グラスどうする?100客ばぁ(ぐらい)はあるき、持って行っちゃろ(持って行ってあげよう)。」とのありがたいお言葉。はい、お言葉に甘えさせていただきます。

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飲食店といえば飲みに行く一方で...

「おしぼりはどうするの?」「使いたくないけど、使い捨てですかね〜。」「切りっぱなしでよければ用意するわよ。庭のテーブルクロスも切りっぱなしでいい?」「あ、はい。」
飲食店経験もイベント経験もない私は、マダムの気づきとサポートに支えられながら、トントン拍子で準備が進んで行く。ある日メッセンジャーで写真が届く。「サザエの蓋で箸置きってどうかしら?」素敵すぎます。

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残り2週間というところで昔の飲食店バイト時代の記憶が。18歳で初めてのアルバイト先「木曽路」。最初の頃は、ほとんど使い物にならなかったっけ。果たして私、当日は会場を切り盛りできるのか。

打ち合わせ@marucan

ちょうど即位の礼に伴う休日もあり、1日子供の学校を休ませ東京に行くことに。そして「marucan」で当日に向けた打ち合わせ。

「私飲食店経験って20年以上ないんだけど...。」「大丈夫です。笑ってお客さんと話していればいいんです。」「失敗したら?」「笑えばいいんです。笑っていればお客さんも、大丈夫なんだって思いますから。」「そ〜?」「料理とワインは任せてもらえればいいんで。」今思うと何を打ち合わせしたか不明で、ただただ安心させてもらった。

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東京に行く前から少々腰が怪しい感じになっていた。それがスーツケースの運搬で腰痛がいよいよな感じになり、整形外科に行きMRIを撮ってもらうことに。「これは、ヘルニアですね。」

この時点でイベントまで後10日。秋、後半に続く。


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