田舎者でぃかぷりおになる
廊下に一歩出ると、案の定写真を撮れるのはあと少しという事もあり、大行列。。
(ひ、怯むなぁ。。。)
列に並ぶが、視線が色々と痛い(-_-;)
当時でいえば、お互いまーまーデカイ方(向こう170以上)。否が応でも視線が集まる。
中には、ガッツポーズを送ってくるカップルも(意味不明)。
そんなざわつく中、いよいよ順番が来た。。
どんな形かは憶えてないが、少し登って高いところへ上がらなければならない。船首なので、下から写真は撮られる。写真を撮ってくれるのは、男の先輩。本当に余計なお世話なのだが、
(おい先輩!スカート覗くんじゃねーぞ!)
早くも彼氏ヅラであるいや、彼氏でもなけりゃ、ヅラでもないのだが。
ベテランカップルや(ベテランて)、友達同士など色んな人達がいるなか、全然ノーマークな男女がタイタニック号に乗船。
「ヘイヘイヘイ!」
「お!お前らどーしたんww」
ほらきた。野次だ。
『頑張れー!!!』
ありがとう(* ̄ー ̄)
何の応援だよと思いながら、窓という窓から覗かれ、船首へ立った二人に先輩はこう言う。
『そしたら、男が女の子を後ろから抱きしめてー』
(お前、何言ってんの?)
ワシ「ふぁ.....?」
並んでる時はノーマークであった!周りが気になりすぎて、肝心のどうやって写真撮ってるかの事なんか、微塵も気にしていなかった!どうやら、皆
このポーズで写真を撮っていた!!
ゴローちゃんΣ(゚д゚;)!!?
違う!コッチ
ワシ「こ、こ、イヤ...腰っすか!?」
先輩『はよー!つかえちゅうき!(後が詰まっている )』
(クソッ!!ニヤニヤしてやがる)
若干イラッときたが、多分誰よりも
ニヤニヤしていたのは自分だろう。。
「マジかぁ!!....」
誰にいうでもなく、自分の心の声が声に出てしまった(笑)
彼女はと言うと、いつでも来いとばかりにスタンバイOK。さすが男前(笑)
それに比べわたくしときたら、小さい声で
ワシ「かまんがぁ...(バクバク)?」
女子『かまんよぉ(笑)』
思春期真っ只中のドーテーは、女子高生のウエストと言うものを初めて触る!!
決してジローラモのような、ナンパでありつつも女性を喜ばす事の出来る陽気なイタリア人とは違い、また、一生笑顔を人前で見せるような事をしなかった、武士の様な信念もなく、ただただ腰の引けた体制で震える声で
「し...しつれいしまーす...(プルプル)」
ダサすぎる!!!!
キングオブダサい!!!!
何が壁ドンだ!!
何が草食系だ!!
俺の若い頃もっとガツガツしてた!!
なんて....
口が裂けたら言えねーー!!!!
(当たり前だー)
指先で、触れるか触れない程度にウエストをつまむ形で、かなり腰の引けた状態でスタンバイOK..
『コラー!もっと近づけー!!』
な分けない....。
顔が見えるように、もっと密着しろと激が飛ぶ。
死刑である。
公開死刑。
これまで生きてきた17年間で、シッカリ手をつないだこと1回。目の前の彼女でもない女子のウエストをイキナリ掴めという司令は、
最早非日常である!!
書いてる本人が思い出して熱くなっているぐらいである(笑)
女子『はよー!ガッツリ触っていいき(笑)』
立場は明らかに向こうがリード。。さすがキャプテン(お前もだ)。
何だかんだで、ヘトヘトになりながら写真を撮り終え、1枚500円の写真を2枚分買う。
チェキはポラロイドなので、写真が出来上がるまでに少し時間がかかる。
女子『ちょっ!ちょっ!ちょっとタンマ!!』
2枚とも写真は彼女が持ち去り、コソコソと隠している。チラチラと浮き上がって来るのを待っている様子だ。
ワシ「いや、見せてや」
女子『ダメダメ!一回見てから!!』
何でだよ(* ̄ー ̄)
そして、少しして
女子『ブハハハハー!!(爆笑)』
『いかんいかん!これヤバイ!!』
ワシ「何が何が??」
女子『見せれんき!こんな顔ー(笑)』
どうやら、写真写りが悪かった模様。。
あとから知ったのだが、どうも写真うつりが悪いらしく、いつも半目になってしまうとか(笑)
ワシ「見せてくれよ」
女子『絶対無理!(笑)ははははww』
しばらく押し問答がありながらも、結局、写真は見せてもらえず。。。
さっきの俺の緊張感は何だったのか!?
と思えるほどの彼女の笑い声は、心地よい充実感となって幸せな気分に包まれた。
結局、その日一日中バルーンをぶら下げていてくれた姿は今でも忘れない。