田舎者脈拍500
ガチャッ
『はい、もしもし?』
心臓が飛び出しそうになるとは、こういう事だよ!という、お手本のような経験を経て、
お母さんキタ━━(*゚Д゚*)━━!!
ギャンブルは得意でも好きでもないのだが、
希望を捨てない!!
と言うのはモットーだ。前回記したように、限りなく電話に出る確率など低いとわかっていたが、もしかしたら K が出てくれるかもしれない!という、淡い希望も払拭できずにいたもので、まさかの中間のお母さん!!は、思いがけず面食らった(笑)
しかし、電話に出られたとしても、最初の一言はコッチに裁量権がある!!
『あ、すみません間違いました~』
と、言って切ることも出来てしまう。その場合は今日というチャンスを逃してしまうことになるが。
もしくは正直に
『あ、こんばんは、Kさんのお宅で宜しかったでしょうか?同じ学校の門田と申します。Kさんはおられますでしょうか?』
と、勇気を出して代わってもらうか。
『もしもし?』
電話口の向こうで、いぶかしげに返事を待っているお母さん。正解は
「あ、ご、ごめんなさい。こ、こんばんは。Kさんと同じ学校の、か、かか門田といいますです(噛んだ)。夜分にすみません。Kさんはいらっしゃいますか?(ドキバク)」
グダグダ....(* ̄ー ̄)
『...!?...あぁハイハイ(笑)ちょっと、待ってねぇ(笑)』
一瞬で何かを悟ったかのような、優しい口調で、電話口からKを呼ぶお母さん。正直....
天使に見えたね。。
(電話だよ)
K『もしもし~?』
今度は間違いなく天使であった(笑)
「こ、こんばんは(ドキドキ)」
『あぁ~!?どうしたがぁ~♪』
「何となく(笑)」
『ビックリするやん(笑)お母さんやったろ?』
「死ぬかと思ったわ....。。」
『ごめんごめん(笑)』
「どうしよった(何してた)?」
『そろそろ寝ようかと(笑)』
時刻は19時半頃。
「早くない(笑)!?」
『そうやろか(笑)いっつもこんな感じで(笑)』
いや、読み返してて思うのだが、気持ち悪いなこの記憶力((((;゚Д゚))))
いつも、部活が終わって家に帰ると、
ご飯を食べて風呂入って寝る。
なんて男らしい生活!!
「じゃあ、もう寝るが?(ドキドキ)」
『寝ようかと思いよったけど、かまんよぉ(笑)』
伝わるかどうか不安だが、この
恋をしている時の緊張感。
全身に力が入り、筋力、特に僧帽筋から広背筋辺りが尋常じゃない緊張を余儀なくされている。
手が震える。。。
明らかに心臓の音と周りの雑音がいい感じにミックスされ、逆に無の境地のような状態になること。
父ちゃん。。俺は今。。。
最高に緊張している!!!
『こんばんは~♪』
我が家に客人が来られたみたいだ。。
テスト期間中だったか?個人部屋などない僕は、廊下のような場所に机を構えてもらい、弟と少し離れた場所で机に向かっていた。
弟は部屋でテレビを見ていた。
布一枚向こうではお客さん達と、ワイワイ宴が始まった。
『誰か来ちゅうの(来てるの)?』
「あぁ。。お客さんが呑みに来てくれちゅう(笑)」
『楽しそうやねぇ(笑)』
楽しい!!
こっちの会話の方が100倍楽しい!!
そんな事を思いながらも、声が漏れないように小声で会話をすすめる。
段々と、いつものペースに戻り、本当に楽しい時間が過ぎていく。家の事や、今何しているのかなど、普段学校でのコミュニケーションでは
知ることの出来ない、新たな部分が見えてきてて、テンションが上がってしまっていた。
「この前のTとSの、ハメられたな(笑)」
『ホンマよ~!どうやった?とか聞かれたがやき(笑)』
「なんて答えたがよそれ(笑)(ドキドキ)」
『いや...楽しかったよって(笑)』
「ホンマに楽しかった?(ドキドキドキドキ)」
『え..?楽しかったよ(笑)楽しくなかった?』
「いやいやいや!楽しい楽しい(笑)(ドキドキドキドキ)」
『クスクスクス...やろ(笑)』
「なんやねん(笑)(ドキドキドキドキドキドキ)」
恋愛経験値の低い門田は、非常に脈拍が上がっていた。普段低血圧な男がいつ倒れてもおかしくない程の高血圧状態だ(笑)
「ど、どんなふうに思っ..た?(ドキドキドキドキドキ)」
『何がぁ(笑)?』
「いや、その...その時よ(笑)」
『え..?その時?(笑)その時はぁ....』
『う~ん...。。やっぱり優しいなぁ~てよ(笑)』
優しい男は、優しいままで終わるのだよ。
汚れた今のわたしなら、当時の彼にそう言ってあげたい(笑)
しかし!彼は純粋だったww
「そ、そうかぁ(笑)はははは...」
「俺もめっちゃ楽しかったがって(笑)」
『あたしも(笑)』
絶好調に会話がキュンキュンしていく中、お互いどうすんだろう今後の展開は?となりかねない状況。
しかし!この時、元来のチキン野郎が、大きな鳴き声で叫ぶ
YOU 好きって言わせちゃいなよ
残念なことに、空気を読むということを、良くも悪くもしてしまう性格なもので、明らかにこの空気、いい感じに持っていける自信があった!!?
「どんな、ところが....?(ドキドキ)」
「てゆーか、何処がその... いい感じよ?」
(何が『自信』だこの下手糞ぉー!!)
『何それ(笑)どう言うこと...(クスクスクス)』
「いや、だから、その....、俺の..どんな」
(ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ)
多分血圧は500を超えていたのではないだろうか....
『一緒におったら楽しいよ!それ以上私に言わすき(笑)?』
布一枚向こうで、遠く感じていた呑み会の声が、急に大きく感じた。